顧客離れが起きる5つの原因と対応方法

顧客離れが起きる5つの原因と対応方法

顧客が離れる5つの原因

一般的に、新規顧客を獲得して売上をあげることは、既存顧客から売上をあげるよりも5倍の労力(時間やコスト)が必要だと言われています。

つまり、既存顧客を大切にすることで、私たちのビジネスはより効率的に展開することができるということです。

ところが、顧客の定着に悩んでいる社長も多くいます。なぜ、顧客はあなたから離れてしまうんでしょうか。

アメリカのハーバード・ビジネス・レビュー誌が行った調査によると、顧客が離れていく原因は次の5つに大別できるそうです。

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5位:引越や死亡など(4%)
4位:友人からの別商品のすすめ(5%)
3位:自分で価格や商品を比べて(9%)
2位:商品やサービスに不満を感じて(14%)
1位:事業者に相手にされないから(68%)
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参考:
Harvard Business Review – Ideas and Advice for Leaders

もちろん、アメリカと日本では環境が違いますが、5つの顧客離れの原因は自分が顧客の立場で考えてみると、非常に納得がいくものです。

特徴的なこととして、4位・5位は外的要因、1位・2位・3位は内的要因に分けられます。

引越や死亡による原因、友人からのレコメンドによる原因は外的要因であるため、どうしようもない原因です。ただし、これら外的要因は合わせて10%程度しかありません。

ということは、残りの90%の内的要因には、顧客離れを防ぐ何らかの対策が打てるかもしれません。

さらに、内的要因を分解すると、2つに分かれることがわかります。

「自分で価格や商品を比べて(9%)」「商品やサービスに不満を感じて(14%)」の2つは、商品自体に顧客がジャッジして、顧客離れが起こっています。合わせて23%です。

驚くことは、「事業者に相手にされないから(68%)」が7割近くを占めていることです。顧客離れの原因の大部分が商品ではなく「人」。しかも相手にされていない、という理由です。

では、顧客離れを生む商品と人の原因をさらに紐解いてみましょう。

商品、サービスが原因の顧客離れ

顧客離れを引き起こす原因の4人に1人は、商品やサービスに不満を感じたり、別のものと比較することであなたから離れてしまいます。

商品が原因の顧客離れには、次の5つが考えられます。
※以下の情報の出処はわかりませんがよく見かけます

商品が原因の顧客離れ1.忘れてしまう

世の中にはたくさんの競合他社や競合商品があります。今は優良な顧客でも、常に比較対象が市場に登場するため、アピールを怠ってしまうと、すぐに商品は忘れ去られてしまいます。

チラシの配布や定期的なイベント、また店舗ビジネスなら、常に人通りを気にした展開が必要です。

商品が原因の顧客離れ2.失望してしまう

今ある商品は苦労して作り上げた商品です。だからと言って、既存顧客が気持ちを汲みとって満足し続けてくれるわけではありません。

商品品質、商品機能、サービスの充実を怠った時点で、既存顧客はその商品に失望してしまうでしょう。既存顧客は、商品の背景ではなく、今の商品の価値にお金を支払っているんです。

商品が原因の顧客離れ3.飽きてしまう

商品には必ずライフサイクルがあります。ライフサイクルは、5年保つものもあれば、1年で終わってしまうものもあります。

商品の機能を見直してライフサイクルを伸ばしたり、良いライフサイクルの間に新しい戦略を打ち、既存顧客に飽きられないビジネススキームを作り上げる必要があります。

商品が原因の顧客離れ4.制覇してしまう

顧客は常に新しい刺激を求めています。毎回同じ仕掛けで、顧客をワクワクさせ続けることは不可能です。

安定しているからといってマンネリ化した状態を続けてしまうと、既存顧客はどんどん離れていってしまうでしょう。

商品が原因の顧客離れ5.優先順位が落ちてしまう

既存顧客にとって、あなたの提供する商品が1番のお気に入りだとしても、明日その順位が2番に落ちてしまうかもしれません。

顧客が今使っているものはすべて、あるシチュエーションにおいて1番のものばかりです。

飲食店でも、「同僚と2人で飲むならこの店」「家族と食事するならこの店」「デートに使うならこの店」というように、優先順位が1番で構成されています。

1番が2番に落ちるということは、思っている以上にインパクトが大きいのです。2番じゃダメなんです。

人が原因の顧客離れ

顧客離れを引き起こす原因の3人に2人は、営業マンやオペレーターなど、あなたの会社の誰かに「相手にされていない」と感じることで、起こります。

「商品、サービスが原因の顧客離れ」には、もちろん商品に関係する接客対応が悪かったなどが含まれるわけですが、「相手にされていない」と感じさせるのは、それ以前の問題です。

つまり、商品やサービスのオペレーションに、定期的な顧客への声掛けや何らかの接触をするための仕掛けが必要になるということです。

「商品、サービスが原因の顧客離れ」と被りますが、定期的な接触は「忘れてしまう」ことを防ぎます。

「失望してしまう」ことをフォローできます。「飽きてしまう」ことに対策をうてます。「制覇してしまう」前に意見を聞けます。そして、複合的に「優先順位が落ちてしまう」ことを防げます。

顧客離れが起きる原因と防ぐ対策まとめ

今回のお話をもう一度まとめると、以下のことがわかります。

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・既存顧客より、新規顧客からの売上は5倍コストがかかる
・既存顧客が離れていく原因は、90%が内的要因による
・商品、サービスが原因の顧客離れは、全体の23%である
・人が原因の顧客離れは、全体の68%である
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つまり、私たちが顧客離れを防ぐために第一に考えることは、今提供している商品の良し悪しよりも、顧客への接触の仕方だということになります。

その上で、接触した顧客に対して、今の商品を見直すための意見を積極的に聞く行為が必要です。

これらの顧客勘定は何ら不思議なことではありません。顧客はみな、自分が使っている商品に対して特別な存在でありたいわけです。

自分が求めるよりも、相手に求められていると感じたいということです。改めて顧客心理は、深くて面白いものだと思いました。

この記事を読んで、商売のあり方、商品提供のあり方、顧客対応のあり方が大きく変わる方もいるのではないでしょうか。私もこの話を初めて聞いた際、自分や会社の仕事を深く考えるきっかけになりました。

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