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      2016/03/17
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情報漏えい・産業スパイ増加の背景、防止が難しい4つの理由

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この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

国内最大級の情報漏えいの背景

この10年ほど、情報漏えいや産業スパイのニュースを見る機会が増えたように思います。

例えば、2014年にはベネッセの個人情報漏えい事件がありましたが、国内過去最大の情報漏えいだったため、とりわけ大きく報道されました。

流出した顧客情報が最大で2070万件に及ぶ大規模なもの。流出した情報は、進研ゼミなどといったサービスの顧客の情報であり、子供や保護者の氏名、住所、電話番号、性別、生年月日など。ベネッセ側は、社内調査により、データベースの顧客情報が外部に持ち出されたことから流出したと説明。これはベネッセの顧客に、ベネッセのみに登録した個人情報を使った、別の通信教育を行う会社からのダイレクトメールが届くようになり、ベネッセから個人情報が漏洩しているのではないかという問い合わせの急増により発覚した。

参考:
ベネッセ個人情報流出事件 – Wikipedia

確定した個人情報漏えい件数だけで約760万件、最大で2070万件という凄まじい数の個人情報が管理元から流出しています。

もちろんベネッセだけではなく、日本ではこれまでに個人情報漏えいや企業情報の流出・人材流出による産業スパイ事件などがあります。

あなたが経営する会社に重要な機密情報があるなら、情報漏えいのニュースを見る度に気が気ではないでしょう。

なぜこのような情報漏えいは起きてしまうのでしょうか。情報漏えいや産業スパイが増加している理由と防ぐ手立てがあるのかを見ていきましょう。

営業秘密情報とはどのような情報か

そもそも、流出してはいけない機密情報とはいったい何でしょうか。

ベネッセの顧客情報漏えい問題において、本件を刑事事件化するための焦点とされたのが、不正競争防止法が規定する「営業秘密」に該当するかどうかでした。

営業秘密に該当するためには以下の3点の要素が必要です。

営業秘密情報の要素1.秘密管理性

営業秘密情報は、秘密な情報であるとわかるように管理されている必要があります。

たとえば、電子データであれば、IDとパスワードを使ってアクセス制限がかかっていたり、ログイン時のログ取得がされていたり、紙文書であれば、金庫や鍵棚に入れられ、ファイリング管理されているなどの明確な管理体制が必要です。

営業秘密情報の要素2.有用性

営業秘密情報は、事業活動に有効な情報であること、営業活動に有効な情報であることが明らかだと証明する必要があります。

営業秘密情報の要素3.非公知性

営業秘密情報は、誰もが知っている情報ではないこと、その企業独自、またはその情報単体が公ではないことを証明する必要があります。


つまり、この3つの要素を含んだ情報が企業にとって非常に重要な「営業秘密情報」ということになり、この情報が漏えいすることで騒ぎがより大きくなるということです。

日本で情報漏えいが増加する5つの理由

では、なぜ日本では最近頻繁に情報漏えい・産業スパイ事件が起こるのでしょうか。背景にある5つの理由を見ていきます。

情報漏えい増加理由1.グローバル化が進んだ

1つ目がグローバル化です。

グローバル化によって国内外さまざまな企業同士が接することが増えました。それによって、被雇用者個人がグローバル企業と接触する機会も増えています。

新興国企業からすれば、自社で技術開発を行うよりは日本人技術者が持っている情報を取得する方が、時間もコストも大幅に短縮することができます。

情報漏えい増加理由2.営業秘密に接触する人が増えた

多くの企業が営業秘密を多く保有するようになりました。特に個人情報は何万、何十万単位で抱えています。

本来であれば、信用できる少数の人が管理すべき情報なのですが、大企業では日々個人情報が使われているため、接触できる人が多くなっています。

情報漏えい増加理由3.機密情報の多くが電子データ化された

ベネッセの個人情報漏えいでは、スマホのSDカードに何百万人ものデータを入れて情報を持ちだしました。

同じ量の情報を紙で流出させることは不可能です。

情報漏えい増加理由4.多くの技術者がリストラされた

営業秘密情報はデータ化(文書化)できるものを守れば良いだけではありません。

これまで特別な技術を持った技術者が、日本の失われた20年の間に大量リストラされてきました。彼らの頭の中には、新興国企業にとって非常に有用なデータが詰まっています。

新興国はそのような技術者を良い待遇で雇用することに躍起になっています。

情報漏えい増加理由5.雇用の流動化が促進した

バブル崩壊とともに終身雇用制が大きく崩れ、雇用の流動性が進みました。

雇う側、雇われる側どちらの意識も大きく変わっています。企業の責任感は以前より軽くなり、被雇用者の責任感も以前より軽くなりました。

転職サービスやヘッドハンティングが増えたのもこの頃からです。もちろん、国内では大手から中小へ、グローバルでは日本から海外への引き抜きが起こり、情報漏えいの原因となっています。

情報漏えい・産業スパイは防げるのか

ではどうすれば、情報漏えいや産業スパイ活動を防ぐことができるのでしょうか。

情報漏えい防止策1.不正競争防止法の厳格化

前述した不正競争防止法は民法上の損害賠償請求ができるものから、平生21年4月より営業秘密に対する侵害行為について刑事罰が問えるように改正されました。

詳しくはこちら。不正競争防止法 – Wikipedia

ベネッセ情報漏えいが大きくクローズアップされた背景の1つには、この刑事起訴の話があります。

つまり刑事罰が問えることによって、抑止力になり得るということです。

情報漏えい防止策2.企業内の個人契約の厳格化

先程、雇用に関する意識が変わったことを書きました。「企業の責任は以前より軽くなり、被雇用者の責任感も以前より軽くなりました。」

これまでは明確な職務規定がなく、「責任」という倫理観で縛ってきた企業も多くあったでしょう。

ただし雇用の流動性が生まれ、待遇面で就職を考える人が増えた場合に、倫理観を縛るためには厳格な個人契約が必要になります。

これまでのナアナアな体質は見直し、営業秘密を流出させた従業員がどのような罰則を受けるかを明記した契約書を交わし、契約上の責任を理解してもらう必要があります。

情報漏えい防止が難しい4つの理由

法律が厳格化されても情報流出を防ぐことは難しい

いくら情報漏えい防止作を講じても、小さな規模では恐らく日々情報漏えいがあり、全ての情報漏えいを防ぎきることは難しいでしょう。

抑止力になり得る不正競争防止法の厳格化ですが、立件されているものは全体のごくわずかだと思います。

いくつか理由を見ていきましょう。

情報漏えい防止が難しい理由1.営業秘密の認定が面倒

秘密管理性、有用性、非公知性全てが揃わなくては営業秘密とはいえません。

つまり、「業務に使用されていたその企業が独自に収集した個人情報」のようなわかりやすい情報でない限り、営業秘密と認定させるために非常に手間がかかってしまうでしょう。

情報漏えい防止が難しい理由2.原告側の立証責任が困難

仮に営業秘密が認定されても、裁判において原告側は「どのような被害がどれ位の規模で起こったかを立証しなければいけない」という責任があります。

被害規模の特定は非常に厄介で、時間もコストも必要です。

情報漏えい防止が難しい理由3.裁判での機密情報開示義務

原告側は裁判の過程で全てを明らかにする必要があります。つまり「どのような営業秘密ですか?」と問われれば、その内容を明らかにしなければいけません。

これは、企業にとってかなり本末転倒な話だと言えます。

情報漏えい防止が難しい理由4.公になることで業務に支障

原告側は情報漏えい事件に対して起訴するため、自分たちが情報を流出させてしまったと宣言するわけです。

もし明らかになっていない話しであれば、流出した情報よりも、流出させてしまった事実を世間に知られてしまう方が企業のダメージが大きくなることがあります。

情報漏えい・産業スパイの背景と防止が難しい理由まとめ

水が高所から低所へ流れるように、情報があるところからないところに流れるのは自然といえば自然なことです……。

とは言え、企業にとって重要な営業秘密情報が流出してしまうことは、企業や個人、その家族に何らかの被害を及ぼします。

これまで、良くも悪くもナアナアでうまくやってきた日本企業の文化では、今後より多くの営業秘密を流出させずに扱うことはなかなか難しいことでしょう。

今後の情報漏えいは、大企業だけではなく中小企業メインで、グローバルに起こってくる問題だと予想できます。

企業文化や管理体制自体を根底から変えないといけない時がきたのかもしれません。

 -経営 ,

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