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      2016/03/17
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減価償却資産の種類と金額毎の効果的な処理方法

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減価償却資産が少額の場合の取り扱い

私たち中小企業や個人事業主を助けてくれる制度の1つに、「少額減価償却資産の特例」というものがあります。もちろん社長であれば知っているはず。

「少額減価償却資産の特例」とは、減価償却資産を購入した場合に一定の要件を満たせば、取得価額の相当額を損金計上できるという制度です。

つまり、本来は複数年に渡って償却しなければいけない固定資産が一括で償却できるため、処理がしやすく、節税がしやすく、無駄な資産税などもかからなくなります(場合による)。

30万円未満の減価償却資産の場合、一定の条件を満たせば全額を一括で償却(会計上の損金算入)することが可能です。この処理のことを「少額減価償却資産の特例」と言います。

また、年度途中に取得した減価償却資産は月割分の減価償却費しか損金算入できませんが、「少額減価償却資産の特例」を利用すれば、例え年度末に購入した減価償却資産でも全額を経費・損金参入できるわけです。

参考:
中小企業や個人事業主が使える少額減価償却資産の特例とは

さて、このような「少額減価償却資産の特例」を含めて、企業は取得した減価償却資産が少額の場合、取得価額によっていくつかの処理方法を選択することが可能です。

その取得価額は「10万円未満」「10-20万円未満」「20-30万円未満」「30万円以上」の4種類に分類され、減価償却資産は「少額減価償却資産」「一括償却資産」「少額減価償却資産の特例」「固定資産」の4種類に分類されます。

減価償却資産の処理概要を図で説明すると以下のとおりです。

少額減価償却資産

※30万円以上の減価償却資産の場合、全事業者が固定資産による処理が可能だという見方

では、それぞれの金額でどのような条件の場合に「少額減価償却資産」「一括償却資産」「少額減価償却資産の特例」「固定資産」を選択できるのか、また、これらの処理方法はどのようなものなのかを説明したいと思います。

会社が購入する減価償却資産の種類

減価償却資産の種類1.固定資産

まずは何度も登場していてわかりやすい固定資産から。「固定資産」とは以下のものを言います。

固定資産とは、会社が複数年にわたって所有・使用する資産になる対象物のことです。

固定資産には、有形固定資産と無形固定資産の2種類があります。

有形固定資産は、不動産、車、機械、土地、建物など形があるもので、無形固定資産は、営業権、特許権、ソフトウェア、各種利用許諾件などの形がないものです。

固定資産の反対は流動資産と言い、現金、有価証券、債権、原材料、商品など一時的に企業が所有、または1年以内に現金化できる資産のことです。

参考:
減価償却はなぜ必要?固定資産、会計処理等の考え方

通常、固定資産になるモノは10万円以上のモノからです(場合による)。

固定資産は固定資産台帳に記載され、耐用年数によって減価償却されるため年度毎に価値が変化します。そして、その価値によって固定資産税(償却資産税)が発生します。

減価償却資産の種類2.少額減価償却資産

「少額減価償却資産」とは、取得価額10万円未満の資産(一般的には消耗品)の取得をした際に全額費用とすることができる減価償却資産のことです。

固定資産とは複数年に渡って使用し、すぐに現金化できないモノを指しますが、5,000円のポットや1万円のルーターなど少額の備品類を全て固定資産にしてしまうと処理が非常に面倒です。

また、ポールペンは?ノートは?と境界が曖昧になってしまいます。そこで、これは逆に考えた方が良いでしょう。

本来全てのモノが一括で経費処理された方がわかりやすいのですが、高額なモノになると使用する年数は長くなり、そのモノを持っていること自体が企業の価値になる可能性があるため、固定資産の概念は必要です。

ところがモノ全てを細かく固定資産とそれ以外に分類することは難しいため、ある金額以上のモノは全て固定資産として減価償却処理するというルールが設けられました。その金額が10万円です。

少額減価償却資産は固定資産台帳に記載する必要がなく、(建前上は)単年で価値がなくなるため固定資産税も発生しません。

減価償却資産の種類3.一括償却資産

「一括償却資産」とは、取得価額20万円未満の減価償却資産の取得をした際に全額費用とするか、資産に計上して3年で均等に減価償却するかを選択できる資産のことです。

なお、期中に購入しても減価償却費は月割りをせず、3分の1の額を経費計上します。

一括償却資産は固定資産台帳に記載する必要がありますが、市区町村に届け出る必要が無いため固定資産税は発生しません。

減価償却資産の種類4.少額減価償却資産の特例

「少額減価償却資産の特例」とは、取得価額30万円未満の減価償却資産の取得をした際に全額費用にできる減価償却資産のことです。

ただし、中小事業者(主に資本金1億円以下の中小法人と個人事業主)が対象です。また、少額減価償却資産として処理する資産の合計額は一年で300万円が上限です。

「少額減価償却資産の特例」に類する少額減価償却資産は固定資産台帳に記載しなければならず、減価償却による固定資産税が発生します。

「少額減価償却資産の特例」は以下で詳しく説明しているので参考に。

参考:
中小企業や個人事業主が使える少額減価償却資産の特例とは

取得価額が10万円未満の場合

さて、資産の種類がわかったところで、次は減価償却資産の金額によってどのように処理をすれば良いのかを見ていきます。もう一度この表を見るとわかりやすいでしょう。

少額減価償却資産

取得価額が10万円未満のものは全ての事業者において「減価償却の必要がなく、固定資産に分類する必要がない」と考えます。つまり消耗品として経費処理をすれば良いでしょう。

また、処理方法は選択できます。「一括償却資産」として3年で均等に減価償却することも可能ですし、「固定資産」として耐用年数に合わせた減価償却を行うことも可能です(ほぼ行われませんが)。

注意点は、取得価額が10万円未満のモノとは通常1セットで購入するとみなされるということです。

例えば、普段使いするデスクトップパソコンを購入する場合、パソコン本体とモニターを分けて買うことはないでしょう。

また、応接セットも同様で、ソファーとテーブルはセットで組み合わせて機能すると考えるため、セットでの合計取得額が10万円未満でなければいけません。

参考:
No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示|法人税|国税庁

取得価額が20万円未満の場合

取得価額が20万円未満のものは全ての事業者において、「一括償却資産」として処理できます。その場合は、固定資産台帳に記載し3年で減価償却処理を行います。

また、個人事業主や中小企業であれば「少額減価償却資産の特例」により、少額減価償却資産として処理することも可能です。

恐らく中小企業であれば、少額減価償却資産の合計金額が150万円になるまでは固定資産税がかからないため、「少額減価償却資産の特例」を使って処理をすることが多いはずです。

もちろん「固定資産」として処理をすることもできますが、特段のメリットはないように思います。あるとすれば、決算書の黒字を多く見せたい企業くらいかな……。

取得価額が30万円未満の場合

取得価額が30万円未満のものは個人事業主や中小企業において、「少額減価償却資産の特例」により、少額減価償却資産として処理できます。その場合は、固定資産台帳に記載し、少額減価償却資産の合計金額が150万円までは固定資産税がかかりません。

大企業になると20万円以上のモノは固定資産での処理しか行えません。

減価償却資産の種類と金額毎の処理方法まとめ

……わかりづらいですね。

企業の会計方法は戦後70年以上に渡って、様々な改正が加えられて今の形になっています。もちろんこれからも時代に合わせて変化し続けていくでしょう。

会社のあり方は「個人ではなく社会に寄与する」と考えると、存在価値を様々な角度で測るために複雑な考慮が必要なことは理解できます。

ただし、会社はいくら掛商売が原則とはいえ、手元にキャッシュがなければ運営ができません。つまり、会計上の考え方と税制上の考え方が異なるシーンが常に存在するということです。

稲盛和夫氏の提唱する「京セラ会計学」というものがあり、基本原則の1つに「キャッシュベース経営の原則」があります。 

「キャッシュベース経営の原則」とは、「お金の動き」に焦点をあてて、シンプルな経営を行うことである。現代の会計学では、複雑化する一方であり、経営の実態がわかりにくいものになっている。経営の実態を正しく伝えるという会計の原点に戻るなら、もっとも重要な「キャッシュ」に着目して、それをベースにして正しい経営判断を行うべきである。

京セラ会計学 7つの基本原則 | 稲盛和夫 OFFICIAL SITE

商売の本質は「モノを安くを仕入れ、価値を付加して高く売る」ことです。この基本原則を大事にしたからこそ、稲盛和夫氏は京セラを大きくし、親方日の丸の赤字体質だったJALを黒字再建させることができました。

私たち経営者は、会計を理解することで会社の様々な価値を外部に発信するとともに、キャッシュベース経営の考え方も大事にし、商売の原理原則に従って、会社を大きくしていく必要があるということでしょう。

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