株式会社設立費用の目安と資本金を決める4つの考え方

株式会社設立費用の目安と資本金を決める4つの考え方

株式会社設立時の費用や資本金の決め方を知っておこう

あなたが社長になりたいと思った場合、個人事業主としてスタートするか、法人(会社)を設立するかという選択肢があります。

会社設立に関しては、メリットとデメリットを以下の記事でお伝えしていますのでご参考に。

参考:
法人は個人事業主より得?会社設立のメリットデメリット

もしあなたが会社設立にメリットを感じ、株式会社を設立することになった場合、設立費用はいくら必要でしょうか。また、資本金はいくらに設定すれば良いでしょうか。

特に資本金にはちゃんと意味があるため、事業戦略から資金計画までを踏まえて決定する必要があります。

資本金の意味と資本金額の設定をしっかりと押さえておけば、会社が良いスタートダッシュを切ることができる可能性が高まります。

きっちり押さえて、今後の計画に活かしてください。

最低限必要な株式会社設立費用

株式会社設立に最低限必要な費用は登記費用です。個人事業から法人成りの場合は他に必要な費用がありますが、株式会社から作る場合は、以下の額だけで大丈夫です。

では、株式会社設立手続きの流れから説明していきましょう。

株式会社設立の流れ1.会社設立事項の決定

会社設立事項として商号や目的など、15の内容を決定します。

株式会社設立の流れ2.定款の作成とその認証

定款とは、作成する会社の組織や運営方法、株主の地位などを定めた規則のことです。定款は3通作成し、公証役場で認証して貰う必要があります。

実際に私が作った提出前の定款(大事なところは隠してあります!)を見たい方は以下からどうぞ。

参考:
起業に必要な定款とは?提出前の実際の定款サンプル

株式会社設立の流れ3.会社設立登記書類の作成

法務局に届け出るための書類を定款に基づいた項目で作成する必要があります。

株式会社設立の流れ4.会社設立登記の申請

会社設立登記の申請には、登録免許税という税金がかかります。また、登記簿謄本と印鑑証明も必要になります。


ここまでが最低必要な会社設立の流れです。必要な費用の内訳は以下の通りです。

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・定款に貼る収入印紙代として40,000円
・定款の認証手数料として50,000円
・定款の謄本手数料:約1,500円
・登記の際の登録免許税:15万円(資本金額の1,000分の7、または150,000円のどちらか多い方)
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というわけで、ざっくりと25万円が必要な額です。

後は、実際に会社を運営するための必要コストを考えなければいけません。そこで、資本金をいくらに決めるかが重要になります。

>>会社運営を成功させる10のポイントと運転資金

資本金が持つ3つの特徴

資本金とは何でしょうか。どのような意味があるのでしょうか。

資本金の特徴1.会社運営のために集めたお金

資本金は、「会社を運営するために発行される株式と交換することによって集めた資金」のことです。資本金は、あなたが出せばあなたが出資者、第三者が出せばその人が出資者になります。

起業時に資本金が多いことは、対外的に「社長がお金を持っていた」、または「社長がお金を集める能力があった」と言えるため、社長の信用力の指標になります。

資本金の特徴2.その法人に関係すること全てに使っても良い

資本金は、法人口座に預けたまま使ってはいけないお金、できるだけ使わない方が良いお金だと勘違いしている方がいます。

仮に、資本金額を500万円にしたとしましょう。この500万円は社長が「事業に必要な資金として設定した額」です。

社長は資本金を元手に会社運営を行い、資材の購入、事務所の賃貸費用、デスクやパソコン、従業員の給料、そして役員報酬などに使います。

資本金の特徴3.会社の信用力を左右する

資本金は会社が業務を行うための資金として使われます。資本金が多ければ、それだけ業務に支障をきたすことなく運営できる会社、という見られ方をします。

つまり、資本金が多い企業は体力があると判断される場合が多く、それが他社との取引においても重要な判断材料の1つになります。

法人が10年以内に倒産、廃業、削除に至る可能性は9割と言われているので、取引相手は必ずあなたの会社にリスクがないかを考えていると思ってください。

参考:
日本の企業数、倒産件数、赤字会社の割合、上場企業数など

資本金を決める4つの考え方

次に、資本金をどのような考え方で決めれば良いのか、4つの決め方をご紹介します。

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1.半年先まで予測して事業に必要な資金から決める
2.資本金額によって変わる創業融資から決める
3.法人税と消費税の特例から決める
4.事業規模や取引先との兼ね合いから決める
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資本金の決め方1.半年先まで予測して事業に必要な資金から決める

起業をするからには、ある程度の勝算が必要です。だからと言って商売は水物。当初の計画通り、事業が順調に軌道に乗る場合もあれば、そうでない場合もあるでしょう。

そこで、仮にうまく軌道にのならなかった場合を考え、必要最低限の月次運営コストが賄えるくらいは資金を用意しておきます。

私がおすすめするのは、6か月分の運営コストを資本金で賄うことです。6か月分を考えて設定すると、初期3か月の予測のズレを次の3か月で修正することができます。つまり、最大2回の軌道修正が可能だということです。

資本金の決め方2.資本金額で左右される創業融資から決める

まず大前提として、創業融資は特別な理由がない限り検討してください。創業融資は名前の通り、会社を始めたばかりの人が使える公的な融資制度です。

会社の信用力が乏しい起業時期において、無担保、無保証、連帯保証人も不要で、最大3,000万円を2%台の金利で借りることができるかもしれません。

融資額は場合によって変わります(最大で1500-2000万と言われている)が、自己資金の9倍までを借りることができます。自己資金、つまり資本金を300万円に設定すれば、最大で2700万円の融資を受けられるかもしれないということです。

事業の必勝パターンを見つけ出すまでの期間は、余裕をもって計画を建てられるキャッシュがあることは非常に心強いはずです。

創業融資に関しては以下を参考にしてください。

参考:
起業時でも無担保で最大3000万円!新創業融資制度とは

資本金の決め方3.法人税と消費税の特例から考える

株式会社設立に際して、資本金額によって税金の特例を受けられる場合があります。それが以下の2点。

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・消費税
・法人住民税
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ポイントは1,000万円以上か1,000万円未満かが分岐点なので、特別な理由がない限りは、資本金は1,000万円未満に設定しておきましょう。

まず消費税ですが、会社設立から2期に渡って、消費税納付の免税処置が受けられます。

計算方法は場合によって変わるためここでは割愛しますが、消費税増税が頭にある社長にとって、消費税を納めなくて良い制度は非常にありがたいものです。消費税免税に関しては以下を参考にしてください。

参考:
起業2期間の消費税免税は本当に得?メリットとデメリット
起業2期間きっちり消費税免税メリットを得る4つの方法

次に法人住民税ですが、こちらは以下の様に納付金額が変わります。少しの違いですが、キャッシュの流動性を高めるために現金を手元に残す様に考慮しましょう。

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・資本金1,000万円未満の場合は7万円の納付
・資本金1,000万円以上~1億円以下の場合は18万円の納付
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参考:
滞納で倒産は避けたい…会社が納める税金9種+α

資本金の決め方4.事業規模や取引先との兼ね合いから決める

初めての会社設立の場合、取引先との兼ね合いによる資本金設定はあまり考えなくても良いとは思います。ただ、以下の場合には、取引先(候補)の意見も加味した上での資本金設定が必要な場合があります。

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・あなたの会社が仕入先として大口の契約を結べる場合
・取引先の取引条件として資本金の設定がある場合
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最初から取引前提で会社設立をすることもあるでしょう。信用力を高めておくことで、より良い条件の契約を結べるかもしれません。

特に、あなたの会社から仕入れをする取引先であれば、なおさら資本金額がリスクヘッジの指標になる可能性があります。

また、取引条件に資本金額の設定がされていて、そこをクリアすれば契約できるという取引先もあります。

どちらも思惑の話になるため、しっかり取引先の担当者や決済権者と話し合いを行い、何らかの書面を巻いたうえで資本金額を設定するようにしましょう。

会社設立費用と資本金を決める4つの考え方まとめ

資本金の特徴、また資本金を決める際の考え方がわかっていただけたと思います。

資本金は、その設定額によって様々なメリットを得たり、戦略的に使われるだけでなく、起業時に計画した事業計画書の正確性を検証する指標になると言えます。

そのため、資本金を税金特例などのメリット面からだけで考慮する安易な決め方はしない方が良いでしょう。

複数回の会社設立を経験している社長であればお分かりかと思いますが、あまり関係がないとお話しをした「事業規模や取引先との兼ね合いから考える」という考慮がたまにあります。

この考え方によって、会社設立の度に大きなメリットを得ている社長がいることは事実です。

もちろんこれは、特殊な環境を構築できる人だからこそあり得るわけですが……。

資本金の決め方1つにしても、起業はなかなか奥深く面白いものだと思います。

もちろん、資本金を決める方法は損得だけではありません。商売はある意味博打です。ゲンを担いだって良いんですよ。

参考:
1000万円以上?999万円以下?資本金を決める3つの考え方

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