社内経費削減は固定費で検討!14のコストカット方法

社内経費削減は固定費で検討!14のコストカット方法

なぜ固定費でコストカットするのか

今さらな気もしますが、固定費がどのようなものかをしっかりと理解しましょう。

固定費とは、主に人件費、賃借料など、変動費に分類されない費用のことで、売上にかかわらず固定でかかる費用なので固定費と言います。

参考:
損益計算書の限界利益と損益分岐点を知れば会社は成長する

会社がコストカットをしたい場合、よく固定費を削減した方が良いと言われますが、なぜ固定費を削減した方が良いのでしょうか。

この部分をしっかりと理解せずにコストカットにばかり着目すると、商品の品質や社員のモチベーションに繋がる変動費を削ってしまい、組織がガタガタになってしまうかもしれません。

まず、固定費を削減すると限界利益を上げることができます。

小売店Yが6万円の商品を仕入れて10万円で販売できれば、理論上商売は成り立ちます。100個仕入れれば600万円の仕入、全部売り切れば1,000万円の売上、そして400万円の粗利です。

単純な物の売り買いによって生じる利益、これを「限界利益」と言います。限界利益は、人件費や家賃などの固定費の概念を含みません。

限界利益は、会社経営に非常に重要な指標です。ここがプラスにならない限り、どれだけ工夫をしてもその商売は成り立ちません。限界利益は以下の式どちらかで表されます。

—–
1.限界利益=売上-変動費
2.限界利益=固定費+利益
—–

売上(1,000万円)-変動費(600万円)=限界利益(400万円)

参考:
損益計算書の限界利益と損益分岐点を知れば会社は成長する

変動費は売上に合わせて変わる費用なので、安易に減らすことはできません。

もちろん、固定費も単純に減らせば良いわけではなく、業務に影響がないように慎重に検討しなければいけません。

では、どのような項目を検討すれば良いのでしょうか。固定費を削減するための検討項目と固定費を削減する方法をご紹介したいと思います。

固定費削減検討項目1.人件費

削減方法1.業務全体の単純作業を仕分ける

単純作業は、教育の必要性が薄いパート・アルバイトに分業し、技術が必要な業務を正社員に割り当てます。

削減方法2.シフト表で徹底管理する

業務の無駄をなくすためには、徹底した労働時間の管理が必須です。シフト管理表を作成して予実管理をすることで、業務に余剰人員が出ないように調整しましょう。

削減方法3.間接人件費を抑える

間接人件費を抑えるための直近手段としてはシステム化が考えられます。

例えば、見積りシステム・会計システムなどはネット上で提供している安価なサービスがあるため、それを利用して間接人件費を極力抑える工夫をしましょう。

参考:
請求管理業務にクラウドサービスを使う4つのメリット

ただし、既存の業務運用が複雑でシステムに置き換えられない場合もあります。どちらが効率が良いかは天秤にかけなければいけません。

削減方法4.赤字業務の廃止を検討する

赤字を出している業務や部署は廃止して、人員の配置転換を検討します。

既存業務に見切りをつける行為は「見切り千両」と言われますが、いざ実行する際には非常に勇気が必要です。赤字業務に見切りをつける方法はいずれまとめたいと思います。

削減方法5.能力給を導入する

人事考課を見直すことは容易ではありませんが、生産や成果に対する能力給を導入することで、売上に対するコストに無駄が少なくなります。

基本給以外の能力給の部分は、変動費に置き換えて考えることができると思って良いでしょう。

削減方法6.業務地を移動する

東京と沖縄では平均給与月額が14万円も違います。

たとえばコールセンターなど、物や人が大きく動かなくて良い施設の場合、初期投資はかかりますが東京よりも沖縄の方が圧倒的に利益率が高くなるでしょう。

これは、工場の海外移転なども同様です。

削減方法7.外注を効果的に活用する

季節差がでる業務の場合、内部に人を抱えるよりは、外注を頼った方が年間トータルでコスト圧縮に繋がる場合があります。

良い取引をできる外注業者は一朝一夕で見つかるものではありませんが、見つかりさえすれば何十年のお付き合いになる可能性があるため、長期スパンで考えるようにしましょう。

削減方法8.引越前に家賃交渉をする

人が増えて作業スペースが手狭になった場合、早めに引越の検討をすることがあるでしょう。

一気に人が増える場合は置いといて、まずは将来の引越先を検討する前に家賃交渉をしてみましょう。

削減方法9.機械導入の前にロット管理を見直す

設備投資で高額な機械導入に踏み切る理由はさまざまですが、生産性を上げたい場合、機械の稼働時間とコストを見直してみましょう。

二交代制、三交代制を導入した方が、生産性をあげ、コストを圧縮できる場合があります。

固定費削減検討項目2.支払い利息

削減方法1.銀行と金利交渉をする

融資を受けている銀行と金利交渉をすることはタブーでも何でもありません。

設備投資が大きい事業は借入金額も大きくなります。金利によっては月次支払い金利が何十万円も変わることがあるため、粘り強い交渉が必要です。

削減方法2.融資をまとめられるか相談する

1行でも融資によって金利が違っていたり、複数先から融資を行っている場合に、融資がまとめられるか相談をしてみましょう。

融資をまとめることができれば、金利だけではなく今後の交渉事に使う時間も削減することができます。

削減方法3.手形取引から現金取引に変えてもらう

建設業や製造業など、長年経営している顧客の中には、振出期日が長い長期手形で支払いを行っている場合があります。

ところがそれは単なる慣習で、実はあなたの会社以外は全て現金取引に切り替えているかも知れません。

キャッシュフローが良くなれば、融資の一部を返済して支払利息を減らすことができます。

削減方法4.資産を現金化して借入を返済する

借入返済に現状のキャッシュを使うと経営のバランスが崩れてしまうため、資産売却をして借入返済を検討します。

また、固定資産税が必要な場合はそれらをカットできますし、レンタルなどでうまく変動費化できないか検討してみましょう。

削減方法5.請求サイトを変更する

顧客に対する請求サイトを短縮することで余剰キャッシュを作り、早期の借入金返済に当てることができれば支払い利息を減らせます。

固定費で経費削減する方法まとめ

固定費の削減は、細かい金額の積み重ねとルール作りが非常に重要です。

たとえば、人を管理する方法はルール化されなければ必ず無駄が出ます。その都度厳しく注意するよりも、何度も試行錯誤して無駄をなくす方法を試した方が良いでしょう。

また、銀行や顧客への交渉をタブーだと考える方がいますが、法律違反、道徳に反する行為でなければ、真剣な交渉は何ら問題ありません。

ただし、人事考課や資産売却など大掛かりなものもあるため、まずはすぐに取り組めることから始めて、早めに固定費削減の効果を実感してから、大きなものに取り組むようにしてください。

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