変形労働時間、フレックスタイム、みなし労働時間、裁量労働の違い

変形労働時間、フレックスタイム、みなし労働時間、裁量労働の違い

働き方が変わる4つの労働形態

毎朝9時に出社して18時に終業。そこから一休みして、残業は20時まで。または、もっと遅くまで。

そんな決まった時間での就労スタイルが、当たり前の働き方だと考えている人は多いでしょう。

社長の仕事は従業員とは違って変則的です。朝起きた時から仕事のことを考え、帰宅の時間も仕事のことを考え、お付き合いで飲みに行くときも仕事を意識します。

こんな働き方をしているため、「たまには午前中はジムに行って、リラックスでもするかな。」なんてこともあります。

この働き方が効率を最大化しているかは別として、誰かに決められたスケジュールや時間の縛りで動くよりも、ストレスが溜まりにくい働き方であることは間違いないでしょう。

実は、会社が働き方のルールさえ変えれば、従業員の働き方は、今よりも時間に縛られず、ストレスが溜まりにくい環境を作ることができるかもしれません。

そのルールとは、変形労働時間、フレックスタイム、みなし労働時間、裁量労働という労働形態のことです。

今回は、従業員の働き方を変えることができる4つの労働形態の特徴について、お話したいと思います。

変形労働時間とは

変形労働時間とは、週当たりの平均労働時間が週法定労働時間の枠に収まっていれば、1週間または1日の労働時間の規制解除が認められている制度です。

変形労働時間の特徴

従業員に無理のない形で労働時間を柔軟にし、会社業務の繁忙期・閑散期に応じた労働時間の配分を行います。

1週間当たりの労働時間が40時間を超えなければ、法定労働時間である8時間を超える業務をしても、法定労働時間内に収まっていると考えます。

例えば、変形労働時間制を利用すれば、当番制で14時間働き、翌日を休暇にする働き方も問題はありません。

以前、ユニクロが週休3日制にするかも、という話がニュースになりましたが、実現する場合は、この変形労働時間を採用することになります。

ユニクロ、「週休3日」で楽になるわけではない | 企業戦略 | 東洋経済オンライン

変形労働時間制には1か月単位、1年単位で適用するものの2種類があります。
※1週間単位もあるがほぼ使われていない

1か月単位は、就業規則に規定することで導入できます。1年単位は労働組合、労働組合がない場合は、過半数の労働者を代表する者との労使協定を締結する必要があります。

また、変形労働時間制を使っても、1年単位の変形労働時間制では1日10時間および1週52時間以上、1か月単位の変形労働時間制では1週間の労働時間が40時間を超える場合は、時間外労働の手当てが必要になります。

参考:
週40時間労働制の実現 1ヵ月又は1年単位の変形労働時間制|厚生労働省

フレックスタイムとは

フレックスタイムとは、デザイナーや研究者など、労働時間を画一的に定めない方が良いとされる職種に使われる制度で、始業時刻と終業時刻を従業員個人に任せる労働形態です。

フレックスタイム制のメリットは、通勤ラッシュを回避できたり、アフター5の余暇を有意義に過ごすために、個人に働く時間帯の裁量が与えられている点です。

フレックスタイムの特徴

フレックスタイムの主な使い方は、1日の労働時間を決め、1日の中に出社すべきコアタイムを設け、その他の時間をいつ出社しても、退社しても良いフレキシブルタイムとすることです。

制度としてコアタイムは絶対ではなく、全てをフレキシブルタイムにする会社もあります。

フレックスタイム制は、1日、1週間の枠での時間外労働は発生せず、清算期間全体で法定労働時間の枠を超えた場合のみ、時間外労働時間の適応がされます。

清算期間における総労働時間 ≦ 清算期間(日数) ÷ 7日 × 40時間を超えた場合は時間外労働手当を支給する

みなし労働時間とは

みなし労働時間とは、出張や外回り等で使用者の監督外にあり、従業員の労働時間の算出が難しいときに使われる労働制度です。

すなわち、労働者が労働時間の全部、または一部について就業場所以外で業務に従事した場合、所定労働時間を労働したものとみなす、という考え方です。

みなし労働時間の特徴

みなし労働時間が適応される条件としては、就業場所以外での労働、かつ、労働時間の算出が不可能な時のみです。

具体的には、以下の3つが条件となります。

1.業務者の中に時間管理者が含まれないこと
2.携帯電話等で使用者の支持を得られるものがいないこと
3.訪問先や帰社時刻について具体的な指示を受けていないこと

もちろん、みなし労働時間制にも時間外労働の手当ては必要です。

裁量労働とは

裁量労働とは、みなし労働時間制の1つであり、業務の遂行方法が労働者にゆだねられる場合に、実際の労働時間ではなく、みなしの労働時間で労働時間の計算をする方法のことです。

具体的には、特殊な技術や研究開発をしている方など、何らかの成果を求められる職種に使われます。裁量労働制には、2つの種類があります。

裁量労働の特徴1.専門業務型裁量労働法

専門業務型裁量労働法は、専門性の高い仕事(デザイナー、研究開発者など)を対象とし、業務遂行の手段や時間配分を具体的に指示できない職種が対象です。

この制度を用いるにあたり、労働組合がある場合は労働組合と、ない場合は過半数の労働者を代表する者と業務の遂行手段、ならびに時間配分につき具体的指示をしない旨を定めるとともに、労働時間のみなし規定を置き、労使協定を締結する必要があります。

裁量労働の特徴2.企画業務型裁量労働法

企画業務型裁量労働法は、管理職者などで、企画業務を担当するホワイトカラーに向けて作られたものです。

ただし、専門業務型裁量労働法に比べて濫用の恐れがあるため、労使委員会における5分の4以上の多数決による決議を要するなど、施行にあたっての要件は厳格になっています。

変形労働時間、フレックスタイム、みなし労働時間、裁量労働の違いまとめ

このように、会社での従業員の働き方は、あなたが思っている以上にいろいろあり、その使い方によっては、会社に都合が良いと誤認されてしまうような制度もあります。

もちろん、どの制度を適用するにしても、法律を守ったうえで労働時間のルールを作らなければいけません。

冒頭でお話した通り、これらの労働形態を活用することによって、ストレスが溜まりにくい働く環境を整えることができるかもしれません。

社内環境を整え、従業員にとって働く環境に満足感を与えられれば、従業員のモチベーションアップにもつながります。これは、内発的動機付けの1つです。

ひとつは、給与や報酬といった外部刺激によって生まれるもので、外発的動機付けと言います。例えば、ボーナスの額が上がったことでやる気が増すといったメリットなどを指します。

もうひとつは、自分の中で幸せや達成感を感じて動機付けられることで、内発的動機付けと言います。

参考:
利益が出る会社が行う社員モチベーションアップ3つの方法

せっかくある労働形態ですので、まずは内容を把握して、自社に活用できるかどうかを検討してみてはいかがでしょうか。

もしかしたら、今よりも社内の生産性が上るかもしれません。

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