長期借入金とは?短期借入金と長期借入金の違い

長期借入金とは?短期借入金と長期借入金の違い

設備投資や工場や土地などの不動産を購入するなど事業の転換期に必要になるのが資金調達。借入には、短期借入金と長期借入金がありますが、実際この二つにはどのような違いがあるのでしょうか?本日はこの違いと、長期借入金のメリットや仕訳の方法について解説します。

1.長期借入金とは?

長期借入金とは、返済期限が1年以上の借入金のことで、土地や工場など大きな固定資産の購入などで運転資金が不足した時に使う借入金です。株式や社債の発行による調達資金はここには含まれません。英語で「ong term debt」や「Long-term loans」と呼ぶこともあります。

2.長期借入金と短期借入金の違い

大きな違いは返済期間

長期借入金の他に、短期借入金があります。この二つの大きな違いは期間です。短期借入金は1年以内の借入金で、1年以上のものが長期借入金になります。短期借入金は流動負債ですが、長期借入金になると固定負債に分類されます。この1年を境にB/Sの記載方法が変わるルールを「ワンイヤー・ルール」といいます。

長期借入金は審査が厳しい

短期借入は、売掛金の回収など短期的な借入のため、赤字の会社でも融資を受けることができますが、長期借入金は金額も大きく返済期間も長いため、貸主である銀行等の金融機関にかかるリスクは大きくなります。そのため、長期借入においては以下のようなポイントが厳格に審査されます。

保証人・担保の有無

長期借入の場合は、原則として有保証人・有担保です。短期借入の場合でも一緒ですが、長期の場合は返済不可になった時のリスク分散のため、保証人・担保は厳しくチェックされます。消費者系の金融機関であれば、無保証人・無担保で融資を受けることもできますが、その分利子が高くなります。

資金使途

過去の決算書を元に、本当に不動産の購入や設備投資が赤字や恒常的な運転資金の不足を生じさせているのかチェックします。

過去の借入金の返済状況

他の金融機関への返済状況、返済プラン、借入先数といった項目をチェックされます。この項目から、返済能力はあるか、事業の将来性があるかなどを分析します。

2-1.長期借入金の金利(利息)

長期借入金の金利は、借入先によって大きく変わります。代表的な借入先を下記にまとめました。

政策金融公庫

最も金利が安いのが日本政策金融公庫です。無担保の場合、金利の相場は1.8%〜2.3%前後、有担保の場合、金利の相場は1.2~2.3%前後とされています。日本政策金融公庫は、固定金利のため、返済完了まで金利は一定額で返済の計画も立てやすく、借入れが初めての法人におすすめです。

銀行

銀行は、基本的に変動金利で有担保のため、土地、建物、債権、株券といった担保になるものを保有していないと、借入できる可能性は低いです。ただし近年では、固定金利で無担保の商品も増えつつあります。金利の相場は、銀行や銀行が扱う貸付の商品によって異なり、2.5~9%と開きがあります。メガバンク、都市銀行は低金利で審査が厳しい反面、地銀・信用金庫は高金利で地域密着、審査が通りやすい傾向にあります。

その他金融機関

銀行以外の消費者金融機関が提供しているローン・融資のサービスです。対象は法人・個人事業主問わず、審査も早く無担保・無保証人で融資を受けられる利点はあるものの、金利相場が6%〜18%と高いのがネックです。

2-2長期借入金の仕訳例

長期借入金でやっかいなのが仕訳の方法です。どの勘定科目が適切なのか、どのように仕訳をするのか、ここでは解説します。ぜひ参考にしてみてください。

返済期間が1年以内のものは短期借入金

長期借入金でも、返済期間が1年以内のものは「ワンイヤー・ルール」に従って仕訳を短期借入金に振り替える必要があります。振替え忘れても特に税法上違法ではありませんが、融資や資金調達、取引の際に決算書などを開示する際に、短期的な資金繰りの実態を正確に開示できないため、場合によっては虚偽報告となり、信頼を損ねるリスクがあります。なので、長期借入金がある場合は、決算処理の際に必ず残りの返済年数を確認しましょう。

保証料の仕訳は?

認知度のある大手企業であれば別ですが、基本的にできて間もないベンチャー企業や中小企業にとって融資を受けるなら信用保証は必須です。中小企業が融資を受ける時は「信用保証協会」から信用保証委託を受けるケースがほとんどです。信用保証を受けられる代わりに、信用保証料を支払う必要があります。基本的には、借入時に一括で支払いをして、支払利息または支払手数料に含めて計上しますが、長期借入金の場合は、保証料が次期以降にも反映されるため、決算期後1年以内に費用となる分を「前払費用」、決算期後1年を超えて費用となる分を「長期前払費用」と3つに分けて計上する必要があります。

長期借入金の仕訳例

長期借入金の貸借対照表の仕訳例は以下のようになります。返済の時は必ず返済額と支払利息を分けて計上しましょう。

借入れの時

条件:銀行から5年契約で融資を受け、収入印紙代が差し引かれて預金口座に入金された場合

借方科目
  • 当座(普通)預金・・・借入金額
  • 租税公課・・・収入印紙代
貸方科目
  • 長期借入金・・・借入金額

返済の時

条件:長期借入金の返済日に元金と利息が預金口座から引き落とされた場合

借方科目
  • 長期借入金・・・返済額
  • 支払利息・・・発生した利息
貸方科目
  • 当座(普通)預金・・・返済額+利息

長期借入金の支払期限が1年以内になった時

借方科目
  • 長期借入金・・・返済残額
貸方科目
  • 短期借入金・・・返済残額

保証料の仕訳例

条件:決算期が3月、借入日が9月1日(残り半年で決算)、返済期間が4年(48ヶ月)で、信用保証料が40万円一括支払いの場合

借方科目
  • 支払手数料・・・40万円×6ヶ月÷48ヶ月=5万円
  • 前払費用・・・40万円×12ヶ月÷48ヶ月=10万円
  • 長期前払費用・・・40万円×30ヶ月÷48ヶ月=25万円
貸方科目
  • 当座(普通)預金・・・40万円

3.長期借入金のメリット

長期借入金の最大のメリットは、定額返済になるため、返済のプランが立てやすいこと、返済に充てる負担を減らせる点です。ですが、一時的な事業目的で長期借入金を使うことはあまり得策ではありません。というのも、銀行にとって長期貸付はリスクも大きいため、審査も厳しく融資手続きも煩雑になるからです。工場や土地の購入、設備や機器への投資で運転資金が不足している局面で使うのが適切です。

4.多くの経営者の悩む長期借入金の管理

前述したように、長期借入金はワンイヤー・ルールに基いて短期借入金に振替をする必要があるなど、勘定項目への計上や資金繰りの管理も非常に煩雑です。なかなか本業の合間を縫ってこういった作業をするのは難しい・・・。そんな方にオススメなのが、「Seamag」というツール。長期借入金の一覧や推移を見れるツールがなかなかない中で、このツールは優れもの。

長期借入金の一覧や内訳が見れるだけでなく、借入先別で細かく推移を追えるため、計画的な返済プランを立てられます。一から直打ちしなくても、弥生会計や勘定奉行、MJSといったメジャーな会計ソフトから決算データを紐付けできるため便利です。

さらに、パソコンだけでなくタブレットやスマホでも使えるため、営業先や出張先でもサクサクと閲覧・編集ができますし、簡単にオンライン上で専属の税理士と共有ができます。

まとめ

いかがでしたか。長期借入金は、上手く使えば事業を大きく飛躍させるブーストになりますが、貸借対照表への計上を間違えると、取引先や融資先の金融機関への虚偽報告となり、信頼を失墜させてしまうことも。面倒だからと、決算書の記帳を怠らずに、本日紹介したポイントを抑えて仕訳をしましょう。

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