【BtoB】MA(マーケティングオートメーション)の活用方法とおすすめのツール

【BtoB】MA(マーケティングオートメーション)の活用方法とおすすめのツール
デジタルセールスコンサルタント
デジタルセールスコンサルタント
自称:James(ジェームズ)
システムインテグレーション業界で20年以上営業をしており、自身でもプログラム開発します。「営業経験」と「インテグレーションのノウハウ」を活かし、デジタルセールスコンサルタントを行っています。売上アップにつながるノウハウをいっぱい掲載していきます!

MA(マーケティングオートメーション)ツールとは

MAツールとは、マーケティングオートメーションの略で、メルマガやキャンペーンメールを顧客の状況に合わせて自動的に実行してくれるツールです。

MAツールは使いこなせれば、「リスト作って、メール送信してきた今までの作業はなんだったんだ!」と思うぐらい楽になります。

MAツールの目的は、効率的に見込顧客を見つけ出し、営業にパスする作業を極力自動化することです。

具体的には、

  1. 潜在的な見込顧客の状況(どの程度興味があるのか等)を推測して
  2. 購入につながる対象者を絞り込み
  3. メールを送る(DMを送る)
  4. 反応があった潜在的見込顧客を営業にパス

といった作業を自動的に行わせることです。

MA 自動化

大まかな流れは、この手順ですが、BtoBとBtoCでMAツールの活用が少し違ってきます。

以降でその違いを説明します。

BtoBとBtoCでのMAツール活用の違い

BtoBとBtoCにおけるMAツール活用の違いを理解する上で重要なのは、「購入(発注)は誰ができるのか?」です。

「何を当たり前の事を言っているんだ!」と怒られそうですが、この違いにより購入(発注)までの過程でどこに力を入れるのかが変わってきます。

BtoBの場合は企業担当者が製品を知ってから契約までに時間を要します。
しかし、BtoCの場合は、欲しいと思えばその場で購入ボタンを「ポチリ」とします。

BtoBとBtoCでのMAツール活用の違い

この違いによりMAツールのどの機能を重点的に使うのか或いはMAツールと連携して使うツールの選定が変わってくるのです。

以降では、なぜBtoBで時間がかかるのかを説明します。

購入(発注)までにかかる時間

BtoBとBtoCでのMAツール活用の一番の違いは、購入(発注)までにかかる時間の違いです。

この違いは、BtoBの場合、注文までに社内承認が必要となることです。

BtoCの場合は、個人で判断して個人が気に入れば購入されるので、商品を知ってから30分もかからずに注文されることもあります。

しかし、BtoBの場合は、製品(商品)選定をした責任の所在を後々追及されない為、複数の決裁者が存在し、それぞれに承認を得て発注という段階を踏む為、商談化してから半年、1年かかることも珍しくないです。

また、BtoBとBtoCの場合では、MAツールで獲得した後工程の対応が異なります。

見込顧客をパスする先の違い

MAツールは、購入(発注)につながる見込顧客を効率的に見つけ出すことが目的です。

そして、見つけ出した見込顧客をクルージングする段階はMAツールとはまた別の仕組みで管理します。

ポイントは、クロージング担当が誰なのかということです。

BtoBとBtoCでは、パスされるその先(担当する先)に違いがあります。

BtoBでは、営業担当やインサイトセールスになりますが、BtoCの場合は、ECサイトや店舗に誘導することで購入を促します。

MAのBtoBとBtoBの違い

BtoBとBtoCでのプローチの違い

BtoBの場合

法人の担当者(企業担当者)にリードナーチャリング(育成)を行い、自社製品への興味を持たせ、理解を深めてもらう為の作業が必用になります。

つまり、リードナーチャリング(育成)を続けなければ、「案件化」につながりにくいのです。

法人の担当者は、他社製品を数社比較して1社に絞るというプロセスが必要になるので担当者の興味や要件にあっている製品であることを理解してもらう必要があります。

BtoCの場合

潜在的見込客を対象にすることが多い為、消費者の年齢やニーズ、性別等の属性情報に合わせて情報を露出していくことが重要になります。

その為、OneToOneマーケティングにより、BtoB以上にターゲッティングが重要となります。

売上を伸ばすには「潜在的見込顧客がどのようなチャネルで商品を知ってもらえると購入されるのか」を探り出す必要があります。

MAのBtoBとBtoBのアプローチの違い
まとめ
「BtoBとBtoCでのMAツール活用の違い」のまとめ
BtoBには決裁者が多く発注までに時間がかかる。そこがポイントになるぞ!。決裁者が多いということは、選定過程が明確になっていないとGOサインが出ない。受注までのプロセスを考えてMAツールに期待することを整理する必要がある。

BtoB向けMAツールの具体的な活用方法

BtoB向けMAツールは、効率的に「引き合い」を増やし、商談化する為に活用されます。

具体的には、

  1. 見込顧客の獲得(リードジェネレーション)
  2. 見込み客の育成(リードナーチャリング)
  3. 見込顧客の選定(リードクオリフィケーション)
  4. 休眠顧客の掘り起こし(リサイクル)

の4つに分かれます。

MAのステップ

見込顧客の獲得(リードジェネレーション)

見込顧客を見つけ出すステップ(工程)になります。

例えば、「安く顧客管理できるツールないかな~」とGoogleで検索をしている企業の担当者を見つけ出す場合です。

この場合一番手っ取り場合のはリスティング広告で、見込顧客をLP(ランディングページ)に誘導する方法です。

このステップ(工程)では、とにかくニーズのある人を集めることが目的になります。

リスティング広告

他にはブログ等によるオウンドメディア施策です。

時間はかかりますが一定のアクセスを獲得できれば、リード獲得単価を抑えることができます。

Webフォームからの問い合わせに誘導し、メールアドレスを獲得することが最終目的になります。

>>webからの問い合わせ件数を増やす5つの方法!すぐに改善できる具体的な対策

見込み客の育成(リードナーチャリング)

見込顧客のメールアドレスが獲得できれば、獲得したメールアドレスにキャンペーンメールやメルマガ、セミナー紹介といった製品に関する付加情報を知ってもらい製品の魅力を認知させるステップ(工程)です。

例えば「製品の利用事例を紹介」といった紹介メールを送り、メール本文内のリンクから製品ページに再度呼び込みます。

課題改善の提案

製品の詳しい情報や良さに気づいてもらうことで製品への興味を持たせます。

見込顧客の選定(リードクオリフィケーション)

製品に対して一定の興味や認知が深まった企業担当者を絞り込み、ピンポイントでセールスをかけます。

「製品に対して一定の興味や認知が深まった企業担当者を絞り込む」方法は、スコアリングが使われます。

スコアリングでは、Webページに何度も訪問された、メール内のリンクをクリックされたといった企業担当者の行動履歴を数値化します。

リードスコア

その数値が一定以上の場合は営業マンやインサイドセールスが連絡を行い、初めて企業担当者との対面(オンライン)営業が始まります。

ここまで来ても、具体的な商談にならないことも多いですね!。

休眠顧客の掘り起こし(リサイクル)

商談が全て、受注になることはありません。

お客様のニーズに製品がマッチしていなかったり、事業方針等の変更によりニーズ自体が無くなることはよくあります。

その場合、その新規見込顧客は休眠の顧客になります。

そのまま、放置してしまうのは非常にもったいないので、営業マンが持っていた商談を一度ナーチャリングに戻します。

そこで、定期的に製品の状況提供やメルマガ送信により見込顧客の興味が上がるのを待つようにします。

まとめ
「BtoB向けMAツールの具体的な活用方法」のまとめ
BtoB向けのMAツールがカバーするプロセスは大きく4つ。どのプロセスに重きを置くかで必要とするMAツールが変わってくるぞ!

BtoBでのマーケティングオートメーション活用事例

某IT企業でのMAツール活用事例を紹介します。

見込顧客リストを1万社保有され、スプレットシートとメール送信サービスを使って製品紹介メールとメルマガを配信されていました。

作業自体は単純でしたが、日々の作業である為、業務が徐々に煩雑になり且つ時間を要していました。

また、マーケティングと営業での情報共有が完全に行われておらず別々の顧客データに対してキャンペーンメールやメルマガを実施していました。

その為、見込顧客に対して同じメールを送信するといったことも起きていました。

このような状況を改善する為、MAツールの導入を検討していました。

お客様自身が課題を明確にしており、「顧客情報の共有」「作業の効率化」を安価なツールで実現したいと考えていました。

結果、MAツール+CRMツールを用いることで、作業効率を目指すことになりました。

MAツールとCRMツール

導入後は、MAツールにより見込顧客の行動履歴が把握できるようになり、マーケターの「感」で進めていただ施策がより精度の高い施策実施が行えるようになりました。

ツール自体も安価な製品で要件を概ね満たせたため、投資コストも低く抑えることができました。

顧客管理と業務効率、そして行動履歴に基づいた施策実施は、これからの営業活動全般の基礎になる為、早い段階でエクセルからの脱却が行えたことに喜んでいました。

BtoBマーケティングにおいてMAが効果的なワケ

BtoBマーケティングにおいてMAが効果なワケは、売上アップが望めるだけでなく、「作業の効率化とコスト削減」が実現できるからです。

なぜなら、企業担当者がインターネットで製品情報を入手して、比較検討することが当たり前になったからです。

その為、インターネット上で情報が入手できない製品は「存在しないのと同じ」というぐらいインターネット上での情報公開は必用不可欠になりました。

そして、逆に言えば、企業担当者はインターネット上で情報を集めているので、企業担当者に自社製品を知ってもらい、「いかに業務課題を改善させることができるのか」を認知してもらえればよいので、行うべきアクションに集中することができます。

その結果、従来の「足を使った営業」より人件費と時間を削減することが可能となったのです。

固定費の削減

このような事情からBtoBマーケティングにおけるMAツールは、作業の効率化とコスト削減の観点から効果的なツールなのです。

また、営業マンとしても興味のある顧客に商品説明できるので、成約率が上がり、モチベーションを急激に落とすことを避けることができます。

更に、営業業務は属人化する傾向がありますが、ツールにてステータスと顧客情報を管理することで、少なくとも「営業マンが辞めるとお客さん状況がわからない、、、」という状況をなくすことができます。

MAツールが効果的なワケ(理由)は他にもありますが、これからはBtoBでも積極的にMAツールを有効活用して、「チームで顧客を探すことを文化として根付かせる」ことが重要になります。

営業力を強化する為のカルチャー

以降では、「BtoBマーケティングにおいてMAが効果的なワケ」を2つピックアップしてより詳しく説明します。

顧客による自社製品の認知が意思決定に大きく左右するようになった

企業担当者がインターネットで製品情報や製品比較が容易に行えるようになり、企業担当者は製品毎の機能比較表を必ず作ります。

なぜなら、BtoBの場合決裁者が多く、各決裁者に「なぜ、この製品が良いのか?」の理由を説明する必要があるからです。

企業担当者が機能比較を行う場合、概ね下記3つのプロセスがあります。

  1. 課題解決できそうな製品をGoogleで検索
  2. 良さそうな製品をピックアップ
  3. 製品差異を把握する為にメーカーに問い合わせ(製品デモ)
  4. 実際に利用(PoC)

1.の「課題解決できそうな製品をGoogleで検索」に該当されない場合、次のプロセスに進めない為、そもそも検討すら行われません。

そして、2.「良さそうな製品をピックアップ」ですが、ここでも製品の良さを認知してもらえなければ、問い合わせにも至りません。

とにかく、「自社製品を認知してもらう」ことが第一なのです。

そして、「自社にあっている製品かも」と感じてもらう為に顧客の育成(リードナーチャリング)が必要になります。

新規顧客獲得には顧客の育成が必須となった

企業担当者に「製品を知ってもらった」だけでは、問い合わせに至りません。

最近では、製品比較の一括請求サイトから一遍に製品機能を把握するケースもありますが、直ぐには、アポイントに進めることはできません。

企業担当者は、必ず製品サイトや他社事例、書き込みを確認して「話をきいてもよい」と思わなければ、アポイントを承諾してくれません。

その為にも、デジタルコンテンツを揃えて置き、自社製品を「良さそうな製品リスト」に入れてもらう必用があるのです。

もう1つ、デジタルコンテンツにしておく理由は、MAツールに企業担当者の行動履歴を把握機能があるからです。

「Webサイトに訪問された」「メールのリンクをクリックしてもらった」といったアクションをMAツールでキャッチして、次のデジタルコンテンツを企業担当者に送ることで、自社製品を「良さそうな製品リスト」に入れてもらうのです。

そのようなプロセスを経て、やっとメーカーが問い合わせを受け、アポイントを設定することができるのです。

ここまでの過程を全て、手動で行っていたら大変な労力になりますし、そもそもミスやアプローチ漏れが発生します。

MAツールは現代マーケティングの必須ツールなのです。

まとめ
「BtoBマーケティングにおいてMAが効果的なワケ」のまとめ
これからの営業は、チームで顧客を探すことを文化として根付かせることが重要。ニーズのある見込顧客をMAツールで見つけ出し、営業マンにパスすることで受注率も上がる。企業担当者への認知と育成を効率的行えるのがMAツールであり、BtoBマーケティングでは、今後重要な役割を果たすのがMAツール

BtoB向けおすすめMAツール3選

BtoBにおすすめなMAツールを3つピックアップして以降で説明いたします。

Freshworks CRM

FreshworksCRMとは、Freshworks社が提供するCRM機能ですが、豊富なMA機能が搭載されています。

「Freshsales」と「freshmarketer」というそれぞれ独立したCRMツールとMAツールを統合した製品で、「Freshsales」からメジャーアップデートされた製品名になります。

freshworkCRM

freshmarketer自体は、非常に高機能なMAツールです。

具体的には下記機能があります。

  1. 一括メール機能
  2. ステップメール機能
  3. スコアリング機能
  4. チャットボット機能
  5. シナリオ(ジャーニー)機能
  6. ABテスト機能
  7. ヒートマップ機能
  8. ファネル分析
  9. フォーム分析
  10. アンケートとフィードバック
  11. セッションリプレイ

FreshworksCRMとして標準利用可能なのは、1~4までの機能ですが、他機能もアドオンすることができます。

他社に比べて安価に利用できるので機能と価格を考えると魅力的な製品です。

行動履歴によるジャーニー機能が分かりやすい機能になっています。
GUIで設定が行え、ランディングページへの訪問者に対してアクション設定が直観的に行えます。

freshworkCRM

CRM機能と一体化しているので、リード獲得後の案件ステータス管理まで1製品で行えることがこの製品の魅力です。

freshworkCRM 顧客情報の管理

Pardot

Pardotは、salesforceは、セールスフォース・ドットコム社が提供するMA製品です。アメリカのサンフランシスコが本社です。

セールスフォースはCRM製品のガリバー的存在ですが。Pardotも利用者の多き製品です。
クラウドサービスでありながらカスタマイズできる領域が非常に広く「なんでもできるMA」というイメージです。

セールスフォース・ドットコム pordot
  1. 見込み客(リード)情報管理
  2. Cookie情報とのひも付け
  3. オフライン行動履歴管理
  4. CRM/SFA連携
  5. ランディングページ作成
  6. フォーム作成
  7. SNS連携
  8. ターゲティング、キャンペーン管理
  9. スコアリング設定
  10. シナリオ作成
  11. メール作成・配信
  12. ステップメール
  13. ダッシュボード

セールスフォース製品は基本的にカスタマイズして使うものです。
その為、インテグレーション費用が必ず発生します。

インテグレーションもセールスフォースの販売パートナーが行います。

やりたいことは全てできるけど、お高いです。

HubSpot

HubSpot社提供のMAツールです。
BtoB、BtoC両方で利用可能です。

HubSpot

無料プランが準備されているので、無料プランから初めて行くのもよいと思います。
価格も抑えられているので、初めてMAツールを利用される方にはよいと思います。

「動画のホスティング」機能が搭載されているので、動画でのイメージングを行っていきたい企業には向いています。

  1. メール配信機能
  2. フォーム作成機能
  3. スコアリング機能
  4. セグメンテーション機能
  5. ランディングページ制作機能
  6. ABMツール
  7. 動画のホスティングと管理

MAツールを導入する前に注意すべきこと

MAツールを導入する前に注意すべきことは、「自社課題を明確にして数値ゴールを決める」ことです。

課題を整理されることは皆様行われますが、KPI及びKGIに関しては以外に決めていない場合があります。

まずは、下記のような整理を行いどのような機能をツールに期待するのかを明確にすべきです。

MAツール KPI KGI

また、MAツールはマーケターが主に利用するツールですが、できればCRMツールとの連携まで想定して製品選定を行うことをお勧めします。

freshworkCRM 顧客情報の一元管理

顧客管理、案件管理まで含めて初めて受注までのシナリオが完成しますので、MAツールにも拡張性は必用です。

まとめ

ここまで読んでいただきましてありがとうございます。

これからの営業は、チームとして顧客を獲得する必要があります。
その為には、効率的に「問い合わせ」を受ける為の仕組みと体制が欠かせません。

その為にも、MAツール利用は今後は必須になると考えられます。

但し、初めから高機能なプランを選ぶのはお勧めできません。

ライトプランから始め、組織体制の拡張とともにプランを挙げていくことがポイントです。

>>【中小企業向け】おすすめCRMツール5選!低価格・無料ツールも紹介!

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