自称:James(ジェームズ)
CRM(顧客管理)ツールとは
CRMは、「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント」の略です。
お客様との関係を記録するのが目的ですが簡単に言えば、潜在的見込客から受注までの間にやり取りした情報を全て記録する為のツールです。
その為、CRMを利用するのは営業マンだけではなくマーケティング、インサイドセールス、フィールドサポートまで利用します。
しかし、日本でCRMが浸透し始めた時は、「顧客管理」と「案件管理」のニーズが高くCRMの利用者は営業マンと営業アシスタントの方でした。
CRMがカバーする業務範囲は、「見込顧客の育成から受注管理」となります。
育成フェーズは営業アシスタントの方が営業マンのアシストとしてのポジションで対応しておりました。
しかし、現在ではインサイドセールスがマーケターと連携して育成(ナーチャリング)を行っています。
また、CRMでは案件を「パイプライン」と呼ばれる方法で管理します。
パイプラインは、案件の状態をステージに分けた管理方法です。
例えば、受注までの過程が「新規 → 商品説明 → 要件確認 → 見積提出 → 受注」だった場合、各ステージにどれだけの案件があり、各ステージの金額ボリュームはどれくらいなのかを見込むことができます。
その為、案件に優先順位を付け、どの受注にどのようなアクションをとるべきかをディスカッションする為のツールとして活用されます。
CRMがカバーする業務範囲が営業マンの活動記録に近い為、当初はCRMの導入は営業部隊の方が中心として検討されていました。
しかし、現在の営業活動は、マーケター、インサイドセールス、フィールドセールス(営業マン)が連携して「顧客を見つけて受注する」という一連の流れとして考えるので製品選定にはマーケターの方が参加されることも多くなりました。
中小企業もCRMツールを利用すべき2つの理由
コロナ禍により営業活動のスタイルを見直す自体となり、2020年前半からオンラインによるデジタル営業が急速に進みました。
その為、中小企業でもCRMツールの採用が積極的になりました。
データを元にした効果的な提案ができる
これからの営業活動は、営業マンの人間性だけでは安定した受注獲得が難しくなります。
なぜなら、見顧客(或いは担当者)はWebサイトで情報を集めて自分なりに製品の比較を行っているからです。
その為、製品比較ありきで選定が進む為新規顧客の獲得は昔以上に優劣がはっきりします。
地方では、「足で稼ぐ営業」がまだ有効である為、営業マンの人間性で仕事をとれますが、その獲得方法が有効なのも時間の問題です。
では、新規顧客を獲得し売上を伸ばしている企業はどんな企業でしょうか?
それは、データを元にした営業を行っている企業です。
顧客データには大きく
- 基本情報
- 属性情報
- 営業活動情報
の3つに分類されます。
そこに、担当者が所属する会社と商談が相互に関連付けられるのです。
CRMツールはこの関係性を保持することで、顧客情報を横ぐしにしてデータを1つの画面にまとめる仕組みになっています。
そして、効果的に提案(商談)を進めるには、「見込客(担当者)が今どんな状態(ステータス)」なのかを把握できれば、その状態に合わせた提案が可能となります。
簡単に言えば、ニーズのある時(興味が湧いている時)に話をすれば、商談が進む可能性が高いということです。
具体的には、Webサイトへの訪問を誘導し、問い合わせを起こさせます。
その後は、訪問履歴が確認できるので、訪問履歴を元にマーケティングを行います。
なんか難しそうに聞こえるかもしれませんが、CRMとMAツールをつかえばそれほど難しいことではありません。
但し、「ツールを学習する熱意」が必用です。
ITは苦手、、、、なんて言ってられる時代ではありませんよ!
熱意さえあれば、中小企業でもデータを元にした提案活動は可能となります。
私は中小企業には今がチャンスだと考えています。
なぜなら、大手企業でも以外にデータを元にした商談が行えていないからです。
特に多いのは、製造業です。
請負体質である企業では、新規顧客獲得よりはリピート受注に力を入れるからです。
それは、それで問題ないと思います。
製造業は製造ノウハウという「強味」があるので、そこを活かせばよいのです。
しかし、状況は変わってきています。
いつまでもリピート受注を受け続けることは難しく、気が付くとベンチャー企業に参入されていることもあるのです。
ベンチャー企業は、データを元にしたデジタル営業を活かす企業が多いからです。
是非ともデータ活用でチャンスをつかんでください。
煩雑な業務をスリム化できる
CRMを検討されている企業の多くは、「顧客管理」と「案件管理」を効率的に管理したいという要望を持っており、営業活動にスピードを求めています。
その多くの企業では、Googleのスプレットシートを使っていますが、次第にスプレットシートでの運用が煩雑になっていきます。
初めのころは良いのですが、案件が増えてくると大変です。
例えば、顧客別案件一覧を作る場合です。
顧客シートの顧客名と案件シートの案件を紐づける作業が必要になります。
入力フォームがカチッと決まっているわけではないので、手入力又はコピー&ペーストで案件シートに会社名を登録しますが、結構ミスをします。
また、大文字小文字、コピペミスで「データの揺らぎ」が発生すると正しく集計できません。
スプレットシートは、非常に柔軟なツールですが、ミスを誘発するツールでもあります。
※本来の使い方ではないので仕方ありませんが、、、。
更に、セルの中に活動記録を残しているケースがありますが、この運用も厄介です。
セルに時系列で記録していくとセルが縦に長くなりますので非常に確認しずらく気合を入れないと理解をすることが大変になります。
その為、登録情報が有効活用されないという結果になります。
やはり、専用のツールを使うことがコストはかかれど、近道なのだと思います。
>>エクセルの顧客管理に限界を感じた時の対処法!脱excelのメリットとは?
中小企業がCRMを導入する5つのメリット
①:顧客情報を一元管理できる
顧客情報の一元管理は多くの企業で困っていることの1つです。
ここでもエクセル又は、スプレットシートによる管理が原因です。
この2つのツール自体は非常によくできているのですが、なんでもこのツールで管理しようと思われる傾向があります。
ま~便利なので仕方ないですが、、、。
その結果、営業マン毎でも顧客管理がバラバラになり属人化の温床になります。
全社を通して顧客情報の「正」になるものを作らなければなりません。
営業活動に関わらず、経理でも同一の顧客データを元に作業を進めるべきです。
その為には顧客情報を一元管理しなければなりません。
顧客データの更新も付属情報の追加も全て同一のプラットフォーム上で管理する必要があります。
外部連携できるCRMを活用すれば顧客の基礎情報、属性情報、活動情報と受注履歴やメンテナンス履歴、請求履歴まで一元管理可能となります。
②:部署の垣根を越えて情報共有ができる
部署単位で情報が分断されていることは昔からありました。
その為、それが当たり前のように思えますが、大きな間違いだと思います。
中小企業であってもIT環境整備は企業の存続には必須になるのです。
今後は、DXに向けての取り組みが当たり前になるので、今から始めることをお勧めします。
話は変わりますが、25年ぐらい前、Windows95が発売されてインターネットが広がり始めた時は個人情報保護なんて正直誰も本気で取り組んでいませんでした。
しかし、今では、プライバシーポリシーをWebサイトに準備するのは当たり前の時代です。
何が言いたのかと言えば、DXも同じように後5~6年経ては取り組んでいることは当たり前になります。
「顧客情報が全社で共有化されていないなんて噓でしょ~!」と言われる時代がもうすぐきます。
③:顧客分析ができる
顧客データは、
- 基本情報
- 属性情報
- 営業活動情報
の3つに分類されます。
販売する商品にもよりますが、BtoCの場合は、属性情報が重要です。
なぜなら、見顧客の趣味趣向や生活様式が分かれば高額商品を購入されやすいか、どのような分野の商品なら購入されやすいかで絞り込むこと可能になるからです。
BtoBの場合は、何と言っても「営業活動情報」です。
(足で稼ぐ営業マンは、担当者の趣味といった属性情報が重要な場合もありますが、、、。)
どのような営業活動をどの営業マンが行っているのか、その活動内容をマネージャーが把握して案件の優先順位やクロージングまでのシナリオを営業マンに指示します。
提案になれば、エンジニアの知恵を借りての総力戦になります。
情報を共有することは、知恵を出し合えるチャンスを生むことになるのです。
顧客への営業活動や今までの購入履歴等を分析することで営業マンは自信をもって提案資料をプレゼンできます。
中小企業は1つ1つの案件を丁寧に対応することで、大手にはできないきめ細やかな提案や対応が強みになると思います。
④:リアルタイムで情報共有ができる
お肉も、お野菜も、新鮮な方がおいしいです。
それと同じで、情報もできる限り「新鮮」な方がいいです。
データが流れるように進んでいくことはDXの基本になります。
どこかで情報が止まると、後工程は2度手間を強いられます。
どこかのCMではありませんが「それ、早くいってよ~」という羽目になります。
特に、営業マンはお客様から「今週中に見積くれないかな~」なんて簡単に言われます。
カタログ商品なら作業は難しくないのですが、提案内容が複雑だと厄介です。
在庫の引当が絡むと更に厄介です。
昔の話ですが、某外資企業で在庫情報をエクセル管理していました。
毎朝、担当部署が在庫情報を某ERPシステムから引き出してエクセルに追記して営業マンにメールするという「うそでしょ!」と言いたくなるような運用をされていました。
このように、在庫情報がリアルタイムに分からないと、納期に間に合うのか不安になり、営業マンは寝つきが悪くなります。
在庫情報は1例ですが、情報がリアルタイムでないことで実は機会損失を結構負っているのだと思います。
今は、昔と違いクラウドサービスがあります。ツールも安価で且つ高機能です。
中小企業でもコスト的には十分採用できる時代になりました。
これからはツールをどう使うかが勝負の分かれ道になると思います。
⑤:セキュリティがしっかりしている
一元管理された情報は企業の「宝」です。
情報が漏洩されることは、企業の死活問題になります。
クラウドサービスは便利ですが、顧客情報にアクセスできるパソコンやスマホをどこへでも持っていけるので、セキュリティ対策が重要になります。
CRMも現在は情報管理が強固になりました。
メジャー製品は、
- ログイン時の2段階認証
- ログイン後にアクセスできる情報制限
といった機能がしっかり整っています。
個人のローカルに保存出来てしまうスプレットシートとはセキュリティレベルが断然異なりますので、IT要員の少ない中小企業でも安心して利用することができます。
但し、ツールの機能では、どうにもならないのが紛失です。
昔、サラリーマンがノートパソコンを電車の棚に置き忘れて情報漏洩になった事件がありました。
このような場合は、パソコン自体を暗号化する方法でセキュリティを堅牢にしましょう。
中小企業がCRMを導入する3つのデメリット
中小企業がCRMを導入する際にはメリットだけではなく、デメリットもあります。
以降で、デメリットを説明します。
①効果が出るまで一定の時間を要する
システム導入全般に言えることですが、現場スタッフが使えるようになるには一定期間かかってしまいます。
運用が慣れたとしても売上アップという効果として数字に表れるには更に時間がかかります。
その為、「導入しても作業が増えただけ、、、、」と感じる時期があるかもしれません。
しかし、安心してください。
データ蓄積は必ず、会社の財産になります。
そして、「システムは導入した時に終わりではない」ということをご理解ください。
「入れたから終わり」と思われる経営者が多いのですが、導入したシステムは業務内容に合わせて変えていく必要があります。
例えば、「当初考えていた入力項目では不足していた」或いは「項目はデータの揺らぎが出ないようにリストから選べるように変えよう」といったことは現場で調整を行うものです。
この日々のメンテナンスが反映されないと、「使いずらい」「同じデータを2度入れている、、、」なんてことになります。
「業務改善=システム改善」と考えて頂ければと思います。
②多方面でコストが掛かる
システムは「金食い虫」と揶揄されていた時代がありました。
(今も言われているかもしれませんが、、、)
機器が高く、専門スタッフのサポート費用や機器・システムの保守料など、「利益をシステム運用に食われる!」なんて思われている方も居ると思います。
しかし、クラウドサービスにより昔に比べて格段にコストは落ちました。
更に良いのは小さく始めることができる点です。
初めから高機能を求めずとも、スモールスタートして必要な機能はプランアップしていけばよいのです。
予算に決して余裕があるわけではない中小企業でも、十分活用できる時代になりました。
「お金がかかるから無理~」と思われず、是非とも中小企業でもCRMの導入を検討してください。
③導入・運用できる環境作りが必須
中小企業で多いパターンは、パソコン好きな方が、IT担当者を兼務している場合です。
担当者は、「本業は違うのに、、、」と嘆いていると思いますが、CRMに関してはしっかりした導入担当者を任命してください。
「①効果が出るまで一定の時間を要する」で説明しましたが、「日々のメンテナンス」が重要になります。
このメンテナンスを繰り返すことでシステムが「活きた投資」になります。
その為、導入担当者、運用担当者を明確に決めることが重要です。
また、社内に対してもCRM導入への協力意識を育てる必要があります。
担当者が一生懸命でも、周りのスタッフが他人事だとなかなか浸透しません。
これからの営業は「スタッフが連携して顧客を獲得する時代」です。
その為、自分事で行う意識改革も平行して行う必要があります。
中小企業向けCRMツールの特徴!大手企業向けとの違い
中小企業向けと大手企業向けの一番の違いは、全方位に対応できる機能が提供されているのか否かです。
中小企業向けCRMの場合、メーカーが「こう使うだろう」と想定した機能に限定して提供されています。
機能が限定しているとはいえ、CRMとしての基本機能はどのメーカーも揃えているので問題はないと思います。
中小企業向けCRMで対象から除かれている機能は、MAツール機能とインテグレーション系機能です。
例えば、マーケティングでよく利用するステップメール機能やセグメント機能です。
また、CRM上のデータを他システムに連携する場合は、APIが提供されているのかが重要になります。
例えば会計システムや在庫システムとの連携をお考えの場合は確認が必要です。
以降では、3つのポイントに絞って大手企業向けと中小企業向けを説明したいと思います。
低価格で利用できる
中小企業向けCRMは、ユーザが「こう使うはずだ」と想定された機能に限定して提供されます。
その為、全てのニーズを満たせるわけではないですが、提供機能でニーズが満たせれば、低コストで自社にあったCRMを使うことができます。
また、低価格の中でも更に機能を絞ったエントリープランが準備されています。
エントリープランは割安価格に設定されている為、まずは1部署だけで始めることも可能です。
必用に応じ、他部門への展開や、将来的に必用な機能があれば上位プランに移行することが可能となります。
クラウドサービスならではですね!。
簡単に使いこなせる
ニーズに応えるために、全方位的な機能が搭載されると設定画面が多くなり設定には、専門的な知識が必要になります。
大手企業は、資金と人材が豊富なので運用が可能ですが、中小企業ではとても無理です。
中小企業向けCRMは、「こう使う」とメーカーが決めた内容で設定が行われているので、導入も容易であり普段使う画面も簡単に使いこなすことができます。
>>使いやすいCRM5選!初めてでも簡単に使いこなせるツールを紹介
素早く定着させられる
中小企業向けCRMはメーカーがユーザーの利用シーンを想定して画面構成を行っているため、使いやすい画面構成がすでに準備されており、現場に定着しやすいです。
また、トライアル期間(無料)も準備されており、本格導入前にある程度実践に即した利用を体験することも可能です。
製品によってはWebで申込みをした瞬間からトライアル(テスト)環境が利用可能になります。
クラウドサービスって本当に素敵です!。
中小企業のCRMの選び方
継続しやすい価格になっているか
エントリープランが準備されていることは必須です。
また、トライアル期間(無料利用期間)では好きなプランを利用できることも重要です。
なぜなら、中小企業向けのCRMは、限定された機能内で自社にマッチする機能が揃っているのかを判断する必用があるからです。
特に案件獲得が「新規なのか、既存からのリピート」かによりCRMに求める機能は変わってきます。
新規の場合は、Webからの獲得が中心になるのでMAツールの機能がどの程度搭載されているのかはポイントです。
既存顧客からのリピートの場合は、案件管理機能が充実しているかがポイントです。
パイプラインを複数登録できるのか、パイプラインのステージを自由に設定できるのかは基本機能ですが、しっかり確認しておきたいです。
そして、クラウドサービスの落とし穴は、オプションです。
最低限の機能は安価に抑えられていますが、少しやりたことを追加すると月額コストが上がります。
それが、ID数分加算されるので安価だと思ったら更新時期には結構な金額を払っていることに気づきます。
メーカーもビジネスなのでなんでも安価にはできませんが、必要な機能が適正価格で継続しやすいプライシングになっているのかは製品選定の重要な要素になります。
充実したサポートは受けられるか
充実したサポートとはどんなサポートでしょうか?。
どのメーカーでもたくさんお金を払えば、充実したサポートを提供してもらえます。
しかし、中小企業はそのようなサポートを求めているのでしょうか?
私の考える充実したサポートとは、「導入企業の立場で考えてもらえるサポート」です。
メーカーがサービス価格を安価に抑える方法は、対応スタッフの介在を減らすことです。
つまり、人件費の圧縮です。
その為、サポートは全てオンライン(メール又は必要に応じてオンライン会議)、マニュアル等は全てWebマニュアルです。
要するに必用な情報は準備するから自己解決してください。
ビジネスなので利益を出すためには当然の対応です。
しかし、自社で対応できる企業はいいですが、多くの中小企業ではなかなか難しいのが現状です。
その為、機能もさることながら導入前のサポートが重要な選定条件です。
特にPoC(Proof of Concept:概念実証)と呼ばれるフェーズ時に協力が消極的なメーカー或いは販売店からの購入は慎重に検討した方が良いかもしれません。
エンジニアが稼働するので当たり前ですが、このフェーズでのサポートが浅いと導入後の対応もビジネスライクだと考えた方が良いです。
実は、システム導入は販売店の企業規模はあまり関係ありません。
特に中小企業の場合は、大手システムインテグレーション会社から購入してもビジネスライクに対応されてしまうだけです。
規模が大きいことは保険にはなりますが、結果を約束されるわけではありません。
そして、申込者(発注者)にも心得が必要です。それは、販売店やメーカーへの過剰な要望です。
発注者と受注者は「お互いの少しずつの歩み寄り」によりバランスをとる必要があります。
充実したサポートとは、特別なサービスの事ではなく、サービスメニューが明確にされ、そのサポートを受けることができる関係のことだと私は考えています。
自社の課題や目的を解決させられるか
通常、システムを導入する目的は「今困っていること」を解決することですが、お客様自身が「自社の課題や目的」がよくわかっていないケースは少なくないです。
社歴の長い企業の場合は、社長が色々な情報を集めて、「CRMをうちでも入れる必要がありそうだ!」と判断し「導入を検討しろ!」と号令がかかるケースがあります。
最近では「うちでもDXを検討しろ!」です。
このケースの場合、現場スタッフは課題意識が低いのでどんな製品を選定してよいのかわからないのが現状です。
その為、一旦メジャーなCRM製品を検索します。
情報は集めてもどこが良いのかわからない、、、。検討が遅れる。導入が見送られて、何も変わらない。
このパターンをよく見てきました。
その為、まずは、自分たちが何をゴールにするのかを明確にすることが重要です。
次に重要なのは、営業マン選びです。
「製品選定は人選び」でもあると思います。
(導入金額が大手のような大規模でない為このような表現をしております。)
なぜなら、正直今のCRM製品は、どこの製品もよくできております。
機能も大きく劣ることはないです。
おそらく、どこの製品でも程度の差はあっても課題や目的の解決にはつながると思います。
その為、製品の説明をする営業マンがどれだけ自分事で対応してもらっているのかが重要です。
(こんな表現は昔の人みたいですが、、、、)
機能が課題解決に十分でない場合は「できない」と明確に言える営業マンであることが重要です。
期待を持たせる説明はかえって、後で「出来ると言った」というトラブルのもとになります。
自分事で一緒に考えてもらえる「人選び」が「自社の課題や目的を解決」できる選定条件になるのだと思います。
使いやすい機能性になっているか
「使いやすい機能性」とはどんな機能性でしょうか。
それは、「課題や目的」により異なってきます。
- 新規顧客獲得できる体制を作りたいのか
- 多数のリピート受注を効率的に処理する為の仕組みが必要なのか
- 顧客情報を分析して受注率をあげたいのか
課題や要望は企業によってまちまちです。
その為、使いやすい機能性とは、「課題解決や目的」にあった画面構成になっているのか?を明確に打ち出している製品が使いやすい製品なのだと思います。
中小企業向けのCRMはメーカーが「こんな企業に使ってほしいと」ターゲットを絞って製品づくりをしているのでその対象に該当しない場合は、使いずらい製品になってしまいます。
(ニーズとマッチしない製品と言い換えられます。)
その為、製品デモを受ける場合は「製品のターゲットはどんな企業ですか?」と聞くとよいと思います。
メーカーの考えるターゲットと要望がマッチするようなら、トライアルを使って実際の操作性を確認すればよいのです。
外部機能との連携はできるか
業務効率には外部連携が必須です。
主に
- コミュニケーション系ツール
- 基幹システム系ツール
の2分野に分かれます。
コミュニケーション系ツールでは、ビジネスではSlack、teams連携です。
基幹システム系ツールでは、会計ソフトとの連携が見受けられますがAPIの公開情報が充実していることが重要だと思います。
基幹システム系は企業により多種多様で対応しているアプリが少ないです。
その為、結果的にはAPIを使ったデータ連携せざるを得なくなります。
その時にAPI公開が乏しいとCRMの情報がそこでストップしますし、逆に他システムからCRMにデータ登録することも限定的になります。
いずれしても、今後のクラウドサービスは連携することでデータの流れを素早くすることが重要です。
中小企業におすすめのCRMツール5選
FreshworksCRM
概要
「MA機能」「チャット機能」「CRM機能」に、加えて「通話機能」まで搭載しています。
※通話料は別途費用
MA機能は、キャンペーンメール、ジャーニー機能、セグメント機能があり、チャットキャンペーンまで搭載している為、本格的なMA機能と遜色ありません。
チャット機能は、条件分岐による無人チャットと有人チャットの切り替えが可能です。
ランディングページの問い合わせフォーム(既存フォーム)との連携が可能です。問い合わせフォームの情報はそのまま、リードとして登録されます。
>>FreshworksCRM(Freshsales)とは?料金や口コミ・評判、機能を解説
コスト
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- GROWTHプラン
1ID 3,800円/月額(年間払い)
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- PROプラン
1ID 7,600円/月額(年間払い)
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- ENTERPRISEプラン
1ID 13,800円/月額(年間払い)
最小契約IDの制限なし
初期費用なし
特徴
デジタル営業をスタートさせるには、機能と価格のバランスの取れた製品です。
特に通話機能が標準搭載されているので、インサイドセールス体制を検討している企業には魅力的です。
通話機能は自動的に音声が記録され、あとで通話内容を確認することが可能です。
無料のスマホアプリが提供されており、携帯電話同様に通話することも可能です。
また、上位プランには監査ログ機能が搭載され上場企業のセキュリティ要件も満たす仕様になっています。
APIも無料提供されているため外部連携にも不便を感じません。
多言語対応している為、海外支店がある企業でもご利用が可能です。
Zoho CRM(ゾーホー)
概要
CRM機能が豊富にそろっています。上位プランには承認プロセス機能が搭載されています。
カレンダー機能等SFA機能も搭載されているので今までSFAをご利用の企業には良いかもしれません。
コスト
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- スタンダードプラン
1ID 1,440円/月額(年間払い)
-
- プロフェッショナルプラン
1ID 2,400円/月額(年間払い)
-
- エンタープライズプラン
1ID 42,000円/月額(年間払い)
-
- アルティメットプラン
1ID 54,000円/月額(年間払い)
特徴
連携サービスが豊富です。APIも提供されている為基幹システムと連携したいという要望にも対応可能です。
幅広い企業で利用可能なCRM製品です。
>>zohoと他社CRMを徹底比較!hubspot・salesforce・freshworksCRM
Kintone(キントーン)
概要
SFA機能とグループウエア機能が搭載されていますが価格が抑えられています。
昔からある製品である為、機能は非常に豊富です。
アプリを組み合わせて利用する方式です。アプリとは機能を指します。
例えば、「日報管理」「案件管理」「交通費申請」といったアプリを自社に合ったように組み合わせていくことが可能です。
コスト
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- スタンダードコース
1ID 1,500円/月額
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- ライトコース
1ID 780円/月額
初期費用なし
特徴
SFA機能が充実しています。グループポータルが準備され社員のスケジュール共有が円滑に行えます。
言語は、日・中・英の3か国になります。
APIが提供されているため、基幹システムとの連携が可能です。
但し、ライトコースでは、「外部サービスとの連携、プラグイン、および拡張機能」が利用できないので注意が必要です。
HubSpot Sales
概要
MA機能を提供するクラウドサービスでしたがCRM機能も提供しています。
MA機能が定評のあるサービスである為、CRM機能にもMA機能が一部搭載されています。
ウェブチャットやチャットボットが利用できます。
また、見積作成機能も搭載されています。
コスト
-
- FREEプラン
0円/月額
-
- STARTERプラン
2ID 5,400円/月額
-
- PROFESSIONALプラン
5ID 54,000円/月額
-
- ENTERPRISEプラン
10ID 144,000円/月額
最小契約数2ID~
無料プランあり
特徴
MA機能が豊富で、Webマーケティングをご希望の企業には魅力的な製品です。
高機能MAツールとCRMをドッキングした提供であり、契約数の制限があります。
ちきゅう
概要
国産のCRM機能です。カスタムオブジェクトがライトプランから搭載されています。
また、名刺取り込み機能が標準で搭載されています。
コスト
-
- ライトプラン
1ID 1,480円/月額
-
- スタンダードプラン
1ID 2,980円/月額
-
- プロプラン
1ID 4,980円/月額
-
- エンタープライズプラン
1ID 98,00円/月額
特徴
SFA機能に寄った製品です。
活動報告を時系列で管理できると言った営業マンが利用する上で便利な機能が揃っています。
まとめ
ここまで読んでいただきましてありがとうございます。
CRMツールは多くの製品が提供されており、どの製品が自社に良いのかはWebサイトを見ただけでは判断がつかないと思います。
まずは、トライアル期間を使って触ってみることから始めるのがよのだと思います。
もし、トライアル申込に抵抗感があるようなら、オンラインでデモを見てからでもよいと思います。