過去1ヵ月の合計PV:411
あなたは社長に向いている?起業したい方へ10の質問

あなたは社長に向いていますか?

ここ数年、起業したい方が増えていることを実感しているでしょうか。

もちろん、あなたの周囲にいるかどうかはわかりませんが、世間一般的にはイノベーションをテーマにした起業が増えているようです。

もし今起業をしていない方でも、興味があるからこの記事を見ているはずです。日経新聞でもこのように取り上げられていました。

参考:
増える日本のIT起業 事業売却し、立て続けに:日本経済新聞

イノベーションとは、特にITによる情報の収集や作業の簡略化、新しいエンターテイメント性の発見によって、これまでの物事のやり方とは違う方法や技術を確立することです。

IT業界だけではなく、これまで既存にあった業種、業務をITによって新しい事業に変える動き、と言った方が良いかもしれません。

こうした起業の流れは、技術の発達によってイノベーションの発想がしやすくなっただけではなく、起業自体にかかるストレスやコストが以前よりも軽減されたという要因も大きいでしょう。

ただし、起業がしやすくなったと言っても、市場の原理原則により、市場上限は決まっています。つまりパイの奪い合いは必ずあり、勝ち組と負け組(言い方が古い?)を生みだす構造は変わりません。

もしこれから起業を考えている方、起業したばかりの社長は、次の「あなたは社長に向いていますか?」という10の質問に回答してみてください。

起業に対する考え方が変わるかもしれません。

—–
1.専門的なビジネス知識や業務の経験があるか?
2.コミュニケーションに抵抗がないか?
3.やりたい事業を15秒で説明できるか?
4.常に物事をプラス思考で考えられるか?
5.1年365日スイッチを入れっぱなしにできるか?
6.1人で食べていく術を持っているか?
7.誰にも負けない情熱を持っていると言えるか?
8.約束事を守り、スケジュールをしっかりとこなせるか?
9.捨てなければいけないプライドと捨ててはいけないプライドを理解できるか?
10.決めなければいけないことを即決即断できるか?
—–

社長に対する質問1.専門的なビジネス知識や業務経験があるか?

「凄いビジネスモデルを思いついた!」という社長にお会いすることはありますが、そのビジネスモデルが思い通りに実現することはほとんどありません。

足りない要素は1つか2つだけなのですが、その要素はビジネスモデルの根幹にあたるもので、専門的な知識や専門的な経験が必要なものばかりです。

起業後の会社運営は、アイデアのひらめきよりも積み上げの方が重要です。

>>会社運営を成功させる10のポイントと運転資金

ひらめき、つまりイノベーションをもたらすような優れたアイデアや技術がなければ起業ができないわけではありません。

それよりも、あなたが今持っている専門知識や経験に裏打ちされた事業として成立するためのロジックが重要です。

もしそれに「一工夫」が加われば、大きなイノベーションをもたらすことになるかもしれません。

ひらめきやアイデアの生み出し方に関しては、以下をご参考に。

参考:
天才とは1%のひらめきと99%の努力!アイデアを生む方法とは
アイデアからビジネスモデルを作るたった1つの方法
パッとビジネスアイデアが思いつく14の方法

社長に対する質問2.コミュニケーションに抵抗がないか?

起業するとコミュニケーションをとる関係者が非常に多くなります。

そして、普段からコミュニケーションをとっておくことで、いざというときに助けてもらえることが多いと気付きます。

顧客だけではなく、仕入先、税理士、銀行、スタッフなどなど、日々新しい誰かと話し、円滑なコミュニケーションを構築しなければいけません。

コミュニケーションが苦手だとしても、割りきって積極的に人と接していかないと事業を続けていくことは難しいでしょう。

元々の性格を変えることは難しいので、演技でも構いません。

起業して社長になったにもかかわらず、社長の振る舞い方がわからなかったり、自分はちょっと社長っぽくないという方は、「社長っぽく演技しよう。」と思い込んで下さい。

人と話すときにどうしたら相手に「この社長仕事できるな。」と思われるかを考えて下さい。

参考:
私が10年気をつけてきた起業社長への7つのアドバイス

社長に対する質問3.やりたい事業を15秒で説明できるか?

回し者ではないですが、このような本があります。

この本を知らなくても、このタイトルにピーンと来る方、聞いたことがある方は多いでしょう。

御社の「売り」を小学5年生に15秒で説明できますか

Amazon.co.jp: 御社の「売り」を小学5年生に15秒で説明できますか? (祥伝社新書 99): 松本 賢一: 本

本の内容はビジネス全般に付いてですが、私が言いたいことはタイトルに集約されています。

考えに考えたビジネスモデルの肝はいくつもあるとは思いますが、重要なことは15秒という短い時間で「何を誰に提供して、どのようなメリットを享受するか」という事業内容を伝えられることです。

15秒は短いCM1本分ですね。

これができないと、あなたがターゲットにしている顧客も、商品やサービスを理解をすることが難しいでしょう。

つまり、あなたが思っているよりも「売れない」ということです。

社長に対する質問4.常に物事をプラス思考で考えられるか?

起業し会社を経営する上で、苦労や悩みはつきものです。

5歳には5歳の悩み、15歳には15歳の悩みがあるように、どのような立場になっても悩みは絶対に出てきます。

起業によって全てを自分で決める自由を手に入れたわけですから、逆に言うと嫌いなことから逃げることもできます。

学生や会社員のコミュニティとは違い、社長が「やーめた」と言ってしまえば、作った会社は終わります。

そして「やーめた」と言いたい苦労や悩みは何度も訪れます。

ただし、顧客に対して、仕入先に対して、社員に対して、大きな責任が発生します。

常に物事を前向きに捉え、マイナスな出来事もプラス思考に転換できなければ、あなたの会社は責任を抱えた状態で終わりを迎えてしまうでしょう。

社長に対する質問5.1年365日スイッチをオンにできるか?

起業を決断したということは、社長には思い描いている未来があるはずです。

その未来を手に入れるためには、投資が必要です。

投資は多くの場合が「時間」です。

最初のうちは、時間でお金を買う感覚でビジネスに挑まなければいけません。そのうち、お金で時間を買える時がやってくることを信じて、時間を投資します。

そのため、会社員のように決められた時間で働きたい方に起業はおすすめできません。

1年365日仕事のことを考えて時間を投資し、お金で時間を買えるように時間の価値観を高められれば、「勝ち」と言えるでしょう。

社長に対する質問6.1人で食べていく術を持っているか?

起業は多くが1人から始まります。

会社の拡大も重要なのですが、もし何かがあった時にあなた1人が生活をしていけるスキルや手段を持っていなければいけません。

起業は社会生活における最大のチャレンジです。サラリーマンが嫌だからといって、起業を逃げの道具に使ってはいけません。

まずは、あなた1人が何らかのスキルを持っていて、どこに行っても生活できることを自覚できた時にチャレンジしてみましょう。

社長に対する質問7.誰にも負けない情熱を持っているか?

情熱という目に見えない物の量を測ることはできません。

ですので、社長自身が誰よりも情熱を持っているという思い込みがとても重要です。

情熱が大きければ大きいほど、仕事に時間を投資できますし、困難に立ち向かえますし、悩みをプラスに変えることができます。

情熱を大きくし、持続させるためには、その根拠が必要です。

あなたが考えて作ったビジネスモデルのロジックをより強固なものにして、日々根拠を積み重ねていくことで自信を持てれば、情熱は大きく持続していきます。

社長に対する質問8.約束を守り、スケジュールをこなせるか?

起業をすると、それに関係するルールや約束事の責任は社長自身にかかってきます。

もちろん会社員でも責任のある立場でその役目をこなし、失敗をすれば責任をとって、そのポジションを失うこともあります。とても重いものだとは思います。

ところが、起業をするともっと根幹の責任が生じます。

対顧客であれば、今後取引してもらえなくなるかもしれませんし、場合によっては賠償責任ということもあります。対従業員であれば、退職してしまうかもしれませんし、場合によっては訴えられるかもしれません。

最終的な尻拭いは全て社長が行います。社長から逃げることはできても、責任から逃げることは難しいでしょう。

目の前にある約束事、ルール、スケジュールの重要性を誰よりも把握して、取り組まないといけません。

社長に対する質問9.捨てるべきプライドと捨ててはいけないプライドを区別できるか?

社長は全ての物事の決定者です。

ヘコヘコと関係者の言うこと全てに従っていては、せっかく起業をした意味がありません。

「自分の意見と決断力を持って、自分で作った会社の舵取りをしていくこと」これが捨ててはいけないプライドです。ここには社長として明確な理念があるはずです。

しかし忘れてはいけないのが、「接触する人は、例え反面教師でも全て何かを教えてくれる人だ」と認識することです。学ぶための謙虚な姿勢が必要です。これが、捨てなければいけないプライドです。

全ての物事を素直に受け止めた上で、社長としての理念に従って目の前のことを処理しなくてはいけません。

少し難しく感じるかもしれませんが、社長は素直な心と強固な芯を持つことが重要です。

社長に対する質問10.決めなければいけないことを即決即断できるか?

決めなければいけないことを決める際に、しばしばリーダーシップという言葉が使われます。

リーダーシップとは、問題が起こった時に瞬時にその回答を用意したり、回答に至るまでの道筋を示すことができる能力のことです。

リーダーシップ能力を発揮する場所は、会社内である必要はありません。受注者と発注者の間でも存在します。

表面化するかしないかだけの違いで、物事には必ず何らかの問題があります。いつどんな時でも問題が発生する可能性があり、もしかしたら短いスパンで連続で大きな問題が発生するかもしれません。

問題に対する解決策や対応方針を即決即断することが社長としての重要な仕事です。問題が起こった時に、物事を先延ばしにしても誰も解決をしてくれません。

今起こっている問題を瞬時に把握し、何らかの道筋を示すことができなければ、積み重なっていく問題の対応に追われて、業務ができなくなってしまうでしょう。

あなたは社長に向いてますか?10の質問のまとめ

厳しく聞こえるかもしれませんが、全項目クリアしなければ起業できないわけではありません。ただ、起業して会社を営む上で、この10項目を身につけた社長が目標を達成しやすいことは事実です。

もし自分に足りないと思うものがあっても諦める必要はありません。どうやって身に付けていけるかを考えていきましょう。

経営に行き詰まっている社長も、もう一度初心に返って自問自答してみてください。

法人は個人事業主より得?会社設立のメリットデメリット

起業するなら個人事業主が良いか法人が良いか?

もしあなたが起業して社長になりたいと思ったら、個人事業主から始める方法と法人(会社設立)で始める2種類の方法があります。

また、現在個人事業主の場合は、法人成りすることもあるでしょう。

「社長になりたいなら絶対に法人を作らなければいけない!」

ということではなく、個人事業主、法人それぞれメリット・デメリットがあるため、しっかりと考えた上で起業しなければいけません。

そこで今回は、法人(会社設立)を設立することによるメリット・デメリットをご説明致します。

ちなみに、会社、法人、企業などの言葉の意味は以下をご参考に。

参考:
日本の企業数、倒産件数、赤字会社の割合、上場企業数など

法人設立(会社設立)による5つのメリット

まず個人事業主ではなく、法人を設立するメリットは以下の5つです。

—–
メリット1.取引先の信用が上がる
メリット2.資金調達をしやすくなる
メリット3.節税メリットが受けられる
メリット4.求人の印象が良くなる
メリット5.相続税がかからない
—–

法人設立メリット1.取引先の信用が上がる

以前に比べて、法人が個人事業主と取引をする機会は増えたように感じます。

法人が個人事業主と取引をするメリットは、

—–
・法人よりも個人事業主の方が単価が安いことが多い
・個人事業主の方が小回りが効きやすい
・個人事業主の方が作業者の顔が見えやすい
—–

などがあげられます。

もちろん、「あの人は個人事業主でも能力があって、責任感が強いから任せたいんだ!」ということもあるでしょう。

ただそうは言っても、やはり個人事業主よりも法人が選択されることの方が多くなります。

個人事業主が悪いわけではありません。取引が大きくなるほど、個人事業主だと物理的に負える責任が限られてくるため、取引相手のリスクが増えてしまいます。

例え、その個人事業主がいくら責任感が強くても、突発的な事故や病気など当人にはどうにもできないことが起こってしまうと、発注者の仕事に支障をきたす可能性があります。

ただ、誰にどのような事情があろうとも、仕事は全うされなければいけません。信用があろうが、責任感があろうが、関係ありません。

そのため法人化して、組織運営をすることでリスクヘッジをできる体制を作ることが信用を上げる手段になります。

法人設立メリット2.資金調達しやすくなる

融資を受ける場合、銀行などの金融機関で審査を受けます。

ここで、「個人事業主か法人かは特に問題ではなく、事業の内容などが重要視されます。」という文言をあちこちで見ますが、残念ながらこれは間違いです。

建前上は個人事業主、法人ではなく中身なのかもしれませんが、融資判断をする責任者は人です。そして融資を推す担当者も人です。

理由は別の記事でお伝えしますが、人が介在する以上、心情的には個人事業主よりも法人の方が融資を受けやすいと考えられます。

また、金融機関以外の資金調達においても同様、融資判断をするのは人なので、法人・個人事業主によって考慮する点や見え方が変わってくると理解した方が良いでしょう。

法人設立メリット3.節税メリットが受けられる

個人事業主として事業所得(売上)がある程度増えてくると、法人成りした方が無駄な税金や社会保険などにかかるコストを減らすことができます。

節税に効果が出てくる目安は、事業所得1000万円と言われています。もちろん節税と言っても、会社設立コストは発生するため、費用対効果を見極めた上での判断になります。

また、個人事業主と法人では経費計上できる科目が違うので、顧問税理士としっかり話し合って、無理がない自然な節税をできるようにしましょう。

節税に関しては、こちらを読んで勉強してください。

参考:
節税 | 社長が見るブログ

法人設立メリット4.求人の印象が良くなる

もしかしたら法人にすることで一番大きく変わるのは求人メリットかもしれません。

求職者にとっても、今の従業員にとっても、自分が働く職場が個人事業主であるより、法人の方がモチベーションを維持しやすいでしょう。

また社会保険、国民健康保険の違いも従業員にとっては大きいはずです。

ちなみにハローワークを使って求人を行いたい場合は、社会保険の加入は必須です。

社会保険未加入企業は、求職者から質問をされるだけではなく、そもそもハローワークに求人を出すことができません。

もし社会保険未加入の状態で求人票を出した場合は、その場で、社会保険に加入することを条件として、求人票を受け付けるという体制になっています。

参考:
社会保険未加入は80万社!会社が被る5つのデメリット

法人設立メリット5.相続税がかからない

個人事業主の場合、あくまでも事業主が個人であるため、死亡により全ての資産が相続対象となり相続税が発生します。

対して法人の場合、会社として所有する資産には相続税がかかりません。

例え社長1人の会社であっても、法人と事業主は別人格になります。もちろん、事業主が所有する株券は社長の個人名義なので、相続税はかかります。

よくある節税対策として、マンションなど不動産物件を所有する際に不動産管理用の管理会社を作るのは、相続税がかからないメリットがあるためです。

法人設立(会社設立)による3つのデメリット

次は3つのデメリットを見ていきましょう。

—–
デメリット1.社会保険料の負担が大きい
デメリット2.払わなければいけない税金がある
デメリット3.事務手続き負担が増加する
—–

法人設立デメリット1.社会保険料の負担が大きい

会社を設立して法人化すると、社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)の加入が義務になります。

組織化して従業員を増やす場と社会保険料が大きな負担になります。社会保険料の支払いでキャッシュフローが大幅に悪化するケースはよくあるため、予め納付額を計算をしておかなければいけません。

社会保険料は、従業員毎の給与支給額に応じて決まります。算定は面倒なので税理士や専用ソフトウェアを使ってください。

給与支給額が平均的な場合(例えば、20万~50万円ほど)、目安として給与支給額の15%程が社会保険料としてプラスされます。

例えば、あなたを含めて4人が働いている会社の社会保険料目安は以下のようになります。

20万円…30,000円
25万円…37,500円
30万円…45,000円
40万円…60,000円
—–
172,500円!!

あくまでも目安ですが、これが毎月かかってくるわけです。結構衝撃的な金額です。

社会保険を算出したい場合はこちらを参考にしてください。

参考:
会社負担は社員給与の15%!社会保険料シミュレーション

法人設立デメリット2.払わなければいけない税金がある

法人化すると、赤字でも払わなければならない税金があります。それが法人住民税の均等割です。

こちらは1年に1回で大きな額ではありませんが、赤字でもキャッシュが出て行くことは理解しておきましょう。

—–
・法人都道府県民税均等割 20,000円
・法人市町村民税均等割 50,000円
—–

法人設立デメリット3.事務手続き負担が増加する

法人には様々な義務が発生します。

そのため、届け出など以下のような事務処理負担は増えます。印紙などの費用負担が発生するだけでなく、書類作成や役所への出頭など、貴重な時間を使うことがかなり痛いです。

—–
・登記手続き
・各種印鑑の作成
・会計処理の変更
・社会保険等の手続き
など
—–

社長自身が各処理の内容を理解したら、その後の処理は費用が発生しても税理士などに任せて、業務に時間を使えるようにしておきましょう。

会社設立5つのメリットと3つのデメリットのまとめ

法人(会社設立)のメリットとデメリットをご紹介ましたが、あげるとキリがありません。

1つ言えることは、事業規模が拡大し、事業所得が増えるなど、組織が大きくなるほど法人の方が多くのメリットがあるということです。

目安は本文中に書きましたが、事業所得で1,000万円~程です。最初から事業所得が1,000万円を超えるなら、個人事業主ではなく法人を設立した方が、取引の信用面や雇用などのメリットが高いと言えるでしょう。

もちろん、物事は多面的に見なければ本質を見抜けません。

個人事業主にもメリット・デメリットがあります。以下を参考にして、自分が進むべき道を見極めてください。

参考:
個人事業主のメリットデメリットと具体的な所得目安

株式会社設立費用の目安と資本金を決める4つの考え方

株式会社設立時の費用や資本金の決め方を知っておこう

あなたが社長になりたいと思った場合、個人事業主としてスタートするか、法人(会社)を設立するかという選択肢があります。

会社設立に関しては、メリットとデメリットを以下の記事でお伝えしていますのでご参考に。

参考:
法人は個人事業主より得?会社設立のメリットデメリット

もしあなたが会社設立にメリットを感じ、株式会社を設立することになった場合、設立費用はいくら必要でしょうか。また、資本金はいくらに設定すれば良いでしょうか。

特に資本金にはちゃんと意味があるため、事業戦略から資金計画までを踏まえて決定する必要があります。

資本金の意味と資本金額の設定をしっかりと押さえておけば、会社が良いスタートダッシュを切ることができる可能性が高まります。

きっちり押さえて、今後の計画に活かしてください。

最低限必要な株式会社設立費用

株式会社設立に最低限必要な費用は登記費用です。個人事業から法人成りの場合は他に必要な費用がありますが、株式会社から作る場合は、以下の額だけで大丈夫です。

では、株式会社設立手続きの流れから説明していきましょう。

株式会社設立の流れ1.会社設立事項の決定

会社設立事項として商号や目的など、15の内容を決定します。

株式会社設立の流れ2.定款の作成とその認証

定款とは、作成する会社の組織や運営方法、株主の地位などを定めた規則のことです。定款は3通作成し、公証役場で認証して貰う必要があります。

実際に私が作った提出前の定款(大事なところは隠してあります!)を見たい方は以下からどうぞ。

参考:
起業に必要な定款とは?提出前の実際の定款サンプル

株式会社設立の流れ3.会社設立登記書類の作成

法務局に届け出るための書類を定款に基づいた項目で作成する必要があります。

株式会社設立の流れ4.会社設立登記の申請

会社設立登記の申請には、登録免許税という税金がかかります。また、登記簿謄本と印鑑証明も必要になります。


ここまでが最低必要な会社設立の流れです。必要な費用の内訳は以下の通りです。

—–
・定款に貼る収入印紙代として40,000円
・定款の認証手数料として50,000円
・定款の謄本手数料:約1,500円
・登記の際の登録免許税:15万円(資本金額の1,000分の7、または150,000円のどちらか多い方)
—–

というわけで、ざっくりと25万円が必要な額です。

後は、実際に会社を運営するための必要コストを考えなければいけません。そこで、資本金をいくらに決めるかが重要になります。

>>会社運営を成功させる10のポイントと運転資金

資本金が持つ3つの特徴

資本金とは何でしょうか。どのような意味があるのでしょうか。

資本金の特徴1.会社運営のために集めたお金

資本金は、「会社を運営するために発行される株式と交換することによって集めた資金」のことです。資本金は、あなたが出せばあなたが出資者、第三者が出せばその人が出資者になります。

起業時に資本金が多いことは、対外的に「社長がお金を持っていた」、または「社長がお金を集める能力があった」と言えるため、社長の信用力の指標になります。

資本金の特徴2.その法人に関係すること全てに使っても良い

資本金は、法人口座に預けたまま使ってはいけないお金、できるだけ使わない方が良いお金だと勘違いしている方がいます。

仮に、資本金額を500万円にしたとしましょう。この500万円は社長が「事業に必要な資金として設定した額」です。

社長は資本金を元手に会社運営を行い、資材の購入、事務所の賃貸費用、デスクやパソコン、従業員の給料、そして役員報酬などに使います。

資本金の特徴3.会社の信用力を左右する

資本金は会社が業務を行うための資金として使われます。資本金が多ければ、それだけ業務に支障をきたすことなく運営できる会社、という見られ方をします。

つまり、資本金が多い企業は体力があると判断される場合が多く、それが他社との取引においても重要な判断材料の1つになります。

法人が10年以内に倒産、廃業、削除に至る可能性は9割と言われているので、取引相手は必ずあなたの会社にリスクがないかを考えていると思ってください。

参考:
日本の企業数、倒産件数、赤字会社の割合、上場企業数など

資本金を決める4つの考え方

次に、資本金をどのような考え方で決めれば良いのか、4つの決め方をご紹介します。

—–
1.半年先まで予測して事業に必要な資金から決める
2.資本金額によって変わる創業融資から決める
3.法人税と消費税の特例から決める
4.事業規模や取引先との兼ね合いから決める
—–

資本金の決め方1.半年先まで予測して事業に必要な資金から決める

起業をするからには、ある程度の勝算が必要です。だからと言って商売は水物。当初の計画通り、事業が順調に軌道に乗る場合もあれば、そうでない場合もあるでしょう。

そこで、仮にうまく軌道にのならなかった場合を考え、必要最低限の月次運営コストが賄えるくらいは資金を用意しておきます。

私がおすすめするのは、6か月分の運営コストを資本金で賄うことです。6か月分を考えて設定すると、初期3か月の予測のズレを次の3か月で修正することができます。つまり、最大2回の軌道修正が可能だということです。

資本金の決め方2.資本金額で左右される創業融資から決める

まず大前提として、創業融資は特別な理由がない限り検討してください。創業融資は名前の通り、会社を始めたばかりの人が使える公的な融資制度です。

会社の信用力が乏しい起業時期において、無担保、無保証、連帯保証人も不要で、最大3,000万円を2%台の金利で借りることができるかもしれません。

融資額は場合によって変わります(最大で1500-2000万と言われている)が、自己資金の9倍までを借りることができます。自己資金、つまり資本金を300万円に設定すれば、最大で2700万円の融資を受けられるかもしれないということです。

事業の必勝パターンを見つけ出すまでの期間は、余裕をもって計画を建てられるキャッシュがあることは非常に心強いはずです。

創業融資に関しては以下を参考にしてください。

参考:
起業時でも無担保で最大3000万円!新創業融資制度とは

資本金の決め方3.法人税と消費税の特例から考える

株式会社設立に際して、資本金額によって税金の特例を受けられる場合があります。それが以下の2点。

—–
・消費税
・法人住民税
—–

ポイントは1,000万円以上か1,000万円未満かが分岐点なので、特別な理由がない限りは、資本金は1,000万円未満に設定しておきましょう。

まず消費税ですが、会社設立から2期に渡って、消費税納付の免税処置が受けられます。

計算方法は場合によって変わるためここでは割愛しますが、消費税増税が頭にある社長にとって、消費税を納めなくて良い制度は非常にありがたいものです。消費税免税に関しては以下を参考にしてください。

参考:
起業2期間の消費税免税は本当に得?メリットとデメリット
起業2期間きっちり消費税免税メリットを得る4つの方法

次に法人住民税ですが、こちらは以下の様に納付金額が変わります。少しの違いですが、キャッシュの流動性を高めるために現金を手元に残す様に考慮しましょう。

—–
・資本金1,000万円未満の場合は7万円の納付
・資本金1,000万円以上~1億円以下の場合は18万円の納付
—–

参考:
滞納で倒産は避けたい…会社が納める税金9種+α

資本金の決め方4.事業規模や取引先との兼ね合いから決める

初めての会社設立の場合、取引先との兼ね合いによる資本金設定はあまり考えなくても良いとは思います。ただ、以下の場合には、取引先(候補)の意見も加味した上での資本金設定が必要な場合があります。

—–
・あなたの会社が仕入先として大口の契約を結べる場合
・取引先の取引条件として資本金の設定がある場合
—–

最初から取引前提で会社設立をすることもあるでしょう。信用力を高めておくことで、より良い条件の契約を結べるかもしれません。

特に、あなたの会社から仕入れをする取引先であれば、なおさら資本金額がリスクヘッジの指標になる可能性があります。

また、取引条件に資本金額の設定がされていて、そこをクリアすれば契約できるという取引先もあります。

どちらも思惑の話になるため、しっかり取引先の担当者や決済権者と話し合いを行い、何らかの書面を巻いたうえで資本金額を設定するようにしましょう。

会社設立費用と資本金を決める4つの考え方まとめ

資本金の特徴、また資本金を決める際の考え方がわかっていただけたと思います。

資本金は、その設定額によって様々なメリットを得たり、戦略的に使われるだけでなく、起業時に計画した事業計画書の正確性を検証する指標になると言えます。

そのため、資本金を税金特例などのメリット面からだけで考慮する安易な決め方はしない方が良いでしょう。

複数回の会社設立を経験している社長であればお分かりかと思いますが、あまり関係がないとお話しをした「事業規模や取引先との兼ね合いから考える」という考慮がたまにあります。

この考え方によって、会社設立の度に大きなメリットを得ている社長がいることは事実です。

もちろんこれは、特殊な環境を構築できる人だからこそあり得るわけですが……。

資本金の決め方1つにしても、起業はなかなか奥深く面白いものだと思います。

もちろん、資本金を決める方法は損得だけではありません。商売はある意味博打です。ゲンを担いだって良いんですよ。

参考:
1000万円以上?999万円以下?資本金を決める3つの考え方

社長の初仕事は会社設立!起業手続きの8つの流れ

会社設立のための流れとは

今すぐ起業にチャレンジしてみたい方、将来的に起業を考えている方、とにかく社長になりたいと思っている方、会社設立の方法はわかりますか?

会社設立にかかる費用と資本金の意味と資本金額の決定方法は以下の記事でお伝えしているので、今日はさらに細かく全ての流れを書き記していきたいと思います。

参考:
株式会社設立費用の目安と資本金を決める4つの考え方

ただ、先に言ってしまうと起業行為自体は何度もあるわけではないため、起業の流れを明確に覚える必要はありません。

起業した後に、どう会社を経営していくかを考える方が100倍重要で、100倍難しいものです。

ところが、会社経営をしていく上で起業の手続きのような行為は何度もあります。そのため、「会社経営には色々な手続きが必要なんだ。」と認識する最初の儀式だと考えてください。

会社設立の流れをしっかりチェックして、手続きに抜け漏れがないよう社長の第一歩を踏み出しましょう。

起業手続きの流れ1.会社設立事項の決定

会社設立事項として、以下の内容を決定します。

—–
・商号
・本店
・目的
・発起人
・取締役
・代表取締役
・監査役
・任期
・取締役会
・株券
・発行可能株式総数
・設立時発行株式の総数
・資本金の額
・株式の譲渡制限
・会社設立予定日
—–

起業手続きの流れ2.会社印鑑の作成

会社の印鑑は色々なことに使用します。もちろん会社設立には欠かないので、早めに作っておく方が良いでしょう。必要な印鑑は以下の3本です。

—–
実印…経営者が会社の代表者として、対外的に契約を結ぶ際に使われます
銀行印…会社として支払いや手形・小切手に押印するために使われる銀行専用の印鑑です
角印…注文書などの社外文書や稟議書などの社内文書に使われます
—–

大切な印鑑なので、持ち運ぶことを考えてケースもセットにした方が良いでしょう。3本セットで20,000円程から作成できます。お近くのはんこ屋さんかインターネットで調べてみてください。

上記は会社用の印鑑ですが、もし個人の実印がないという方は(いないと思いますが)すぐに作って市区町村に実印登録をしておきましょう。

—–
・ゴム印
・朱肉
・捺印マット
—–

この3点セットもあると非常に便利です。特にゴム印は会社名の記載に代用できます。正式な契約書にも使えるので色々と助かります。

「会社名」「代表者名」「住所」「電話番号」がセットになった組み換えができるゴム印を購入しましょう。安いもので7,000円程からあります。

起業手続きの流れ3.定款の作成とその認証

定款は3通作る必要があります。

定款とは

定款(ていかん)とは、社団法人(会社・公益法人・協同組合等)および財団法人の目的・組織・活動・構成員・業務執行などについての基本規則そのもの(実質的意義の定款)、およびその内容を紙や電子媒体に記録したもの(形式的意義の定款)である。 また、社団法人とはいえないような特殊法人(日本銀行・日本放送協会等)の根本規則も定款と呼ばれる。

参考:
定款 – Wikipedia

定款は公証役場に出頭し認証をしてもらったら、1通は公証役場の保管用、1通は原本として会社で保管、1通は登記申請用に法務局へ提出しなければいけません。

定款の認証に必要な書類は以下の通りです。

—–
1.定款3通
2.発起人全員の印鑑証明書※
3.4万円の収入印紙
4.現金5万2000円(認証手数料5万円、謄本証明料2000円程)
5.委任状※
6.代理人の印鑑と印鑑証明書※
7.出頭する人の認め印
—–

※発起人…資本金の出資者
※委任状…発起人が複数名いる場合
※代理人の印鑑と印鑑証明書…発起人が出頭する場合は不要
※認め印…消印用

実際に私が作った提出前の定款(大事なところは隠してあります!)があるので、見たい方は以下からどうぞ。

参考:
起業に必要な定款とは?提出前の実際の定款サンプル

起業手続きの流れ4.株式会社設立登記申請書の作成

法務局に届け出る書類を作成する必要があります。最低限以下の内容を盛り込んだ書類を作成します。

—–
・商号
・目的
・本店所在地
・公告方法について定款の定めがあるときはその旨
・発行可能株式総数
・発行株式の総数
・資本金の額
・取締役の氏名
—–

起業手続きの流れ5.会社設立登記の申請

申請は管轄の法務局に行き、会社設立登記書類の提出を行います。

会社設立登記の申請には、登録免許税という税金がかかります。設立する会社の資本金額によって登録免許税の金額は変わりますが、21,429,000円以上の資本金にしない限りは、登録免許税は15万円です。

その他、必要な書類は以下の通りです。

—–
1.株式会社設立登記申請書
2.登記用紙と同一の用紙
3.定款1通
4.代表取締役の印鑑証明書
5.払込証明書
6.資本金の額の計上に関する証明書
7.印鑑届書
8.会社の実印に使用する印鑑
—–

株式会社設立登記申請書はワード形式でこちらからダウンロードできます。

[テンプレート]ビジネス文書・手紙・はがきテンプレート(書式・様式・書き方)の無料ダウンロード

※払込証明書…預金通帳のコピーで作成します。口座名義、口座番号、銀行名と支店名、払込された日付、金額が必要です。

資本金の額の形状に関する証明書はワード形式でこちらからダウンロードできます。

印鑑届書はこちらからPDF形式でダウンロードできます。印鑑届書の書き方はこちら。

起業手続きの流れ6.印鑑カードの取得

株式会社の実印登録は「会社設立登記の申請」と同時に行ってしまうので、上記を確認してください。

個人の実印同様、法人の実印登録をすると印鑑カードが発行されます。印鑑カードは会社設立の登記が完了した後、法務省から発送されます。

起業手続きの流れ7.登記簿謄本と印鑑証明書の取得

登記簿謄本と印鑑証明書は管轄の登記所で取得する事が可能です。

銀行や公官庁から提出を求められるため、必要な枚数+アルファを取得しておきましょう。登記簿謄本は1通1,000円、印鑑証明書は1通500円の手数料がかかります。

起業手続きの流れ8.法人口座開設

会社設立の登記が完了したら、会社の法人口座を開設できます。

法人口座の開設ができる金融機関は色々あります。都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合など、金融機関毎の特徴があるため、まずは税理士に相談してみるとよいでしょう。

法人口座開設に必要な書類は以下のとおりです。金融機関によっては、別途必要な書類もあるようなので、そこは確認してみてください。

—–
1.法人口座開設依頼書※
2.登記簿謄本
3.定款
4.代表取締役の印鑑証明書
5.会社の実印
6.会社の銀行印
7.代表取締役の身分証明書
—–

※金融機関で用意してもらいます

法人口座の開設に関しては、こちらを参考にしてください。

参考:
ネット銀行もゆうちょもOK?法人口座開設可能な金融機関の特徴

会社設立は代行業者でも問題なし!

この流れに沿って会社設立を行いましょう。と、ここまで書きましたが、会社設立の手続きは代行業者に頼んでも全く問題ありません。

会社設立事項を最初にしっかりと伝えさえすれば、各種書類作成及び申請までを代行してもらえます。しかも、自分で全て行うよりも代行の方が安価になります。

なぜ代行業者の方が会社設立費用が安くなるのか?

代行業者に会社設立代行を依頼した方が費用が安くなる理由は、代行業者が電子定款を使っているため、収入印紙代の4万円が必要ないからです。

通常、公証役場に提出する定款の原本は印紙税法で1通あたり4万円が課税されますが、電子定款の場合は課税対象にはなりません。

もちろん私たちでも電子定款を発行することはできますが、何十件も会社設立をするわけではありませんし、1回だけということを考えた場合、代行業者に依頼してしまった方が圧倒的にお得です。

「会社設立代行」で検索をかけると業者はたくさん出てきますので、そちらを一度見てください。

参考:
会社設立代行 – Google 検索

会社設立の流れ8項目まとめ

会社を作ることは手段の1つに過ぎません。会社を作ることよりも、会社を作って何を叶えたいかを考えることの方が重要です。

まぁ、お目当ての異性に「社長なのー、すごーい。」と言われたいことが目標でも私は構わないと思います。会社を作っただけでモテモテなら、どんなに良いか……。

会社を作ったり、社長になることは会社設立の流れに沿って行えばとても簡単です(と言っても手続き自体は代行に任せられる)。

会社設立はあくまでもスタート地点に立つ行為です。会社を作るという手段が目的にすり替わってしまわないように注意してください。

まずはあまり手をかけないで会社を設立し、あなたの本当の目的を叶えるためのスタートラインに立ちましょう。

1000万円以上?999万円以下?資本金を決める3つの考え方

悩める資本金はどう決めれば良い?

もしあなたが起業するとして手元資金が潤沢にあったら、資本金は1,000万円以上にしますか?それとも999万円以下にしますか?

以下の記事を読めば、どちらに決めた方があなたにとって得なのかをわかってもらえるはずです。

参考:
株式会社設立費用の目安と資本金を決める4つの考え方

ただ、世の中の社長にはゲン担ぎをする方がたくさんいます。何となくキリが良い1,000万円!という考え方でも、ラッキーセブンの777万円!という考え方でも、その社長が納得するならば全く構いません。

というわけで今日は、会社設立の最初の数字の分かれ道「資本金の設定は1,000万円以上が良いか?999万円以下が良いか?」をテーマに、資本金を決める条件や考え方を見ていきたいと思います。

資本金の考え方1.資本金によって法人住民税の課税額が変わる

法人住民税は会社の利益、赤字黒字に関わらず、都道府県民税と市町村税の2種類を納めなくてはいけません

※1,000万円を超えているかどうかで変わる税金は数万円程度です。以下を参考にしてください。

法人住民税の種類
1.均等割:
所得の有無に関係なく必ず課税される
2.法人税割:
法人税額に一定の割合を掛けて課税される
3.利子割:
その他に利子に付く

参考:
税金で倒産は避けたい!絶対必須な会社の税金9種+α

都道府県民税と市町村税はそれぞれの自治体主導で決めていますが、自治体によってそれほど大きな差はありません。

※東京都に法人住民税を納める事業者は特別区という概念が加わります。詳しくは、東京都主税局のホームページを確認して下さい。

資本金の考え方2.資本金によって消費税免税事業者になれる

資本金額が1,000万円未満の法人は、課税売上高が1,000万円未満であれば消費税免税事業者になり、消費税の納税義務が最大2期間免除されます。

事業年度開始日の資本金額が1,000万円以上の法人は、設立時に遡って消費税課税事業者として消費税を納税しなければいけません。

一見、消費税免税事業者の方が得に聞こえるかもしれませんが、売上と経費の関係によって消費税免税事業者が損をしてしまう可能性もあるので、しっかりと見極める必要があります。

必ずこちらを読んで理解を深めてください。

参考:
起業2期間の消費税免税は本当に得?メリットとデメリット

また、せっかく消費税免税事業者になっても、その恩恵を正しく理解していないとフル活用は難しいでしょう。消費税免税事業者で恩恵を得るために以下をご参考まで。

参考:
起業2期間きっちり消費税免税メリットを得る4つの方法

資本金の考え方3.資本金によってゲン担ぎ…?

ゾロ目…999万円
続き番号…1234万円
キリがいい…1000万円
誕生日…412万円
などなど

最初に書いたことですが、これも立派な資本金を決める理由です。数字でゲン担ぎをする人は世の中にたくさんいますね。

同じようにゲン担ぎのために、毎年社員全員で伊勢にお参りに行ったり、破魔矢やダルマ、神棚などを用意する社長は意外なほど多くいます。

モチベーションアップと精神的な安定を得るために年間何十万円も夜のお店やお酒に使っている人もいますし、スーツ、靴、鞄、時計などでモチベーションアップしている人は、下手をすると一桁違ったり……ということもあります。

何らかのゲン担ぎによる資本金額の決定が、あなたのモチベーションアップに有効なのであれば、資本金が例え1,000万円であろうが、1,111万円であろうが問題はありません。

資本金を決める簡単な考え方のまとめ

ざっと洗ってみましたが、1,000万円以上であろうが、999万円以下であろうが、資本金を決めるための条件や考え方に大した違いはありませんでした。

これが100万円なのか、1,000万円なのかでは随分違います。理由としては、

—–
・制度融資の融資額を決定する要因の1つである自己資金が違いすぎる
・取引条件や企業信頼度の指標に資本金額を設定している企業からの見え方が違いすぎる
—–

などが考えられます。

確かに消費税課税事業者か消費税免税事業者かの違いによって、納める税金が大きく変わる場合もありますので、社長として損得の部分はしっかり考慮しなければいけません。

ただ、999万円か1,000万円かで悩むのであれば、100万円か300万円、500万円か800万円、1,000万円かそれ未満で悩んだ方が良いでしょう。

資本金額を迷った場合は、この2つの記事をご参考に。

参考:
株式会社設立費用の目安と資本金を決める4つの考え方
起業2期間の消費税免税は本当に得?メリットとデメリット

資本金の代わりになる現物出資の対象物、手続き方法、注意点

現物出資とは

いくら1円起業ができると言っても、全くお金がなければ起業はできません。

なぜなら、場所を確保し、仕入れをし、商品が売れるまでは人件費を捻出し、営業に必要な設備を整え……、会社経営にはお金が必要だからです。

そこで会社経営に必要な資金を予定立て、資本金額の設定をします。資本金は以下の意味を持ちます。

資本金は、「会社を運営するために発行される株式と交換することによって集めた資金」のことです。資本金は、あなたが出せばあなたが出資者、第三者が出せばその人が出資者になります。

参考:
株式会社設立費用の目安と資本金を決める4つの考え方

ところであなたは、資本金の「現物出資」というものを知っていますか?

実は、会社経営に必要な資本金は、現金以外で代替することも可能です。

それは”物”です。自動車でも土地でも構いません。”物”をお金の代わりに差し出すことで出資と同等の効果を得られます。

「でも使えるお金が増えるわけじゃないから、どうでも良くない?」

と、若かりし頃の私は思っていました。ただ、現物出資はうまく活用するとメリットを得られる可能性があります。

そこで今回は、現物出資がどのような制度なのか、どんな物が現物出資として認められるかなどをお話したいと思います。

現物出資を理解できたら、以下の現物出資をして得られるメリットも合わせて読んでみてください。

参考:
融資額が増える!?意外な現物出資の3つのメリット

現物出資の対象物とその取り扱い

現物出資の目的となる対象物は厳密には物である必要はなく、貸借対照表上の資産として計上できるものが対象になります。

現物出資の事例

事例として挙げると以下のようなものです。「こんなものも!?」という意外なものも現物出資の対象になります。

—–
・有価証券…株券、債権など
・製品…仕掛品・原材料など
・貸付金…会社に貸し付けているお金など
・不動産…土地、建物など
・機械…機械設備など
・車両運搬具…自動車、バイク、自転車など
・工具器具備品…工具やコピー機、ファックスなどです。
・無形固定資産…特許権、知的財産権、営業権など
—–

その他にも、パソコン、オフィス家具、書籍類、地上権、ノウハウ(暖簾)、ホームページなど、現物出資できる物は多岐にわたります。

確かにこれらは、貸借対照表に記載することができるものばかりです。その観点で考えると対象物はまだまだあります。

現物出資をする方法とは

起業時は、発起人のみが現物出資できます。発起人=出資者です。

定款に現物出資の記載が必要

現物出資をする場合は、定款に以下の内容を記載する必要があります。

—–
・現物出資をする者の氏名又は名称
・現物出資の目的たる財産
・その価額
・出資者に対して与える設立時発行株式の数
—–

現物出資額が500万円超の場合は外部調査が必要

現物出資額が500万円を超える(であろう)場合は、裁判所が選任した検査役(弁護士や公認会計士)の調査が必要です。

そして、検査役の調査にはある程度の日数と日数に応じた調査費用がかかります。

そのため通常は500万円以下になる物を選択して、期間や費用など現物出資のハードルを下げるようにしましょう。

現物出資額が500万円以下の場合は内部証明書が必要

出資額が500万円を超えない場合は、その会社の設立時取締役による調査と証明書(現物出資の価額が妥当であるという調査報告書)を用意すれば現物出資を行えます。

この場合の現物出資価額の妥当性は「市場価格」です。

例えば、自動車や機械類などは、減価償却資産として経過時間による価値が決まりますが、そうではなくあくまでも「市場価格」を参考にしなければいけません。

例えば、300万円の自動車であれば、新車購入して1年経つと減価償却資産としての価値は250万円になりますが、市場価格としての価値はもっと低いでしょう。

逆に6年落ちの車は減価償却資産としての価値はほぼなくなってしまっていますが、もし走行距離が1万kmのRV車だったら、6年経っていても200万円近い市場価値はあるかもしれません。

減価償却資産の価値は以下の耐用年数によって決まります。ご参考まで。

参考:
減価償却資産の種類と耐用年数一覧
減価償却の定額法と定率法は経営状態で使い分ける!

現物出資額が500万円以下でも、物によって複数の書類が必要

現物出資額が500万円以下の場合でも、設立時取締役の調査報告書以外の書類が必要な場合があります。

例えば、不動産の場合は不動産鑑定士による鑑定証明書、税理士による適正価格証明書が必要です。価格がわかりにくい美術品などは鑑定士による鑑定書が必要です。

その他にも、不動産では所有権移転登記が必要ですし、自動車は名義変更届けが必要です。

現物出資に必要な手続きの流れ

さて、無事に現物出資する物が決まったら、手続きに移りましょう。

会社が発行する「財産引継書」

現物出資者は、定款に書かれた株式を引き受けたのち、現物出資の対象物を会社に納めます。

起業時の現物出資の場合は、現物出資の対象物が会社に引き渡された際に財産引継書を作成し、設立時取締役の「調査報告書の附属書類」として、設立登記申請書に添付し法務局に提出します。

設立時取締役が発行する「調査報告書」

現物出資に関しては、設立時取締役が価額の妥当性を調査し、調査報告書を設立登記申請書の添付書類とします。

極端な話をすると、現物出資者が1万円の価値の物を100万円と主張して現物出資することもあり得ます。

このようなことがないように、もしも現物出資の価額が相応ではないと判断された場合は、発起人、及び設立時取締役には不足分を現金で用意する義務が発生します。

会社及び現物出資者の課税処理

現物出資は、現物出資者、法人共に注意が必要です。

それは処理の際にお金がかかったり、課税対象になる可能性があるためです。

例えば、譲渡所得として所得税の課税対象になる現物には以下の様なものがあります。

—–
土地、借地権、建物、株式等、特定の公社債、金地金、宝石、書画、骨とう、船舶、機械器具、漁業権、取引慣行のある借家権、ゴルフ会員権、特許権、著作権、鉱業権、土石(砂)など
—–

確かに資産計上できるものばかりです。

よくある不動産の現物出資

不動産の場合、出資した不動産の時価ではなく、現物出資により取得した株式の価額が譲渡所得額となります。

ただし、その価額が出資した不動産の時価の2分の1未満の場合は、出資した不動産の時価が譲渡所得額とみなされます。

もちろん不動産の場合は所有権移転登記が必要なので、登録免許税がかかりますし、不動産を取得した法人には不動産取得税や今後も固都税(固定資産税と都市計画税)がかかります。

よくある自動車の現物出資

自動車の場合も所有権移転登記が必要ですし、自動車税や自動車取得税が法人にかかります。

また、現物出資者には、自動車の価額に応じた譲渡所得税がかかる場合があります。ただし、自動車を事業用途ではなく通勤に使う場合は、所得税は掛かりません。

資本金の代わりになる現物出資の手続き方法と注意点のまとめ

現物出資がどのようなものかわかっていただけたでしょうか。

起業時に発起人全てが現金を保有しているとは限りません。どちらにしろ必要なもの、経費で揃えるべき物があるなら、現金でも現物でも変わらないので、現物出資を有効に活用できるでしょう。

現物出資をして得られるメリットはこちらをご参考に。

参考:
融資額が増える!?意外な現物出資の3つのメリット

また、資本金の決め方に関してはこれまで何度も触れてきましたので、以下を参照してください。

参考:
株式会社設立費用の目安と資本金を決める4つの考え方
1000万円以上?999万円以下?資本金を決める3つの考え方

起業2期間きっちり消費税免税メリットを得る4つの方法

社長が一番苦労するのは消費税

起業したばかりの社長、そしてこれから起業をしたい社長はよーーーく覚えておいてください。

会社経営で取り扱いに苦労し、悩みのタネになる税金の筆頭は、ずばり

「消費税!!」

です。(ちなみに税金じゃなければ社会保険料です。)

起業したての時は、事業が軌道に乗るまでは支払う税金を少なく済ませたいですね。

そのため、消費税の特例措置がある起業2期間の消費税免税をどうするか、はとても重要です。

消費税免税事業者になった方が良いか、消費税課税事業者になった方が良いかは以下をご参考に。

参考:
起業2期間の消費税免税は本当に得?メリットとデメリット

検討の結果、やっぱり自分は消費税免税事業者になった方が得だ!という社長が次に考えなければいけないのは、「できるだけ長く消費税免税事業者であること」です。

最初に消費税免税事業者になったからといって、自動的に2期間消費税免税事業者でいられるわけではありません

よくわからずに、気がついたら消費税免税事業者から外れてしまうこともあります。

そこで今日は、起業からきっちり2期に渡って消費税免税事業者でいられる4つの方法をご説明したいと思います。

消費税免税事業者とはどういうことなのか

説明の前に、起業2期間に渡って消費税免税事業者になるとはどういうことなのかを簡単に解説します。

—–
1期目
売上:5,400万円(内消費税400万円)
仕入等の経費:3,240万円(内消費税240万円)
納税予定消費税:160万円

2期目
売上:8,640万円(内消費税640万円)
仕入等の経費:5,400万円(内消費税400万円)
納税予定消費税:240万円
—–

もし消費税課税事業者であれば、売上分消費税から経費分消費税を引いて、第1期目で160万円、第2期目で240万円の消費税を納めなければいけません。

起業2期間の消費税免税事業者になれば、合計で400万円分の消費税を納めなくても良いことになります。

もちろんこれは理想的ですが、消費税免税事業者になり、制度をフル活用できなければ意味はありません。

消費税免税継続方法1.1期終了までは資本金1,000万円未満

まず起業時に消費税免税事業者になりたければ、資本金は必ず1,000万円未満に抑えます。

消費税課税事業者と消費税免税事業者の区分は、期首における資本金額によります。

つまり、起業日に資本金が1,000万円未満であれば、第1期目は消費税免税事業者の権利が与えられます。

続いて第2期も消費税免税事業者にしたいのであれば、第1期が終わるまでは資本金1,000万円を超えるような増資はしないでください。

起業初年度に資本金を増資をすることはなかなかあり得ませんが、基本中の基本として覚えておきましょう。

起業時1,000万円以上出資が集まってしまったら

起業時に出資金を募って会社を始める場合もあります。もし1,000万円以上集まってしまったら、消費税免税事業者になれないのでしょうか?

せっかく集まった出資金だから資本金に組み入れないと……、なんてことはありません。

会社法では、出資金の1/2までは資本金に組み入れず資本準備金にすることができます。

つまり、出資金が19,999,998円までであれば、その1/2の資本金算入により1,000万円未満に設定することが可能です。

その場合、出資金が19,999,998円の内訳はこのようになります。

—–
・資本金 9,999,999円
・資本準備金 9,999,999円
—–

もしも、会社が消費税免税事業者になって得をするなら、「出資は全て資本金にしなければ。」と考えるより、「出資してもらったのだから、少しでも利益を返せるように最善の経営をしなければ。」と考え、消費税免税事業者を選択しましょう。

消費税免税継続方法2.起業6か月間の給与総額は1,000万円以下

起業日から6か月間の給与総額を1,000万円以下に抑えることで、第2期も消費税免税事業者の権利を得られます。

起業日から6か月間なので、最初から給与総額は調整しておく必要があります。もちろん役員報酬も含まれます。

ちなみに役員報酬は期中の改変ができない(受取額は変えられるが、報酬設定額は変わらない)ので、さらに注意が必要です。

給与支払い時期は調整できる

では、どのような給与調整が必要になるでしょうか。例えば、給与には以下のものが含まれます。

—–
・役員報酬
・社員給与
・アルバイト等の賃金
・残業等の手当
・賞与
・退職金
—–

逆に、以下は給与には含まれません。

—–
・上記のうち未払いの給与
・通勤手当
・交通費
—–

未払いの給与が含まれないことがポイントです!

つまり、6か月目の給与が7か月目に支払われれば、5か月分の給与で計算しても良いということです。

例えば、月末締め翌10日払いや20日締め翌5日払いにすることで対応が可能です。ただし、交通費、通勤手当以外の手当は給与にみなされるので注意してください。

消費税免税継続方法3.第1期の事業期間は7か月以内

特定期間の課税売上高が1,000万円を超え、かつ給与総額が1,000万円を超える場合でも、第2期で消費税免税事業者になれる方法があります。

それは、第1期を7か月以内にするという方法です。

例えば、4月10日が事業開始日だとすると、10月30日を第1期の締め日にすれば7か月以内になります。

事業年度の変更手続きは、以下を参考にしてください。

事業年度を変更したい場合は、株主総会の特別決議を経て、「定款」を変更しなければいけません。ただし、事業年度変更は登記事項ではないので、登記手続きは不要です。

参考:
会社はなぜ3月決算が多い?決算期の決め方と変更方法

もちろんここまでして第2期目を消費税免税にする必要があるかは考えないといけませんが、方法論としてはありです。

おまけ:起業6か月間の課税売上高は1,000万円以下

消費税免税事業者の条件「特定期間における課税売上高1,000万円以下」ですが、これは単なるおまけだと考えてください。

というのも、「特定期間における給与支払額を1,000万円以下に抑える」という条件を満たしていれば、6か月間の課税売上高が1,000万円を超えても、第2期も消費税免税事業者になれるためです。

そもそも、「課税売上高>仕入れ等経費」このようになっていなければ、消費税免税事業者になる必要もありません。

参考:
起業2期間の消費税免税は本当に得?メリットとデメリット

売上がドカンと上る見込みがあるからこそ、消費税免税事業者になる意味があるんです。

起業2期間きっちり消費税免税事業者でいる方法まとめ

まず、資本金1,000万円未満で起業すれば消費税免税事業者の権利は自動的に付与されます。

もしも、売上よりも経費が嵩んでしまった場合は、期末の届け出によって消費税課税事業者に変更も可能です。

逆はできませんが、資本金が1,000万円未満の場合でも、消費税課税事業者になる方法は存在します。

「課税事業者選択届」という届出書を所轄税務署に提出すると、創業当初に資本金額が1,000万円未満の免税事業者であっても、遡って消費税課税事業者として認めてもらえます。

参考:
起業2期間の消費税免税は本当に得?メリットとデメリット

資本金1,000万円以上で起業する社長はそれほど多くいません。余程のことがない限り、無理をして1,000万円以上の資本金で会社を始める意味もありません。

参考:
株式会社設立費用の目安と資本金を決める4つの考え方

今回ご紹介した起業2期間の消費税免税措置をうまく継続できる方法は、起業を軌道に乗せるために与えられた権利だと認識して、状況に応じて十分活用するべきです。

もちろん、消費税免税を受けることが起業の目的ではないので、あまり重点を置き過ぎないよう。

融資額が増える!?意外な現物出資の3つのメリット

現物出資のメリットを知ってますか?

「お金がないから起業できない……。」

確かに会社経営にはお金が必要です。でもお金がなければ起業ができないわけではありません。

例えば、あなたがパソコンや自動車など、事業に必要な資産を始めから所有していた場合、これらの”物”を資本金の代わりに出資することが可能です。

これを「現物出資」といいます。現物出資がどのようなものであるか、どんな物が現物出資として認められるかは以下を参考にしてください。

会社経営に必要な資本金は、現金以外で代替することも可能です。

それは”物”です。自動車でも土地でも構いません。”物”をお金の代わりに差し出すことで出資と同等の効果を得られます。

参考:
資本金の代わりになる現物出資の対象物、手続き方法、注意点

さて、あなたは現物出資のメリットをご存知でしょうか。

現物出資がどのようなものか認識していても、活用する方法を知らない方は多いようです。現物出資のメリットをしっかり理解しておくことで、会社運営のメリットが増します。

>>会社運営を成功させる10のポイントと運転資金

今日は現物出資を行うメリットを3つご紹介したいと思います。

現物出資のメリット1.経費を使う必要がない

最初の現物出資メリットは何と言っても、必要経費としてキャッシュを使う必要がないことです。

例えば、パソコンはどのような事業にも欠かせないものでしょう。デスクや家具類も必要です。事務所によっては電子レンジ、冷蔵庫、応接セットなどなど……。

これら現物出資の対象物に設定する出資額は、「時価」を参考に出資者自ら決めます。

ただし、食器や文房具など足しにならないものに無理矢理値段をつけると、後から資本金の補填対象になり得るのでやめておきましょう。

“通勤”に使うための車やバイクは名義変更、税金、保険などの問題をクリアできるようであれば検討しても良いでしょう。

現物出資メリット2.人材の確保と責任分界に利用できる

複数の発起人で会社を設立する場合、それぞれの発起人で責任を分け合うために同額を出資することはよくあります。ただ、全員がキャッシュを揃えられるわけではありません。

しっかり資本計画を立てる上で、ある程度の資本金は絶対に必要なので、キャッシュを持っていない人に合わせるわけにもいきません。その際に活用できるのが現物出資です。

現物出資の資本金額設定は発起人全員が納得できる金額にする必要はありますが、意識を合わせられれば、キャッシュ不足を補う材料になるでしょう。

キャッシュが足りないことで、いびつな責任分界で会社を始めたり、出資を断って人材を放出するよりは前向きに検討できるはずです。

現物出資メリット3.新創業融資の自己資金に値する

起業に必要不可欠な公的融資制度、その中でも「日本政策金融公庫の新創業融資」は積極的に活用すべきでしょう。

しっかりとした資金計画を立てられれば、経営の幅が広がりますし、リスクヘッジにもなります。

この新創業融資制度の融資可能額は、自己資金(出資金≒資本金)によって変動します。当たり前ですが、自己資金が多いほうが大きな融資を受けられる可能性があります。

新創業融資制度の概要

新創業融資制度は、2014年3月1日に「創業融資制度の改正」があり、以前よりも起業家に有利な融資条件が増えています。

創業融資制度の改正点

融資の上限額:1,500万円 → 3,000万円(うち運転資金1,500万円)
自己資金:融資額の1/3以上必要 → 融資額の1/10以上必要
融資期間(設備資金):10年 → 15年(うち、元本支払い据置期間2年以内)
融資期間(運転資金):5年 → 15年(うち、元本支払い据置期間1年以内)
利率:2.6%(5年以内)~3.1%(15年以内)

参考:
起業時でも無担保で最大3000万円!新創業融資制度とは

融資上限が増えたり、融資の返済期間が伸びるなど、とても良い条件に改正されています。

新創業融資制度の詳細は上記リンク先を参考にしてください。

新創業融資制度の改正は自己資金に注目

これまで新創業融資制度の一番のハードルは自己資金でした。

例えば、改正前の新創業融資制度は、自己資金で300万円を用意した場合、300万円に対して最大で600万円の融資を受けることが可能でした。

300万円+600万円=900万円

自己資金で3分の1とは、資本金額も合わせた3分の1という意味です。つまり自己資金の2倍が最大になります。

改正後の解釈としては、自己資金を300万円用意すれば、最大で2,700万円の融資を受けることが可能になります。

300万円+2,700万円=3,000万円

つまり自己資金の9倍が最大になります。

自己資金=出資金の価値が上がった

新創業融資制度は申請すれば必ず融資されるものではありませんし、自己資金があれば融資されるわけでもありません。

ただ、これまでよりも自己資金の価値が大きく上がったことは事実です。そのため単純に考えて、

自己資金100万円+融資金額900万円=1,000万円

上記のように100万円のキャッシュのみで融資を受けるよりも、現物出資を50万円分上乗せすることで、

自己資金(現金100万円+現物50万円)+1,350万円=1,500万円(内現金1,450万円)

このように現物出資によって新創業融資制度の融資額を増やすことによって、使えるキャッシュが大幅に増える可能性があります。

現物出資3つのメリットのまとめ

・経費を使う必要がない
・人材の確保と責任分界に利用できる
・融資に必要な自己資金に値する

という3つのメリットを見てもらったのですが、現物出資には大きなメリットがあるとわかったでしょう。

とは言え、「面倒な書類が必要」「法人や現物出資者に税負担などが出る」など注意点はあるので、無理矢理現物出資する必要はありません。

参考:
現物出資とは?現物出資の対象とそれぞれの注意点

ただ、視点を少し広げると、よりスムーズに会社運営をスタートでき、より長期的な視点で資金計画を立てられるかも知れません。ぜひ参考にしてください。

起業時でも無担保で最大3000万円!新創業融資制度とは

起業するなら新創業融資は知っておくべき!

起業時に欠かせないことは、事業計画と資金計画を立てることです。

事業計画書の作り方、資金計画書の作り方はどちらも別途記事化するとして、今日は日本政策金融公庫の制度融資である「新創業融資制度」のご紹介をしたいと思います。

何度でも言いますが、健全な経営を行うためには、十分な資金が必要不可欠です。

そして、資金を確保するための手段として、融資、助成金、補助金の種類を知っておくことには、多くの時間を割いても構いません。

重要な助成金、補助金の種類に関しては、以下を参考にしてください。

1.起業時の助けになる「創業補助金」
2.採用コストを助成するトライアル雇用奨励金
3.売上が減少した時に…「雇用調整助成金」
4.従業員を育成する「キャリア形成促進助成金」
5.地域特有の助成金・補助金制度

参考:
社長必見!知らなきゃ損する5つの助成金・補助金制度

さて、もう一つの融資ですが、起業にあたってここに目が向かない社長は意外なほど多くいます。

ところが、融資を一番受けられる可能性が高いのはキャリアの浅い起業時です。つまり、起業の際に一番考慮しなければいけないことが、様々な融資制度の活用なのです。

私は、会社を設立したばかりの社長、起業を考えている方にとって、この「新創業融資制度」は非常に有効な制度かもしれないと考えています。

もちろん融資であるため審査はありますが、その審査を通過するためにどうすれば良いのか、何を知っていなければいけないかを説明したいと思います。

日本政策金融公庫の新創業融資制度とは?

新創業融資は、公的な金融機関である日本政策金融公庫が行っている融資制度です。

日本政策金融公庫は、日本国内において起業や独立をサポートする融資制度を取り扱うために、財務省所管の特殊法人として2008年10月1日に設立されました。

数ある創業融資の中でも、新創業融資制度の特徴は「無担保、無保証、連帯保証人不要」という驚きの条件で、対象は法人だけでなく個人事業主も含まれます。

まだ実績がない新設法人(個人事業主)が対象なだけに、この創業融資を受けることができれば、あなたの事業計画も飛躍的に拡大することができるかもしれません。

新創業融資制度の概要

新創業融資制度の概要は、以下の記事で簡単に伝えましたが、2014年3月1日に「創新創業融資制度の改正」があり、創業者に有利な条件が増えています。

融資の上限額:1,500万円 → 3,000万円(うち運転資金1,500万円)
自己資金:融資額の1/3以上必要 → 融資額の1/10以上必要
融資期間(設備資金):10年 → 15年(うち、元本支払い据置期間2年以内)
融資期間(運転資金):5年 → 15年(うち、元本支払い据置期間1年以内)
利率:2.6%(5年以内)~3.1%(15年以内)

参考:
融資額が増える!?意外な現物出資の3つのメリット

ざっくり言うと上記通りなのですが、少し特徴などを分解して話をしましょう。

新創業融資申請に必要な条件と特徴

誰でも新創業融資申請を行えるわけではありません。

現在事業をしている、これから起業したいという前提以外に、以下の条件が必要になります。

—–
新創業融資制度申請に必要な条件
1.起業から2期以上経過していない(税務申告を2期を終えていない)こと
2.雇用創出を伴う事業、又は同じ業種の企業に6年以上勤務経験があること
3.創業資金の1/10以上を自己資金で用意すること
4.別の融資制度と併用すること
—–

4については知らない方もいると思いますが、新創業融資は日本政策金融公庫が行っている以下の融資制度と併用をしなければいけません。

各融資制度に関しては、「新創業融資制度|日本政策金融公庫」こちらをご覧ください。

—–
・新規開業資金
・女性、若者/シニア起業家資金
・再チャレンジ支援融資(再挑戦支援資金)
・新事業活動促進資金
・食品貸付
・生活衛生貸付(一般貸付および振興事業貸付に限る)
・普通貸付(食品貸付または生活衛生貸付(一般貸付)の対象となる方)
・企業活力強化資金
・IT資金
・海外展開資金
・地域活性化・雇用促進資金
・環境・エネルギー対策資金
・社会環境対応施設整備資金
・企業再建・事業承継支援資金(第二会社方式再建関連及び事業承継関連に限る)
—–

この中から併用できる融資制度を探してください。

新創業融資制度の特徴1.無担保、無保証、連帯保証人不要

—–
1.無担保…土地建物や機械などの設備類等、返済原資となるようなものが必要ない。
2.無保証…ここでは本人保証のこと。法人に融資するのであって、代表取締役の個人保証を取らない。
3.連帯保証人不要…代表取締役以外の第三者による連帯保証人がいらない。
—–

通常の金融機関においては、1と2、または2と3の組み合わせで保証を必要とします。

新創業融資制度の特徴2.金利は高い?

結論から言ってしまうと安いです。

2.6%(5年以内)~3.1%(15年以内)となっており、一見、銀行融資に比べて高いと感じる方もいると思いますが、メリット面を考えると非常にお得です。

恐らく起業して、銀行から融資を受けたいと思っても、銀行単体から融資(プロパー融資)を受けることは難しいでしょう。ほとんどの方が信用保証協会付きの融資になるはずです。

その場合、金利はあまり変わらなくなります。しかも、信用保証協会付きの融資でもある程度の事業実績が必要ですし、担保や連帯保証人も必要な場合がほとんどです。

新創業融資制度の特徴3.申請後1か月半というスピード

金融機関での融資の場合、申請から融資実行までに2~3か月ほどかかりますが、新創業融資はおよそ1か月半と言われています。

このスピード感も通常の融資を知っている方であれば、非常に大きなメリットだとわかるはずです。

新創業融資制度を受けるための心構え

では、新創業融資制度の申請をする前に、心構えをしっかりと押さえておきましょう。

新創業融資制度は公的資金、つまり税金です。創業者を支援するためとは言え、日本政策金融公庫もほいほいと出すわけにはいきません。

そのため、起業初期の社長にとって融資審査はハードルが高く、自分で融資手続きを行うと融資審査通過率は20%以下という狭き門です。

新創業融資の確率を最大限上げるためには以下の2点をしっかりと覚えておきましょう。

融資審査の心構え1.税理士などの専門家に依頼する

起業して事業を行っていくにあたって、必ず顧問税理士とは契約しましょう。良い税理士の見分け方はこちらをご参考に。

参考:
会社の成長に繋がる税理士の選び方12のポイント

決算処理や財務処理を自分たちで行うのは、費用対効果の面で非効率的です。

どちらにしろ今後税理士に色々な処理を行ってもらうのであれば、この新創業融資制度もお手伝いしてもらった方が効率が良いでしょう。

着手金+成功報酬で支援してくれる税理士もいれば、完全成果報酬で請け負ってくれる税理士もいます。顧問税理士とは分けて考えても良いと思います。

調べてみるとわかりますが、成功報酬は融資金額の数%の場合が多いため、失敗する確率を考えればプロに頼んだ方が圧倒的にお得です。

融資審査の心構え2.公的融資のお金を軽く考えない

「金は命よりも重い…!」ざわ…ざわ…(by利根川幸雄:賭博黙示録カイジ)

冗談はさておき、公的に限らず融資を軽く考えている人は少なくありません。根底には「向こうも仕事だから」とか「公的機関だから」という思いがあるのかもしれませんが、

返ってくる見込みのない人にお金は貸してくれません!

世の中には融資を受けたい人がゴマンといるので、通常の金融機関であろうが、公的金融機関であろうが、返ってくる見込みのある人を選んで融資をしたいんです。

必要な書類を期限内に用意するのはもちろん、誠実な態度としっかりと練り上げられた事業計画書の準備を怠らないようにしましょう。

もちろん、税理士に新創業融資制度の依頼をしても同様です。

依頼したからといって、融資を受けるのはあなたの会社です。あなたが本気にならなければ、どんなに成功確率が高い税理士にお願いをしても創業融資の審査通過は難しいでしょう。

新創業融資制度の申請方法

ここで細かく記載するつもりはありません。必要であれば以下をご覧ください。

参考:
新創業融資制度|日本政策金融公庫

前述した通り、新創業融資制度の申請や申請の注意事項はプロである税理士に聞いてください。決して自分の力だけで申請に臨まないでください。

必要な物だけざっと記載します。

新創業融資申請制度に必要な書類

—–
1.創業計画書…事業計画書です。1期目が終わっていれば財務諸表、これからの場合は売上計画とコスト計画など。
2.資金繰り表…新創業融資で必要な額を調達した場合(それ以外も)の資金繰り表です。最低3期分は作ります。
3.見積書、請求書…設備等にかかる費用算出(見積書など)されたもの。
4.商業登記簿謄本…履歴事項全部証明書でも良い。
5.借入申込書
—–

その他、土地などの担保提供により融資を受けることもできるので、その場合は不動産の登記簿謄本が必要になります。

また、創業計画書と借入申込書は日本政策金融公庫にひな形があるので、それを使わなければいけません。

無担保無保証で最大3000万円の創業融資のまとめ

新創業融資制度は、これから起業をする社長や事業を始めたばかりの社長にとって非常に魅力的な資金調達手段の1つです。

大きな夢と目標を抱いている社長は、今燃えている真っ最中でしょう。

だからと言って、「よーし、新創業融資も自力で融資審査を通過してみせるぞー!」と全て自分で背負い込んでしまわずに、任せられるものはプロに任せてしまった方が効率が良くなります。

あなたの情熱は事業計画書を作ること、作った事業計画書にそって最大限の成果を上げることに注ぎ込んで、時間を有効活用してください。

まずは信頼できる税理士に話をして、あなたの事業計画と新創業融資の申請の相談をしてみましょう。

信頼できる税理士選びのポイントは以下をご参考に。

参考:
会社の成長に繋がる税理士の選び方12のポイント

また、融資などの資金調達には以下の目的が必要です。なぜ融資を受けなければいけないかを認識して、資金調達をするためのマインドを作ってから、行動に移すようにしましょう。

融資の目的1.次の事業展開を生む固定資産を買うための融資
融資の目的2.会社の成長スピードを補う時間を買うための融資
融資の目的3.仕入などにスケールメリットを設けるための融資
融資の目的4.将来に備えて返済実績を作るための融資
融資の目的5.乗り切りたい最後の切り札となる運転資金融資

参考:
その融資本当に必要?資金調達が担う5つの目的とは

ネット銀行もゆうちょもOK?法人口座開設可能な金融機関の特徴

法人口座の選定基準は?

法人口座は単純に売上が振り込まれるだけの口座ではなく、会社が存在するという信頼の窓口です。そのため、法人口座選びはとても重要です。

では金融機関ならどこでも良いかというとそうではありません。用途に合わせて法人口座を選ぶためには、いくつかの選定基準があります。

そこで今回は法人口座が開設できる都市銀行、地方銀行、信用金庫・信用組合、ネット銀行、ゆうちょ銀行の特徴をご紹介します。

以下の選定基準であなたが重視したい項目を思い浮かべながら読み進めてもらうとわかりやすいはずです。

—–
・取引相手から信用を得たいか?
・近くにあり、使いやすいか?
・担当者が身近で相談しやすいか?
・各種手数料が安いか?
・比較的融資を受けやすいか?
・ネットバンクが使いやすいか?
・各種払込に対応しているか?
・ネットバンクの利用時間帯は?
・ビジネスマッチングなどの利点があるか?
—–

法人口座開設可能な金融機関1.都市銀行

東京近郊の会社であれば、最初に思いつくのが都市銀行での法人口座開設です。もしあなたが取引先から信用を得たいなら都市銀行を選ぶと良いでしょう。

都市銀行は東京三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、(埼玉りそな銀行)の4行(+1行)ですが、ネームバリューが高いため取引銀行として公表できることは魅力の1つでしょう。ちなみにりそなは大阪です。

取引相手から信用を得たいか?

全国どこにいても誰でも知っていることが都市銀行の利点です。口座開設審査が他の金融機関よりも厳しいため、法人口座を持っていることが信用に繋がる場合があります。

近くにあり、使いやすいか?

会社がどこにあるかによります。あなたの会社が地方にある場合は、法人口座開設の審査基準が厳しくなる場合があります。

また、都市銀行がメジャーだと言っても全国どこにでもあるわけではないため、地方の会社の場合使いやすいとは感じないでしょう。

担当者が身近で相談しやすいか?

もちろん担当者によりますが、都市銀行は関東近県の名だたる企業が法人口座を開いている銀行です。起業したてで同列に扱ってもらえる可能性は極端に低いでしょう。

各種手数料が安いか?

手数料は安くはありません。

比較的融資を受けやすいか?

担当者が身近ではないため、融資は受けにくいと思います。

ネットバンクが使いやすいか?

都市銀行のネットバンクはどこも月額2,100円/月の基本料がかかります。

各種払込に対応しているか?

ネットを通じて公共料金支払いができる「Pay-easy(ペイジー)」には全ての都市銀行が対応しています。また全行ATMからの支払いに対応しています。確認はこちらからどうぞ。

参考:
ペイジーが使える金融機関|いつでも、どこでも、ペイジー。

ネットバンクの利用時間帯は?

都市銀行のネットバンクは平日・休日共に接続できない時間帯が存在するので注意が必要です。

ビジネスマッチングなどの利点があるか?

都市銀行ではやはり存在感を持たなければ、プラスアルファのメリットをは教授できないでしょう。そのため起業間もない会社では、ビジネスマッチングなどは期待しない方が良いでしょう。

法人口座開設可能な金融機関2.地方銀行

東京近郊でなければ無理をして都市銀行にする必要はありません。その土地には地元密着型の地方銀行が存在していて、地元での影響力は絶大です。

恐らくあなたの会社の取引先もその土地周辺のケースが多く、担当者を介して仕事に繋がるケースもあるため、下手に都市銀行にするよりも安心感があります。

法人口座開設には面談がありますが、都市銀行よりは開設しやすいでしょう。

取引相手から信用を得たいか?

その土地にある地方銀行は、その土地にいればある程度ランクがわかるはずです。その土地よっては都市銀行の法人口座を開設するよりも安心と信頼感を得られるでしょう。

健全で有名な地方銀行は、横浜銀行、千葉銀行、静岡銀行などがあります。

近くにあり、使いやすいか?

地方銀行なので会社の近くにあるはずです。社長になるとわかりますが、銀行に行くシチュエーションは割とあります。銀行が近くにあることは非常にメリットです。

担当者が身近で相談しやすいか?

担当者によりますが、地方銀行の担当者は都市銀行よりは相談しやすいはずです。ただし、地方銀行によっては県外に複数支店を出している場合があり、それによって担当者が土地勘がない(都道府県外の)人ということはよくあります。

各種手数料が安いか?

地方銀行によって違います。たくさんあるので調べてもらうしかないのですが、都市銀行と変わらないか少し安く設定している地方銀行が多いと思います。

比較的融資を受けやすいか?

あなたの会社がその地方において有用だと認められた場合は、地方銀行からの融資はかなり受けやすくなります。なぜなら、銀行からの融資先が限られるためです。

ネットバンクが使いやすいか?

こちらも地方銀行毎に違うので、調べてもらうしかありません。

各種払込に対応しているか?

地方銀行によって違いますので、こちらで確認して下さい。ペイジーを使ってATMから公共料金支払いができるところはかなり少ないですね。

参考:
ペイジーが使える金融機関|いつでも、どこでも、ペイジー。

ネットバンクの利用時間帯は?

こちらも地方銀行によりますが、24時間365日使える地方銀行のネットバンクはかなり少ないのではないかと思います。

ビジネスマッチングなどの利点があるか?

地方銀行毎や支店毎に積極的に行っている場合もありますが、積極的なビジネスマッチングを促したい場合は担当者と仲良くなることが重要です。

銀行マンは顧客と食事に行くことが禁止されているため、人間的な魅力で仲良くなるしかないでしょう。

法人口座開設可能な金融機関3.信用金庫・信用組合

誤解を恐れずに言うと、信用金庫・信用組合は融資には有利な金融機関と言って良いと思います。担当者の担当範囲が広範囲ではないため1人1人の折衝が手厚く、より事業の現状を伝えやすい関係を作ることができるでしょう。

また、積極的なビジネスマッチングも行っているため、人間関係によって仕事が左右される場合には使いやすいはずです。

取引相手から信用を得たいか?

都市銀行、地方銀行に比べてしまうと信用力では劣りますが、法人口座に信用金庫・信用組合を使っているからと言って取引を断られたというお話しは聞いたことがありません。

近くにあり、使いやすいか?

地方銀行と同様、地元の信用金庫・信用組合なので比較的近くにはあって使いやすいはずです。

担当者が身近で相談しやすいか?

信用金庫・信用組合は銀行とは違い、地域の相互扶助を目的とする協同組織型の金融機関なので、担当者以外でもしっかりと話しをすれば相談には乗ってもらいやすいと思います。

各種手数料が安いか?

信用金庫・信用組合も地方毎にたくさんあるので調べてもらうしかありません。

比較的融資を受けやすいか?

信用金庫・信用組合では大きな融資額は望めませんが、融資相談には乗ってもらえるはずです。

ネットバンクが使いやすいか?

こちらも信用金庫・信用組合毎に違うので調べてもらうしかありません。

各種払込に対応しているか?

参考:
ペイジーが使える金融機関|いつでも、どこでも、ペイジー。

信用金庫・信用組合毎に違うのでこちらで確認して下さい。

ネットバンクの利用時間帯は?

こちらも各信用金庫・信用組合によって違います。

ビジネスマッチングなどの利点があるか?

ビジネスマッチングはかなり積極的に行っているのではないかと思います。

ただし、信用金庫・信用組合を利用する法人が対象になるため、あなたの会社が大企業や関東近県の会社との取引の場合、大きなメリットを得られないかもしれません。

法人口座開設可能な金融機関4.ネット専業銀行

店舗を持たないネット専業銀行で法人口座を開設する人も増えてきたようです。ただし、大手の中には取引銀行指定をする企業もあるので、その場合ネット専業銀行の法人口座は使えません。

逆に、個人事業主やネットショップ運営にはネット専業銀行の法人口座が欠かせません。現在あるネット専業銀行は次の8つです。
※2015年3月時点

—–
・ジャパンネット銀行
・ソニー銀行
・住信SBIネット銀行
・イオン銀行
・セブン銀行
・楽天銀行
・じぶん銀行
・大和ネクスト銀行
—–

取引相手から信用を得たいか?

取引相手によりますが、個人相手であれば全く問題はないと思います。大手企業や歴史のある会社を相手にする場合は、取引口座の制限を受ける可能性があります。

近くにあり、使いやすいか?

どこからでも繋がるので場所は関係ありません。

担当者が身近で相談しやすいか?

ネットバンクなので担当者は存在しません。そのため何らかの相談をすることもできません。

各種手数料が安いか?

各ネット専業銀行とも基本料金はかかりませんし、振込手数料も安く設定されています。そのため、振り込みが多い場合には有利です。

また、顧客からの振り込みが多い場合にも喜ばれるでしょう。

比較的融資を受けやすいか?

ネット専業銀行は、金融機関としての法人融資はありません。

ネットバンクが使いやすいか?

ネット専業銀行なので使いやすくて当たり前ですね。

各種払込に対応しているか?

楽天銀行のみペイジーに対応しています。ネット専業銀行は進化が激しいため、便利な機能はすぐに機能追加されるはずです。

ネットバンクの利用時間帯は?

ネット専業銀行はどこでも24時間365日使えることが基本です。

ビジネスマッチングなどの利点があるか?

ネット専業銀行にビジネスマッチングを期待してはいけません。

法人口座開設可能な金融機関5.ゆうちょ銀行

最近、ゆうちょ銀行での法人口座開設の話をよく聞くようになりました。利点は誰もが知っている金融機関であり準公的機関であること、ネットバンクの利用料金や振込料金が安いことが挙げられます。

ただし、融資業務、社会保険料口座振替などの支払いには対応していません。個人事業主がメインに使ったり、法人がセカンドバンクとして使うのはありだと思います。

取引相手から信用を得たいか?

ゆうちょ銀行の知名度はバツグンですし、準公的機関なので銀行自体の信用もあります。ただし、法人口座としての知名度はまだ低いと思います。

近くにあり、使いやすいか?

ゆうちょ銀行は全国どこにでもあるため使いやすいはずです。

担当者が身近で相談しやすいか?

ゆうちょ銀行は融資業務等は行っていないため、担当者という概念はないと思います。

各種手数料が安いか?

ゆうちょ銀行は個人利用者が多いため、個人からの振り込みを受ける場合の同行間の手数料は無料です。その他も比較的安く設定されていて使い勝手は良いです。

その代わり、ATMから預入または払戻しをする場合は必ず手数料がかかります。

—–
平日8:45~18:00:1回につき108円
土曜日9:00~14:00:1回につき108円
上記以外:1回につき216円
—–

比較的融資を受けやすいか?

2015年3月時点では金融機関としての融資は、預金担保貸し付けを除き認められていません。法人融資を開始する噂はありますが、まだ認められていない状況です。

ネットバンクが使いやすいか?

ゆうちょ銀行のネットバンクの評価は高いと思います。

各種払込に対応しているか?

ATM、ネット共にペイジーには対応しています。

ネットバンクの利用時間帯は?

ここは残念ポイントですが、都市銀行と同様、ゆうちょ銀行のネットバンクには使えない時間が結構あります。

ビジネスマッチングなどの利点があるか?

私の知る限りビジネスマッチングはありません。

法人口座を開設できる金融機関の特徴まとめ

まずはおおまかに各種金融機関の法人口座開設にあたっての特徴を理解できれば良いと思います。というのも、法人口座は複数口座開設しても問題がないからです。

ただし、手間を考えると最初はある程度絞り込んでも良いと思います。

会社設立により企業対企業の取り引きを行ったり、将来的に金融機関のプロパー融資を受けたい、ビジネスの広がりを金融機関を通じて得たいということでなければ、ゆうちょ銀行やネット専業銀行をメインバンクにしても問題はないと思います。

もしそうではない場合は、やはり東京近郊では都市銀行、地方なら地方銀行がメインバンクの第一候補になります。

都市銀行は審査も厳しく、会社の内部事情まで鑑みて相談に乗ってくれることはまずないので、ある程度規模が拡大してから法人口座開設に臨めば良いでしょう。

東京近郊の会社の場合はまずは地方銀行や信用金庫・信用組合との取り引きから始めて、業務拡大の際に都市銀行と付き合い、地方の会社の場合は信用金庫・信用組合との取引から始めて地方銀行に移り、規模が大きくなれば都市銀行との取り引き……、とスケールアップしていくことが一般的ですね。

会社名を決める5つのルールとネーミングに使える5Iの法則

会社名の重要性

会社名は社長にとってアイデンティティをあらわすサインであり、名刺や封筒、看板などに使われる重要なコピーの1つです。

もちろん会社名を途中で変更することはできますが、ブランディングにも関係するので、最初にある程度満足できる名前にした方が良いでしょう。

そこで今回は、会社名を考える際に押さえておくべきネーミングルール、会社名をコピーとして活用するための5Iの法則(ファイブアイの法則)のお話をしたいと思います。

会社名を決めるために必要な5つのルール

何度かの商業登記規則等の改正により、会社名(商号)に関する取り決めも以前に比べて大分緩やかになりました。

商売をするための名称なので、変な名前を付けてしまわないよう注意をするとは思いますが、基本的なルールは以下の5つです。

会社名のルール1.会社名の前後に「株式会社」を付ける

前株、後株という言葉もある通り、株式会社の場合一般的には前か後ろに「株式会社」を付けます。もちろん、個人事業者や合同会社は会社名に「株式会社」は使えません。

会社名のルール2.「支社」「事業部」など部門をあらわす文字は使えない

会社名の後に「支社」「事業部」「支店」「出張所」などを使うことはできません。逆に「代理店」「特約店」は使えます。

会社名のルール3.「銀行」「信用金庫」など事業が誤解される文字は使えない

「銀行」「信用金庫」「労働金庫」「信用組合」「保険会社」「信託会社」「農業協同組合」など、その事業を営んでいると誤解されるような文字は使えません。

逆にこれらの事業を営んでいる場合は、必ず付けなくてはいけません。

会社名のルール4.一般的に有名だとみなされる他社名は使えない

誤解されるおそれがあるため、あまりに有名な会社名は使えません。例えば、ソニー、トヨタ、パナソニック、ソフトバンクなどです。

会社名のルール5.記号、アルファベット、数字など使える文字に制限がある

漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字・アラビア数字は全て使うことができます。また、記号は「&」「‘」「,」「-」「.」「・」を使えます。

広告に必要な5Iの法則(ファイブアイの法則)をネーミングに活用する

会社名を決めるための5つのネーミングルールを守り公序良俗に反しなければ、どのような会社名を付けても大丈夫です。

しかし、せっかく付ける会社名なので、しっかりとした意味と今後会社経営をしやすいネーミングにしたいはずです。

そこで5Iの法則を参考にして、会社名を考えてみましょう。

5Iの法則とは
効果的な広告表現に必要な5要素。Idea(アイデア)、Impact(インパクト)、Interest(興味)、Information(情報)、Impulsion(衝動)の頭文字を取ったもの。

参考:
5Iの法則とは – 広告用語 Weblio辞書

5Iの法則は、マーケティング用語で広告コピーを作るために活用するものです。

会社名は一発で覚えてもらうとお得です。アイデアに優れていて、インパクトが有り、興味をわかせ、情報を伝え、何らかの衝動を掻き立てるような会社名を付けられるように工夫しましょう。

実際にコピーライターは1つのキャッチコピーを作るために、コンセプトに沿ったコピーを数百並べて決めると言います。

一生お付き合いする会社なので、十分練り上げて会社名を決めてください。

会社名を決める4つの注意点

会社名をがんばって考える時に気をつけることは、わかりやすいものが一番!ということです。ベストは「単純で、短くて、意味がわかりやすくて、でも興味が惹かれるもの」です。

コピーのネーミングルールに造語はNG!というものがありますが、そんなことはありません。

ただし凝りすぎた会社名をつけると、「なんでこの会社名なんですか?」ということさえ聞かれません。どうでも良くなってしまいます。

美容院や飲食店でそのような名前をよく見かけます……。

では、ネーミングに活用できる5Iの法則と「単純で、短くて、意味がわかりやすくて、でも興味が惹かれるもの」を踏まえた上で、会社名の注意する点を4つご紹介します。

会社名の注意点1.同一住所に同一、または類似商号がないかチェックする

まず、その会社の商圏に同一の会社名がないか、類似の会社名がないか確認して下さい。

全く存在しない会社名でも良いですし、あえて少し勘違いされるような名前をつけるというのも有りです。

会社名の注意点2.覚えやすい商号にする

「かっこいいから!」と言うだけで、フランス語やイタリア語、アルファベット等の会社名にするのはお勧めしません。余程の思い入れがない限り、意味を想像しやすいものにしましょう。

特にBtoCで、読めない会社名は口コミの機会が減ってしまいます。

会社名の注意点3.ドメイン名を調べる

会社を作るなら、WEBサイトやメールアドレスは必ず使うことになりでしょう。できれば「会社名+.com」「会社名+.co.jp」など簡単なものにしたいですよね。

会社名の注意点4.会社名が省略できるか

もし長い会社名にしたい場合、その会社名が省略できるか、また、勝手に省略してくれそうかということも大事な要素です。

自らアピールしても良いので、簡単に省略できる会社名を考えると親しみがわきやすくなります。

会社名を決めるルールと5Iの法則まとめ

例え適当に会社名を付けても、会社名をつけた人=社長はその名前に愛着がわくものです。

しかし本来であれば、優れた会社名は非常に大きなマーケティング効果を持たせることができます。適当な名前をつけてしまうと非常にもったいないのです。

一方、割り切った社長であれば、会社運営をする中で主力商品ができてきた際に、その商品名にパッと変えるということもあります。

>>会社運営を成功させる10のポイントと運転資金

場合によりますが、会社名を途中で商品名やサービス名に変えてしまうのは、力を入れたい商品やサービスと共に会社名もブランディングできるため、私はとても良い方法だと思います。

このような頭の切り替えができるのであれば「会社名は重要!」と言っても、最初からそれほど深く考えることではないのかもしれません。

顧問税理士の業務内容は?確定申告や訪問費用の目安は?

起業時に出会う税理士は費用対効果が高い!

顧問税理士がどんな仕事をしてくれるか知ってますか?
顧問税理士にどれ位費用がかかるか知ってますか?

私は、回し者ではありませんが、これだけは確実に言えます。

「起業時に出会う優秀な税理士ほど、コスパの高い存在はない!」と。

特に、売上が1億円未満の会社であれば、優秀な顧問税理士との出会いは恩恵を十分に感じることができます。そんな優秀な税理士選びのチェックポイントは以下にありますので、ご参考に。

税理士の選び方ポイント1.質問の回答が早いか、回答が一生懸命か
税理士の選び方ポイント2.偉そうな態度を取っていないか
税理士の選び方ポイント3.サービス提供している感覚を持っているか
税理士の選び方ポイント4.組織運営している感覚を持っているか
税理士の選び方ポイント5.料金説明、サービス説明をしっかりするか
税理士の選び方ポイント6.月に何度かの訪問をしてくれるか
税理士の選び方ポイント7.節税に関する知見をしっかり持っているか
税理士の選び方ポイント8.資金調達の知識を持っているか
税理士の選び方ポイント9.的確な役員報酬のアドバイスをくれるか
税理士の選び方ポイント10.月次決算を行ってくれるか
税理士の選び方ポイント11.税務署に強いかどうか
税理士の選び方ポイント12.新人教習の場に使われないか

参考:
会社の成長に繋がる税理士の選び方12のポイント

さて、上記ページ内で顧問税理士にかかる費用にも触れていますが、これは一体どのような仕事に対して支払われるものなのでしょうか。

税理士報酬の目安は、起業当初で2~3万円/月です。決算対応に関しては、15万~20万円前後といったところでしょうか。これらは、売上などの事業規模によって変動する場合がほとんどです

今回は、優秀な税理士選びの参考になる税理士の仕事内容と、それにかかる費用に関してお話したいと思います。

税理士に依頼できる仕事

税理士の仕事は大きく分けて3つあります。そして、税理士という資格を持っていることで、その3つの業務を独占的に、私たちに提供できることになっています。

税理士の仕事1.税務代理業務

企業に代わって、税務関連書類を税務署等に申告・申請することができます。また、税務署による税務調査に立ち会い、企業に代わって、税務調査の対応を行います。

税理士の仕事2.税務書類の作成業務

税務署に提出する書類を企業に代わって作成します。

税理士の仕事3.税務相談業務

企業に代わって、確定申告による税金の計算、それに関する手続き、税務内容の質問に回答したり相談対応をします。


上記3つが、税理士の仕事と呼ばれているものです。企業にとって一番重要な確定申告処理は、「1.税務代理業務」「2.税務書類の作成業務」に該当します。

税理士の仕事4.会計業務

会計業務とは、財務3表など決算書類の作成、会計帳簿の記帳代行、また月次決算業務などを行います。

税理士の仕事5.コンサルティング業務

コンサルティングは、経営に関するアドバイスや税金に対するアドバイスを行います。

月次決算や年次決算などで作成した決算書類を基に書類分析や節税対策、資金繰りに関するアドバイスです。

税理士の仕事6.その他

融資の際の金融機関との折衝や企業買収、合併などのM&Aに関するアドバイザー業務、また、社労士、司法書士、弁護士などと連携をして、企業の裏方事業を一手に引き受けることもあります。


優秀な税理士は、「4.会計業務」「5.コンサルティング業務」「6.その他」が優れています。特に、専門機関との折衝や、社長目線で経営アドバイスができる税理士は非常に優秀だと言えます。

税理士の顧問費用は

さて、これらの仕事をしてもらうために税理士と契約を結びます。これを顧問税理士制度と呼びます。顧問とは、相談を受けて意見を述べる役目のことです。

顧問税理士は、月契約で毎月何らかの決まった作業をしてもらうのですが、一体月々いくら位かかるのでしょうか。

税理士ドットコムに顧問料の目安が載っていますので、引用させてもらいます。(※クリックで拡大)

顧問税理士の報酬相場

参考:
顧問税理士の報酬相場 – 税理士ドットコム

まず、基本的に顧問税理士をお願いするのであれば、訪問してもらうことは当然の権利だと思ってください。

もちろん月額顧問料によりますが、私は圧倒的に月1回の訪問をおすすめします。間違っても、社長のあなたが訪問するのではありません。

1回の訪問時間は契約内容で変わりますが、多くが1時間ほどです。時間がないから30分にして欲しい、と言うのはもったいない!他の時間を削ってでも1時間空けましょう。

月次訪問時に税理士に依頼する仕事は、主に「4.会計業務」と「5.コンサルティング業務」です。

企業の会計処理をしっかり把握するためには、1年毎の決算だけではなく月次決算が必須です。

そして、月次決算の意味を理解することで、直近のお金の動きから数年後の将来設計まで、さまざまな情報を把握できるようになります。

社長は会社にかかわる全ての決済者であるため、会計が畑違いのことであっても、把握できなければ決済判断に支障をきたします。

そのため顧問税理士の月次訪問によって、会計知識、税務知識を身に付けつつ、節税対策、良いお金の使い道、融資の検討、税理士が抱えている他の顧客状況、業界の景気の話など、総合的な経営に役に立つ情報を仕入れる場として活用します。

※顧客の詳細情報は守秘義務があるので教えてもらえません

逆に、いくら顧問料が安くても、訪問してくれない税理士には価値がありません。

先程の料金目安を見ると、訪問ありの月額顧問料は、仮に売上が1,000万円未満の場合「2万5000円」です。

その金額がもったいないというのは、よっぽどその税理士が使えないか、社長のあなたが使い方を知らないか、(経営のセンスがないか)です。

社長1人、または家族経営の会社で、今後5年は売上も変わらないし利益もそこまで変動しない。経費も決まった額で、後は領収書精算だけという話であれば、記帳代行だけでも良いでしょう。

もしそうではなく、今後会社を拡大したい、また売上や利益にも変動があるという場合には、やはり月次訪問をしてもらい、月次決算をしっかり行わなければいけません。

確定申告を税理士に依頼する費用は

次に、年1回の確定申告を税理士に依頼した場合の費用です。

確定申告とは、決算書類をまとめ、それを基に作った確定申告書を税務署に申告することです。確定申告によって、法人、個人の納税額が明確になります。

先程の税理士ドットコムの画像にも書いてありますが、確定申告にかかる費用は月額顧問料とは別で、月額顧問料の4~6か月分が必要になります。

そのため、売上が1億円未満であれば15万円~25万円、1億円以上であれば25万円~35万円が目安になるでしょう。

確定申告は、1年のまとめと言っても、毎月の流れが積み重なってできている数値です。そのため、本来は月次の記帳と月次決算をした方が確定申告が楽になるでしょう。

最近の記帳は、紙の帳簿ではなく会計ソフトへの入力がメインです。入力する項目は入金・出金というお金の流れですが、商品が増えたり人が増えると、お金の流れが多くなるため、煩雑になってしまいます。

そのため、記帳などの諸業務も税理士に任せてしまった方が良いでしょう。その方が、最後の確定申告までの流れがスムーズになります。

忙しい社長にとって最もメリットがあることは、自分の時間を節約できることです。

自分で記帳して申告となると専門知識も必要ですし、時間もかかります。しかもこれらの作業は、中身さえ理解できていれば単なる雑務と言っても良いでしょう。

また、税務調査対応をしてもらえることも大きなメリットです。

税務調査は、事前予告がある場合がほとんどですが、突然訪問してくる場合もあります。事前予告がある場合は、必ず税理士に相談をして、代わりに対応してもらえるように準備をしておきましょう。

もし仮に突然訪問があった場合も、その場で対応はしないで、税理士に連絡をとる方が良いと思います。最終的に対応をしないわけではなく、然るべき日時で対応するわけですから、問題はありません。

参考:
税務署が来た…税務調査の可能性が高い会社9パターン

確定申告をしてもらっているため内容はすべて把握していますし、例え顧客であるその会社の頼みであっても、変な確定申告書を出すことはできないため、税務署の質問にも明確に回答してもらえます。

個人事業主、規模が小さい企業、入出金回数が少ない会社の場合、税理士を使わずに確定申告を行うことがあるかもしれません。その場合は、以下を参考にしてください。

参考:
5分で理解!確定申告が必要な人、不要な人と条件まとめ

税理士にかかる費用と顧問契約の業務内容まとめ

税理士の仕事を把握できれば、会社にとって税理士が如何にコストパフォーマンスが高いサービスであるかわかるはずです。

会社の経営とは、様々な専門知識の集合で成り立っています。営業ができて、商品が売れれば経営できるわけではありません。

会社の本業にコストと時間を全力で注ぐためにも、(変な言い方ですが)どう税理士を使い倒すかを真剣に考え、どう会社の成長に繋げるかを考えてみましょう。

もちろん経営に関する数字の勉強は必要です。優秀な税理士であれば、社長が会計に興味がないより会計に興味がある方がやる気が出ますし、様々なアドバイスをしてくれるはずです。

「優秀な税理士が会社の大きな成長に繋がるので、よろしくお願いします!」と伝えておけば、それだけ真剣に仕事に取り組んでくれるはずです。

ぜひ優秀な税理士を捕まえて、これまでの何十倍もメリットがあるということを感じてみてください。

起業に必要な定款とは?提出前の実際の定款サンプル

定款とは?

会社設立の記事でも書いた通り、起業には定款(ていかん)が必要です。

参考:
社長の初仕事は会社設立!起業手続きの8つの流れ

定款(ていかん)とは、社団法人(会社・公益法人・協同組合等)および財団法人の目的・組織・活動・構成員・業務執行などについての基本規則そのもの(実質的意義の定款)、およびその内容を紙や電子媒体に記録したもの(形式的意義の定款)である。また、社団法人とはいえないような特殊法人(日本銀行・日本放送協会等)の根本規則も定款と呼ばれる。

参考:
定款 – Wikipedia

では、定款には具体的にどのようなことを記載しなければいけないのでしょうか。実際に、提出前の定款を見ていきましょう。

定款の表紙

定款の表紙は非常にシンプルです。フォントの大きさなどは特に決まっていませんが、ワードなどで作成する際にはこのくらいの比率が良いと思います。

まず設立する会社名と設立日を記載します。

定款-1

第1章 総則

総則では、会社全体の内容である商号、目的、住所等に関して記載します。

定款の商号

第1条で会社名である商号を記載します。会社名を作るにはいくつかルールがあるので、こちらを参考にするとよいでしょう。

参考:
会社名を決める5つのルールとネーミングに使える5Iの法則
誤解されない会社名を付ける5つの考え方

定款-2

定款の目的

第2条には会社の目的を記載します。以前の会社法では、目的は非常に明確に書かなければ許可がおりませんでしたが、今はそこまで厳しく見られません。

ただし、会社の目的はその会社がどのような事業を営んでいるかを示すものです。会社の目的は謄本を取得すれば誰でも閲覧できるため、何を行う会社なのか目的をわかりやすく書いておきましょう。

定款の本店所在地

本店所在地は登記を行った場所です。事務所機能を持つビル内賃貸事務所だけではなく、社長の自宅やバーチャルオフィスでも構いませんが、賃貸マンションは使用目的が居住専用の場合があります。その場合、登記には、所有者や管理会社の承諾書が必要になります。

ちなみに、住所を省略して登記することはできませんが、アパート名、マンション名、ビル名などは省略できます。

第2章 株式

株式は発行株数や株式の取り扱い、金額などを記載します。

定款の発行可能株式総数

第6条の発行可能株式総数は、実際に発行する株式の10倍を書いておけば良いでしょう。特に決まりはありませんし、どうするのが良いということもありません。

定款の株券の不発行

株券の不発行とは、実際の紙で株券を発行しないという意味です。以前は株式会社は株券を実際の紙で発行していましたが、今は電子データで管理されているため不要です。

定款の株式の譲渡制限

第8条の株式の譲渡制限は、何を以って株式の譲渡売買を許可するかを決めます。通常は株主総会で良いでしょう。

第3章 株主総会

ここは株主総会の取り決めが書かれるところなので、規定通りの文言で良いでしょう。

定款-3

第4章 取締役および代表取締役

取締役や代表取締役に関する取り決めを記載します。

定款の取締役の員数

第21条の取締役の員数は、発起人の数+近い将来役員になると予測される人数を基に記載します。発起人が3人以下で取締役が3人以下ならば、3人以下、もしくは4人以下で十分だと思います。

定款-4

第5章 計算

事業年度や株主配当に対する取り決めを記載します。

定款の事業年度

第28条の事業年度は期首と期末を記載します。これまでの企業慣習では事業年度を4月1日から3月31日をに設定することが一般的でしたが、最近は上場企業でも9月通期決算や12月通期決算などが増えています。

参考:
会社はなぜ3月決算が多い?決算期の決め方と変更方法

どちらにしても、起業初年度はまるまる1年間を第一期とすることは少ないと思います。ただし、消費税の免税措置など、起業当初のメリットに事業年度が関係する制度もあるため、考慮に入れておきたいところです。

参考:
起業2期間の消費税免税は本当に得?メリットとデメリット
起業2期間きっちり消費税免税メリットを得る4つの方法

定款-5

第6章 附則

その他のことに関して記載します。

定款の設立の際に発行する株式の数

発行株式の数と1株あたりの金額を記載します。特に決まりはないためどのように設定しても良いのですが、1株あたり1,000円から10万円の間に設定するのが良いでしょう。

資本金は先に決めておくので、資本金額によって1株当たりの金額と発行株式を決定します。

参考:
株式会社設立費用の目安はいくら?資本金を決める4つの考え方

定款の最初の事業年度

最初の事業年度は、第28条の事業年度で決めた日付を参考にします。

定款の設立時取締役及び設立時代表取締役

設立時の取締役の名前を記載します。そして、記載された取締役の中から代表取締役の名前と住所を記載します。

定款-6

定款の発行人の氏名、住所、割当を受ける株式数及びその払込金額

設立時の取締役の名前を記載します。そして、記載された取締役の中から、代表取締役の名前と住所を記載します。

発起人とは起業時の株主のことです。日本では、取締役が発起人を兼ねることが多いですが、本来は別の役割を担います。資本金を出す人の名前、住所、株式数、金額を人数分記載します。

定款の最終文言

以上~の箇所は司法書士が作成している場合は、このように記載されます。

定款-7

定款の意味と提出前の実定款サンプルまとめ

最後に、日付と発起人の氏名、住所を書いて完了です。

定款作成を代行した場合は、代理人の住所、氏名、司法書士登録番号などが記載されます。

このように定款の作成はイメージよりも簡単です。

起業に難しいイメージがある方は、難しいと思う箇所を可視化してみましょう。

高いと思っていた起業のハードルが下がるかもしれません。

基本概念から学ぶ、個人事業主のメリット/デメリットと具体的な所得目安
千須和知久
監修者
千須和 知久 税理士
S55東京国税局入局、H28ちずわ税理士事務所を開業。
財務に悩む経営者(中小企業)に「しっかり寄り添う対応」を信念とする。国税局の立場と税理士の立場の両方を経験している税務業界40年の大ベテラン。法人税、所得税、相続税・贈与税、税務相談・申告、事業継承、税務調査対応など幅広業務を対応

重要:メリット/デメリットを知る前に

基本概念1:わざわざ会社(法人)を作る理由は?

多様化した今の時代、個人が収入を増やす手段は様々です。

本業の他にちょっとした副収入を作りたいなら、わざわざ会社(法人)を作る必要はありません。

例えば、インターネットで副収入を得る手段は簡単に思いつきます。アフィリエイトやネット販売を使ったり、いらなくなった洋服などのオークション販売などなど……です。

もちろんこれらのちょっとした副業のために、最初から何らかの届け出が必要になるかと言うとそんなことはありません。

少しずつステップアップしていく中で、必要に応じて「個人事業の開業届出」を税務署に申請したり、「法人登記申請書」を法務局に申請したりすれば良いのです。

但し、知っておかなければならないことは、特定の条件を満たした場合を除き、基本的に収入(所得)があれば「必ず申告をしなければならない」ということです。

そして、申告するとメリットがあるのです。

それが経費特例です。

経費としてとして認められる金額(②)が多くなれば、それだけ課税対象の所得(課税所得)が減り、納税金額が少なくなるのです。

課税所得計算式

この経費特例は、申告をしたことに対する特典であり、申告を促そうという国の政策なのです。

単純な式なのですが、事業主のメリット/デメリットを知る上では、この基本を理解していることがとても重要になります。

個人事業主として申請をする判断ポイント

申請を判断するポイントは、課税所得の式でも説明しましたが「収入(利益)」です。

収入が僅かな場合は、経費を膨らませて課税所得を小さくしても手元に残るお金は僅かとなります。
その為に、わざわざ申請手続きをして、申告をするすることは単なる労力損になってしまいます。

その為、収入が僅かな場合は、届出を行わない条件を確認し、申告を行わなくてもよい特定条件に該当するように検討します。

収入がそれなりに出てきた場合は、個人事業事業主の申請を検討します。

そして、収入の増え方を見ながら、必要に応じて白色申告から青色申告に変更します。

その方がより経費として認められる金額が大きくなるからです。

このように、「個人事業主として申請をするのか?、申告方法はどうするのか?」の判断ポイントは、収入(利益)額申請メリットの2つの要素なのです。

そして、収入が大きくなり、ビジネスが軌道に乗ったら「法人」として申請をすればよいのです。

個人事業主と法人

参考:
[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|申告所得税関係|国税庁
社長の初仕事は会社設立!起業手続きの8つの流れ
法務省:商業・法人登記申請

基本概念2:個人事業主に給料支給?

個人事業主は、収入のすべてが個人事業主のお金です。

給与を支給するという概念は、ありません。

なぜならば、「個人事業主自身は、その人そのもの」だからです。

個人事業主の給与

しかし、個人事業主でも事業をしていると配偶者(例えば妻)と仕事を手伝ってもらう、或いは子供に手伝わせるというケースは多いと思います。

この際に、妻や子供に手伝い賃として支払うお金は「給与」として扱えます。
つまり、経費になるのです。

なぜならば、事業を行う為に使った費用だからです。

法人も「人」として扱います。
この場合の「人」は法律として認められた人格を持った人です。
その為「法人」と言います。

個人事業主の申請は、税務署だけですが、法人を設立する場合は、まず、「人格としての法人」を申請する為、法務局に出します。
その後、税務署に届けるという2段階の手続きが必要となります。

その為、代表者1名しかいない会社でも会社から給与を受けるという仕組みになります。

プチ情報
会社を設立するには20万円~30万円程度の費用が必要になります。

個人事業主とは

個人事業主とは、法人を設立しないで自ら事業を行っている個人のことです。

個人事業主という名前だからといって事業主一人のみというわけではありません。家族のみ、あるいは少数の従業員で構成する小規模経営が一般的です。自営業者と言った方が馴染みやすい方もいるでしょう。

例えば、商店街の店舗、街中の飲食店、美容院、コンサルタント業なども規模によっては法人ではなく、個人事業主で営まれています。

事業を行っているという意味では個人事業主も法人と同じように思うかもしれませんが、個人事業主と法人では義務と権利が異なります。

法人のメリット、デメリットは以下を参考にしてください。

参考:
法人は個人事業主より得?会社設立のメリットデメリット

個人事業主のメリットとデメリットは、その義務と権利によって以下のものが考えられます。

個人事業主のメリット

個人事業主のメリットは、青色申告のメリットとほぼ同様です。つまり、個人事業主でメリットを得たければ、白色申告ではなく、青色申告にした方が良いということです。

以降で「なぜ、青色申告の方がメリットが高いのか」を説明します。

個人事業主のメリット1.業績によって控除額を選択できる

青色申告では、帳簿を複式簿記で管理していれば65万円、簡易簿記で管理していれば10万円を課税所得から控除できます。これを青色申告特別控除と言います。

青色申告特別控除

下記例では、1期目の赤字(12万円)を3期分で案分すると4万円で、2期目の赤字(15万円)を3期分で案分すると5万円になります。

それぞれ赤字を出した期の翌期から起算して3年間その赤字分を相殺することができます。
その為、赤字の繰り越し分が重なっている場合は、合計することができます。

その為、3期、4期では、計9万円を繰越欠損金として経費計上出来ます。

その結果、課税所得が減り、税金も安くなるという仕組みです。

複式簿記の例

借方と貸方からなる管理方法です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
雑費 10,000 現金 10,000

簡易簿記の例

下記5つの帳簿で管理します。
1. 現金出納帳
2. 売掛帳
3. 買掛帳
4. 経費帳
5. 固定資産台帳

個人事業主のメリット2.赤字は3年繰り越すことができる

日本の会計では、繰越欠損金という制度があります。簡単に説明すると、その年の赤字を申告する(損失申告)ことで、3年に渡って所得の相殺(利益との相殺)を行うことができ、納税額を抑えることができるというものです。

下記例では、1期目の赤字(12万円)を3期分で案分すると4万円で、2期目の赤字(15万円)を3期分で案分すると5万円になります。

それぞれ赤字を出した期の翌期から起算して3年間その赤字分を相殺することができます。
その為、赤字の繰り越し分が重なっている場合は、合計することができます。

その為、3期、4期では、計9万円を繰越欠損金として経費計上できます。

その結果、課税所得が減り、税金が安くなるという仕組みです。

繰越欠損金
プチ情報
法人の場合は、繰越欠損金の有効期間が10年となります。但し、平成30年4月1日前に購入した場合には9年が繰越期間となります。

個人事業主のメリット3.家族への給与を必要経費にできる

事業所得を家族(従業員扱い)に給与として支払いうことで、経費にすることが可能です。

もちろんその場合、
課税所得=収入-経費-各種引当金、準備金等

この計算式に当てはめることができるため、課税所得額は少なくなります。

課税所得計算式

なお、白色申告の場合は、配偶者への支給金額は最大で86万円が上限となります。

プチ情報
青色申告にしておくと上限はなくなります。但し事前に専従者給与の届出が必要です。

個人事業主のメリット4.30万円未満の固定資産は即時償却の経費にできる

青色申告であれば、1セットに付き30万円未満の減価償却資産は、取得した事業年度で全額を経費にできます。これを「少額減価償却資産の特例」と言います。

少額減価償却資産の特例は、その事業年度で固定資産を取得した合計額300万円を限度に損金算入できます。

少額減価償却資産の特例

個人事業主のメリット5.事業主は自宅兼オフィスで家賃や電気代の一部も経費にできる

青色申告の場合、賃貸であれ持ち家であれ、オフィス兼としていれば、家賃や光熱費などを割合に応じて経費にできます。

参考:
確定申告の青色と白色とは?個人、法人のメリットデメリット

これらに加えて、個人事業主のメリットは他にもあります。

個人事業主のメリット6.事業所得と給与所得などを合算できる

確定申告の際、給与所得、雑所得など他の所得があれば、それらと事業所得を合算して申告できます。仮に事業所得が赤字だったとしても、他の所得との合算で税金還付が多く受けられるようになります。

このメリットは、サラリーマンの副業が該当します。

サラリーマンは、給与から給与所得分の所得税が源泉(天引き)されています。

そして、年末調整で源泉された金額が多い場合は、還付される仕組みなのですが、副業で赤字が出た場合、副業の赤字分を経費として給与で得た所得から引くことができます。

その結果、課税所得が小さくなるので、給与から源泉された金額の一部が帰ってくる(還付される)仕組みです。

副業出来るサラリーマンにはとっても大きな特典です。

しかし!、「この仕組みをうまく使って、税金を小さくしよう!」と思っている方は、注意が必要です。

この制度は、副業が形だけの場合は、適用されません。

実際に副業の事業活動を行っており、その事業活動が生活収入の一部を支えている事実がないと、それは事業所得(売上)とみなされず「雑所得」扱いになります。

「雑所得」はこの制度の対象外なので、適応を受けることができません。

個人事業主のメリット7.屋号で口座管理できる

家計用のものとは別に、個人事業主の屋号で銀行口座を開設できます。家計用のものと別口座にすることで記帳が楽になりますし、事業にもメリハリが付きます。

さらに、税理士や金融機関に事業主として通帳を見せる際に、プライベートな部分が見えてしまうことを防げます。

プチ情報
「屋号」は、個人事業主が使う会社名と考えてください。但し、屋号は必須ではありません。

個人事業主のデメリット

個人事業主のデメリットも青色申告のデメリットとほぼ同様です。メリットがあるため、デメリットが許容できると考えてください。

つまりこちらのデメリットも青色申告することを前提に考えます。

個人事業主のデメリット1.税務署に申請が必要になる

青色申告をで確定申告を行いたい場合は、まず最初に「所得税の青色申告承認申請書」を最寄りの税務署に届け出る必要があります。

個人事業主のデメリット2.複式簿記での記帳が必要になる

青色申告では、損益計算書と貸借対照表の両方を作成し、決算書として毎年3月15日までに提出しなければいけません。また前述のとおり、必要帳簿類も増えるため、管理コストがかかってきます。

参考:
確定申告の青色と白色とは?個人、法人のメリットデメリット

これらに加えて、個人事業主のデメリットは他にもあります。

個人事業主のデメリット3.確定申告が毎年必要になる

「個人事業の開業届出」を提出すると、例え年間所得が20万円未満でも毎年確定申告が必要になります。

個人事業主のデメリット4.失業保険が出ない

個人事業主は自ら事業を行っているため、失業という概念はありません。そのため失業保険の給付がありません。給付を受けたければ、開業停止届か廃業届を出して、個人事業主をやめるしかありません。

個人事業主になるための所得目安は?

個人事業主にはメリット、デメリットがあるので、それらを天秤にかけて「個人事業の開業届出」を出す必要があります。判断材料の1つに所得目安があります。

下記は、事業所得別にまとめた表となります。

あくまでも目安なので、最終的には税理士に相談してください。

課税所得計算式

年間所得20万円未満

確定申告の必要もありません。

年間所得20-50万円

確定申告が必要です。毎年所得が見込まれる場合は、将来を見据えて青色申告を行っても良いでしょう。

年間所得50-100万円

青色申告でメリットを受けられる所得なので、個人事業主の申請を行っても良いでしょう。

年間所得100-500万円

2014年4月1日前までは、前々年分または前年分の事業所等の金額が300万円以下であれば、白色申告者は、記帳の義務が必要なかったのですが、法改正により個人事業主であれば記帳が義務化されました。
その為、青色申告の65万円特別控除を積極的に活用される方が良いでしょう。

年間所得500-1,000万円

500万円を超えたくらいから、会社設立を視野に入れた方が良いでしょう。

年間所得1,000万円超

個人事業主から法人に切りた方が得です。

個人事業主のメリット、デメリットと具体的な所得目安まとめ

冒頭でお話した通り、何らかの収入を得ていてもすぐに個人事業主になる必要はありませんし、ある程度継続的な所得を得るまでは個人事業主のメリットもありません。

私たちは会社を作る(法人を作る)と言うと、とてもハードルが高く、人生のすべてをかけて挑まなければいけないと思ったり、到底自分にはできないと思いがちですが、会社設立は個人事業主の延長にあるだけのものです。

そして、個人事業主も単なる副収入や何らかの雑収入の延長にあるだけのものです。

それらの違いは義務と権利です。

もちろん、少額の副収入を得ることと会社組織を経営することの難しさは全く変わりますが、「安く仕入れて、高く売る」という商売の基本は何も変わりません。

将来独立をしたいという方は、いきなり会社を辞めて独立を目指すのではなく、まずは会社に所属しながら副収入を作り、個人事業主を経て、会社設立に至るという道もあることを知っておいてください。

個人事業主が行える節税対策もしっかり押さえておきましょう。

参考:
賢く節税!個人事業主が意識すべき15の所得控除

また、起業に至るまでの考え方や起業を決意するまでの流れも押さえておいてください。起業すること、社長になることを特別なことだと思いすぎないことが大切です。

参考:
副業禁止でも大丈夫!在職中の起業準備7つのポイント
アイデアからビジネスモデルを作るたった1つの方法

千須和知久
監修者
千須和 知久 税理士
S55東京国税局入局、H28ちずわ税理士事務所を開業。
財務に悩む経営者(中小企業)に「しっかり寄り添う対応」を信念とする。国税局の立場と税理士の立場の両方を経験している税務業界40年の大ベテラン。法人税、所得税、相続税・贈与税、税務相談・申告、事業継承、税務調査対応など幅広業務を対応
副業禁止でも大丈夫!在職中の起業準備7つのポイント

在職中でも起業準備はできる!

「起業は自分には関係がない特別なこと」だと思っている方はたくさんいます。また、難しいことだと思っている方もたくさんいます。

なぜ難しいと考えるのか、その理由は、

—–
・税金の知識がないし、数字にも強くないから……
・何で売上をあげたら良いのか見当もつかないから……
・そもそも今在職中だし……
—–

私も最初は起業のことが何もわからず模索しましたし、会社を設立する方法を知るために時間を使いました。

ところが、会社設立はあなたが思っているよりも簡単です。ある程度基本的な流れと意味だけを押さえて、後は司法書士などに丸投げです。

会社設立のための知識は起業以降はほぼ使いません。

参考:
社長の初仕事は会社設立!起業手続きの8つの流れ
法人は個人事業主より得?会社設立のメリットデメリット

考えなければいけないことは、会社をどうやって続けていくかです。継続できなければ、将来の生活に影響があるかもしれません。

そこで今回お話することは、「在職中に行う起業準備のすすめ」です。在職期間を活かして、どのように起業の準備を考えれば良いのかという7つのポイントをお伝えしたいと思います。

在職中の起業準備1.商品や商売の方法を固める

「あ、これやったら絶対売れる!この商品なら儲かる!」

という考えを思いついただけで、勢いで起業してしまう方はけっこういるそうです。

そのアイデアがどれ位ニーズがあるものか、今後市場はどう推移していきそうか、これくらいは頭が痛くなる位考え、リサーチする努力を惜しまないようにしましょう。

単なるアイデアで起業してはいけません。必ずアイデアをビジネスモデルに起こしてからスタートを切ります。

参考:
アイデアからビジネスモデルを作るたった1つの方法

また、「批判されるのは当たり前!世の中にない商品だから熱意が重要なんだ!」という精神論は要りません。

もし、この考え方で起業をしたいなら、もう1つ確実に生計が立てられる商品を用意することに努めてください。

在職中の起業準備2.会社の全ての動きを知る

会社に所属しているからこそ見える部分があります。会社は必ず前衛と後衛が分かれているため、その作業内容の違いを十分理解しておきましょう。

おおまかに言うと、前衛は営業や売るための実働チーム、後衛は事務や経理、マーケティング・サポートチームなどです。

営業に自信を持っている方が起業する理由は「どんな商品でも売れる自信がある」からですが、そんな方が失敗する理由は「売ってからのフォローができなかった」ことや「お金の管理に失敗した」ことです。

営業に自信がある方は、まず自分が売った商品がどのように作られ、どのようにフォローされ、そして、どのようにお金の処理がされているのかを現在の職場で十分に理解してください。

在職中の起業準備3.繋がりをどう活かすか考える

会社を辞めて起業するからといって、それまでの繋がりを全て捨ててしまうわけではありません。

もちろん、今いる会社の顧客をどうどうと奪ってしまうことはおすすめしません。私の知り合いにも、それで揉めた方や内容証明を貰った方が何人もいます。

社則で、退職後の競合となる営業を一定期間禁止しているものはありますが、顧客を奪ってしまったり、競合営業をするだけが繋がりの全てではないはずです。

もし、起業したい商売が、現在勤めている会社の商品やサービスと被らない場合や住み分けができる場合は、今の顧客やお付き合いが最初の取引先になることは十分考えられます。

それどころか、商品によっては、今勤めている会社が一番の取引先になる可能性もありますし、反対にあなたが顧客になる組み方も考えられます。

まずは、今の繋がりがどうすれば活きるのかを考えてみましょう。

在職中の起業準備4.実販売のトライ&エラーをする

会社設立後に一番重要なことは、継続して売上を出し続けられるかです。

そのため、売りたい商品に販売のマーケティング要素、ノウハウ要素があるかを在職中にトライ&エラーしておきます。少しでも売れたものは、必ず再現性を見つけ出します。

業務外の活動なので大変ですが、在職期間を使って起業後のリスクヘッジしているわけなので、自分の時間を最大限削って手早く見極めを行いましょう。

副業が禁止されている会社に勤めている方は、

—–
・多少の期間であれば、売上発生時期を調整する(長めの掛売)
・無償でサービス提供する(起業後の約束の取り付け)
・親しい関係性の会社に顧客紹介し後で処理してもらう
—–

など、その作業によって発生した売上は計上しないように工夫しましょう。

在職中の起業準備5.リスクヘッジを考える

商売は水物です。うまくいく場合もあれば、そうではない場合もあります。

リスクヘッジを十分に考えて、必ず自分一人が今後も生活していけるだけの何らかのスキル、またはその当てを持っていなければいけません。

今まで培ったスキルがあれば、どこかが雇ってくれるという確信や社外で仲の良い社長・役職の方に相談をしておいても良いでしょう。

1人で食べていく術を持っているか?

まずは、あなた1人が何らかのスキルを持っていて、どこに行っても生活できることを自覚できた時にチャレンジしてみましょう。

参考:
あなたは社長に向いている?起業したい方へ10の質問

「そんな甘い考えではダメだ!全てを捨てて挑む覚悟でやれ!」

……言いたいことはわかります。起業した後はこの考え方でも良いですが、リスクヘッジを考えないこととは全く別物です。そんな精神論に感化されないでください。

在職中の起業準備6.事業計画書を作成する

起業をする前に必ず事業計画書を作っておきましょう。事業計画書は、売上計画も重要ですが、それよりもコスト計画の方が重要です。

必要な資金がある程度見えた段階で、それをどのように集めなければいけないかを考えることができるようになります。

税理士が土日に開催している起業相談会はありますし、個別の税理士で土日相談OKなところもあります。どちらも無料だと思います。

起業をしたい旨、事業計画書の作り方、コスト計画の立て方、お金の集め方などのレクチャーを先に受けておくと安心感が増します。

お金を集める手段とその必要性は、以下もご参考に。

参考:
その融資本当に必要?資金調達が担う5つの目的とは
簡単な事業計画書から事業資金融資の必要性を考える方法
銀行、保証協会、日本政策金融公庫の融資の違い

在職中の起業準備7.在職中に起業一歩手前まで準備する

副業が禁止されている会社は、他社への二重所属、個人での商売、現業に影響を及ぼす何らかの活動などを禁じていることが多いはずです。

そのため、在職期間中に現業に支障をきたさないように、土日祝日など自分の時間を使って起業一歩手前まで準備を進めておきます。

—–
・商売を行う商品を用意できたか
・その商品販売にノウハウを見いだせたか
・最低3年分の事業計画書を用意できたか
・必要な資本金、準備金を用意できたか
・起業に失敗したときの他の道を模索できたか
—–

ここまで準備をしていれば、後は司法書士に任せると、最短2週間後には屋号を背負って商売が開始できるでしょう。

もし、副業が認められている会社であれば、どうどうと起業してしまいましょう。ただし、今後の繋がりも考えて、現業に支障をきたさないことが大前提です。

まさか、起業準備に土日祝日を使うのが嫌だという方はいないですよね……?

在職中の起業準備に必要なポイントまとめ

「会社設立=特別なこと」だと思っている方の中には、気合を入れるために今の会社を退職してから準備を始めようという方がいますが、その必要は全くありません。

質の悪い自己啓発セミナーや質の悪い起業セミナーでは、自分を追い込むことが成功への近道だと説くそうですが、プレッシャーをかけるだけの精神論は全く不要です。

情熱は必要ですが、冷静に全体を見渡せないほど自分を追い込むことが効率的だとは思いません。在職中は、以下の2つの観点で物事を見ることができる便利な期間なのです。

—–
・社長として自分がこれから行いたいこと
・サラリーマンの目から見てやりたいことがどう見えるか
—–

人に焚き付けられて失敗をしても、炊きつけた方は責任を取ってくれません。今ある立場を最大限利用しつつ、周囲に迷惑をかけずに、自分の思いを貫く方法はいくらでもあります。

以下の質問に回答して、自分を少しずつ変えていっても良いでしょう。

参考:
あなたは社長に向いている?起業したい方へ10の質問

まずは、足下を見渡して冷静に、そして熱く次のステップに向かって踏み出してみてください。

誤解されない会社名を付ける5つの考え方

会社名を具体的に考える方法とは

以前、会社名に関する5つのルールのお話と、名前をつけるときに意識すべきIdea(アイデア)、Impact(インパクト)、Interest(興味)、Information(情報)、Impulsion(衝動)の5Iの法則のお話をしました。

会社名のルール1.会社名の前後に「株式会社」を付ける
会社名のルール2.「支社」「事業部」など部門をあらわす文字は使えない
会社名のルール3.「銀行」「信用金庫」など事業が誤解される文字は使えない
会社名のルール4.一般的に有名だとみなされる他社名は使えない
会社名のルール5.記号、アルファベット、数字など使える文字が決められている

5Iの法則とは
効果的な広告表現に必要な5要素。Idea(アイデア)、Impact(インパクト)、Interest(興味)、Information(情報)、Impulsion(衝動)の頭文字を取ったもの。

参考:
会社名を決める5つのルールとネーミングに使える5Iの法則

今回は、会社名を考える際のもう少し具体的な考え方を5つご紹介したいと思います。

具体的な会社名の考え方1.事業内容がわかりやすい

会社名に、商品名・サービス名が含まれていると事業内容がわかりやすく、「とりあえず声をかけてみよう。」「ちょっと行ってみよう。」という対象になりやすくなります。

近所を散歩すると、◯◯書店、◯◯洋菓子店など、該当する会社はたくさんあります。大手でも挙げればキリがありません。

例)タリーズコーヒー、積水ハウスなど

BtoB、BtoCに限らず、わかりやすい名前を付けることは可能です。

タリーズコーヒーはそのままコーヒーが飲める店、買える店と想像できますし、積水ハウスは単なる建築ではなく、住宅関連の建築や不動産だと想像できます。

このようなネーミングにすれば、会社名そのもの認知が営業につながります。

具体的な会社名の考え方2.読み書きしやすい

会社名は、読んだり書いたりすることが多いものなので、読み書きしやすい名前を付けることも重要です。

たとえば、英語のとVISIONですが、日本語読みをするとビジョンです。ここをヴィジョンとこだわることがプラスなのか、マイナスなのかをよく考えましょう。

ヴィジョンとこだわる場合、「領収書を書いてもらう」「契約書を作成してもらう」など文書類はヴィジョンで書かなくてはいけません。メールのやり取りをするときも、自分は良くても相手に気を使わせます。

良くないと言い切ると角が立ちますが、以下の例は誤解されたり、気を使われても仕方がありません。

良くない例)ヴィジョンなどの英語読み、中黒(・)などの記号

具体的な会社名の考え方3.省略しやすい

以前の日本の大手企業は漢字で書かれた名前が多かったのですが、東京芝浦電気株式会社→株式会社東芝の様に省略されて、それを正式名称にする会社が増えました。

英語でも同様で、正式名称は長い名前なのに、省略して英語3文字、4文字などはよく見かけます。

省略を意識してつけたり、積極的に省略した呼び方を広告の打ち出しに使うことで、親近感を与えられます。

良い例)東京証券取引所→東証、西日本高速道路株式会社→NEXCO、日本電気→NECなど

この省略名称は、ニュースでも東証、ネクスコ、NECと呼ばれているので、しっかりと定着した呼び方になっていると言えます。

具体的な会社名の考え方4.安心感が湧く

「事業内容がわかりやすい」ことは、顧客の信頼や安心感に繋がりやすくなります。

たとえ一般的な商品名やサービス名が付けられない事業体であっても、わかりやすく安心感がある名前にするためには、よく使われているフレーズも検討した方が良いでしょう。

良い例:◯◯事務所、東京◯◯、日本◯◯、◯◯グループなど

もちろん、これらの名前は会社規模に照らし合わせたときに、違和感を感じさせてしまうこともあります。

◯◯グループや◯◯ホールディングスは、そもそも複数の企業体がなければおかしいでしょうし、日本◯◯もできれば広い商圏を対象にした会社である方が良いでしょう。

そこは、努力目標込みで考える必要があります。

具体的な会社名の考え方5.他社と誤解されにくい

会社法の規制が緩くなってから、会社設立のハードルが明らかに低くなりました。

以前は誤解を与える名前は付けづらく、また、地域に同様の名前の会社がある場合はその名前は使用できませんでした。

ところが今は、大きく誤解を与えそうな名前以外はOK、地域に同様の名前の会社があってもOKです。これは逆に、チェック機関がないことを考慮しなければいけません。

つまり、安易に名前をつけたせいで、後から「◯◯さんって、お肉屋さんでしょ?」とか、電話がかかってきて「ラーメン3つお願いします。」(実際聞いた話です)ということもあります。

せめて、似た会社名が同じ商圏にあるかないか確認してから、会社名をつけた方が良いでしょう。インターネットで調べればすぐに分かります。

また、今後どのような業種でもインターネットを活用していくことになりますが、「.com」「.co.jp」で付けたいドメイン名を調べて、空いていればラッキーです。

空いているドメインはさっさと取ってしまって、自分が先だと主張できる方が後々商売に与える影響は大きくなるでしょう。

誤解されない会社名を付ける考え方まとめ

会社名が重要だと考える方もいるでしょうし、重要ではないと考える方もいるでしょう。

私は正直どちらでも良いと思います。どちらかと言うと、会社名よりも商品、サービス名を重視しているためです。

ただ、会社名を凝って1週間考えることはありませんが、適当に付けて良いものでもありません。

事業内容がわかりやすく、読み書きしやすく、省略または相性が付けやすく、安心感があり、他社と誤解されにくい要素ぐらいは含んだ会社名にするべきでしょう。

これは商品名やサービス名も同じです。より多くの顧客に接触する機会が多いBtoCであればなおさらです。

「ひねった感じがありながら、かっこ良くも見られたい!」という会社名が一番中途半端になってしまうので、気をつけてください。

突き抜けるなら、以下の会社名くらい面白いと思われる方が良い……かもしれません。

参考:
【商号】一風変わった社名を探してみました【由来】 – NAVER まとめ
変な名前の会社 – NAVER まとめ
会社名が変な会社まとめ – NAVER まとめ

私が10年気をつけてきた起業社長への7つのアドバイス

社長業で私が気をつけてきたこと

何事にも始まりがあります。たとえ大企業の社長でも、起業したばかりのころは全てが初体験です。毎日不安でどきどきしていたでしょう。

そんなときには、誰の言葉でも良いので、なんらかの方向性を示してもらい安心感を得たいはずです。

そこで、サラリーマン経験も社長経験もそれなりに長くなってきた私から、起業したばかりの新社長にちょっとしたアドバイスをしたいと思います。

……アドバイスというと偉そうに聞こえるかもしれないので「私が気をつけてきたこと」と思って聞いてもらえれば。

この手の話は色々な媒体で見たり、聞いたりするとは思いますが、敢えてそういったものは参考にせずに、自分の観点でアドバイスさせて頂こうと思います。

起業社長へのアドバイス1.1年だけ頑張ろうと思うことが大事

よく物事は3年の周期で見られますが、初めから3年間と考えると長く感じるものです。

そこで、たった1年で良いので「がんばろう」と思って下さい。何をがんばれば良いのかは次にあげていきます。

挫けそうになったら「たった1年だから」、誘惑に負けそうになったら「たった1年だから」と思うだけで良いです。

まず、1年経つまでは振り返る必要はありません。1年後を楽しみにして、「がんばろう」この言葉だけを追いかけ続けて下さい。

起業社長へのアドバイス2.とにかく毎日演技をする

起業して社長になったにもかかわらず、社長の振る舞い方がわからなかったり、自分はちょっと社長っぽくないという方は、「社長っぽく演技しよう。」と思い込んで下さい。

人と話すときにどうしたら相手に「この社長仕事できるな。」と思われるかを考えて下さい。

仕事ができる方、組織をまとめている方ほど、肩書ではなく、話し方・立ち居振る舞いなど基本的なところに気を付け、他人にもそのように見ます。

初めはわざとらしくなってしまうかもしれませんが、少し大げさに大きな声で笑ったり、話に抑揚をつけて個性を出しましょう。

そして、普段から身だしなみを整えてください。人に会う前に鏡を3分眺めてください。演技をする前には必ず準備が必要です。

心の何処かで、「本当は自分はこんな人間なんかじゃないんだ。」と思っていても大丈夫です。自分を変えるのではなく、あくまでも「演技」しているだけです。

起業社長へのアドバイス3.なんでも興味を持つことが大切

「自分は無趣味だから。」
「人に興味がないので。」

もちろん、人と接触する必要が少ない業務形態もあるでしょう。ただし、心には思っていても口にするのはやめてください。

とにかく人が話すこと・行動、全てに興味を持って下さい。自分がつまらないと思う話でも興味があると「思い込む」ように演技してください。

その際に、2点意識して欲しいのは、

—–
・質問することがないか常に意識しながら聞いたり、見たりする
・少しでも面白いと感じたら頭に刷り込む意識でオーバーリアクションする
—–

たったこれだけで、相手はあなたに興味を持ちます。そして、それが積み重なることで見られ方が変わりますし、仕事にもつながりますかもしれません。

起業社長へのアドバイス4.我流を押さえて人の話は素直に聞く

「せっかく起業したんだから自分の思い通りにやりたい!」

自分の思い通りに仕事がしたいから起業したという社長も多いでしょう。ただ、これを貫くのは相当大変です。

若手社長であれば、出会う方の多くは自分よりも年上ばかりです。

「時代が違うんだから考え方も違うんじゃないの?」と思っていても、年長者の言葉はやはり重いものがあります。先達の言葉とアドバイスを重要視して下さい。

責任が軽いのは関係者が少ない最初だけ。たとえ従業員を雇わなくても、仕事の関係者が増えれば責任はどんどん大きく重くのしかかってきます。

大きな責任を果たすには大きな力が必要です。そのためには、経営者としての確固たる哲学を持っていなければ対処できません。

そして、経営者の哲学は、たくさんの経験と先達からのアドバイスや助言の積み重ねがなければ作りあげることはできません。

世の中の俺流の方たちは、たくさんの経験と先達のアドバイスの積み重ねによって、自分なりの哲学を築いています。ワガママを通すのは、積み重ねた後でも遅くありません。

起業社長へのアドバイス5.これなら負けないというスキルを持つ

これは他の社長には負けない、あの会社には負けない、同業他社の中ならNo.1だというものを身につけて下さい。

極端な話で言うと、仕事そのものである必要はありません。顔の広さ、話の面白さ、お酒の強さ、運転、料理などなど。

不思議なことに、仕事と全く関係がない個人的なスキルであっても、人より優れていると自覚できるだけで仕事の自信につながります。

そして、それがプロフェショナルに仕事を行うための基盤になるのです。

起業社長へのアドバイス6.相手に喜んでもらう奉仕の精神を持つ

自分が相対する方が何をすれば喜んでくれるのか、それを考えて行動しましょう。

「起業したてだから、喜んでもらうよりも、とにかく売り上げを作らないと……。」

と考える気持ちもわかりますが、それでも、どうしたら喜んでもらえるかを考える姿を見せることが重要なのです。

もしも、何をしたら喜んでもらえるかがわからなければ、「何をしたら喜んでもらえますか?」と直接聞いてみてください。

起業社長へのアドバイス7.1年続けられたら自信を持って振り返る

これらのことが1年間続けられたなら、自信を持って、1年を振り返ってみてください。

次に何をしたら良いかが見えてきます。

そして、1年毎に気持ちをリセットして、もう1年これらのことが続けられるように気持ちを整理しましょう。

中小企業も必須!株主総会開催手順と終了後の手続き

株主総会は上場企業だけ?

株主総会と聞くと、上場企業が行っている企業イベントというイメージを持っている方は多いでしょう。

社長であればそう思わないはずですが、中小企業の取締役や株主の一部には自分に関係がないものと認識している方もいます。

ところが、株主総会は、株式会社であればどんな企業でも行うものです。

ではなぜ、中小企業の取締役や株主の一部で、自分には関係がないと思われているのか?

誤解を恐れずに言うと、上場企業以外の株主総会は簡略化して行うことが普通になってしまっているからです。

中小企業は社長が100%株主だったり、取締役が社長1人だけという会社はよくありますが、そうではなくても、社長のワンマン経営の場合、株主総会や取締役会はよく簡略化されています。

簡略化とは、株主総会や取締役会をやったことにして他の株主や取締役から同意だけをもらい、議事録のみを作成するというものです。

これは良いこととは言えません。本来株主がいるのであれば、形だけではなく実際に時間を設けて株主総会を行った方が良いでしょう。

もし株主が複数いないのであれば、取締役会を開き、会社経営の総括を行った方が良いでしょう。

株主総会、取締役会開催の是非はまた別途お伝えするとして、今回は、株主総会の開催手順と終了後に必要な手続きのお話をしたいと思います。

定時株主総会開催の手順

一般的な株式会社の場合、以下の手順で株主総会の開催準備をし開催後の処理を行います。

株主総会開催手順1.決算日以降に日程を決める

定時株主総会は、決算日の翌日から3か月以内に開催されることが一般的です。

ただし、これは上場企業など株主総会を外部の株主と一緒に行う場合のお話です。その他の中小企業の場合は、決算書作成、納税などがある2か月以内に行っているでしょう。

株主総会開催手順2.場所、時間、課題の設定

株主の規模によっては、株主総会を自社では行えない場合があります。そのため、株主総会の開催場所は本店所在地でなくても良いことになっています。

たとえば、本拠地が札幌で商圏が札幌の会社でも、東京で株主総会を行えます。もちろん沖縄でも。

株主総会開催手順3.招集通知の作成と送付

招集通知は、会社法299条1項により、開催日の2週間前までに発送しなければいけません。ただし、上場企業以外は、1週間前までの発送になっています。

招集通知の記載事項は以下の通りです。

—–
1.株主総会の日時及び場所
2.株主総会の目的である事項があるときは、当該事項
3.株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
4.株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
5.法務省令で定める事項
—–

さらに、招集通知には、貸借対照表などの計算書類も添付しなければいけません。

また、事前にすべての株主の同意がある場合は、株主総会の招集にかかる手続は不要です。

株主総会開催手順4.株主総会の開催

株主総会の出席する株主には、保有株数や保有時期によって議題提案権、議案提案権、通知請求権などがあり、議題に対しても、株式の議決権によって株主が参加できる決議の種類が分かれます。

ただし、中小企業にはあまり関係がないことなので、ここでは省略します。

株主総会終了後に必要な手続き

定時株主総会開催の手順にも記載しましたが、株主総会は行った事実を記録する必要があります。その上で、株主総会後に必要な手続きは以下の3つです。

株主総会後の手続き1.議事録の作成

株主総会で決議された事項を議事録に残すことは、法律で義務付けられています。議事録には、議事の経過の要領、およびその結果を記載していくことになります。

議事録の作成は社長が行う必要はありません。税理士が作成できるため、詳細は顧問税理士に聞いてください。

株主総会後の手続き2.登記事項の変更

会社の規模が大きくなるほど、新年度に登記手続きが必要な項目が増えます。たとえば、役員変更や住所変更などです。

登記事項の変更の際は、議事録を添付して変更登記手続きを行います。登記手続きは、本店所在地では2週間以内、支店所在地では3週間以内に行います。

株主総会後の手続き3.配当金の支払い

社外に株主がいる場合、配当金の支払いを決定していることもあるでしょう。

余剰金分配、いわゆる配当の決議がなされた場合は、権利確定日を記載した配当通知を株主へ送付し、権利確定日に支払い手続きを遅滞なく行います。

株主総会開催の手順と終了後の手続きまとめ

本来は、上記の手順で株主総会を開催し、議題を発表し、質疑応答をし、議事録の作成を行い、株主総会後の処理を行います。

冒頭で、株主総会を簡略化できるといったのは、

—–
・中小企業には関係者が少ないため口頭で議題の確認ができること
・そもそも株主が社長しかいないため、総会の必要がないこと
—–

となどが挙げられます。

このような体制は、非常に便利でコストがかからないメリットもありますが、社内に不満が溜まりやすく、経営者の代替わりなどの大きな変革の際に、会社の存続にかかわる事態に発展してしまうこともあります。

全ての手順を正式に踏んで株主総会を行うかどうかは、会社の規模によりますが、せめて株主に必要な手順と必要な手続きは押さえておいてください。

同じように、複数の取締役がいるにもかかわらず取締役会を開かない中小企業はたくさんあります。

もし、定常的に取締役会を開かない体制を作ってしまっている場合、後々リスクが発生することがあります。

社長の権限において取締役会を行わない場合のリスクは、決議事項が、無効になってしまう可能性があることです。

中小企業において特に重要な事項には、利益相反取引の許可や競業取引の許可などがあります。

つまり、社長が好き勝手なことを取締役会の承認を得ずに行っていた場合、代替わりした際に、会社の利益に反することをしたという理由で、裁判にまで発展することもあるのです。

参考:
議事録だけはNG!取締役会と株主総会を行わないリスク

これらのリスクは、社長の代替わりや倒産の危機に陥った場合に顕在化するだけでなく、最悪取締役全体の責任問題にまで及ぶ可能性があります。

経営責任のメインは賠償責任です。取締役に賠償責任が発生するのは、以下の2つの場合です。

—–
1.その取締役が、職責を全うせず顧客等に損失を与えた場合
2.その取締役が、悪意や重大な過失で損害を与えた場合
—–

もちろん、大きな企業であるほど売上金額は大きくなるため、連帯責任における賠償も高額になり場合があります。

参考:
社長や取締役の経営責任とは?損害賠償責任と連帯責任

このようなリスクを回避するためにも、開催が義務付けられている株主総会・取締役会は正式な流れに沿って開催し、後々のリスクを作らないように十分注意しておきましょう。

主婦はパートと個人事業主どちらが得?扶養、国保、社保問題

主婦のパートと起業はどっちが得?

パートをしている主婦であればもちろん、専業主婦の方なら収入103万円の壁と130万円の壁という言葉は聞いたことがあると思います。

働く主婦は生活をしていく上で、夫の扶養家族であるかどうかが重要な問題です。そして、その条件が変わる収入が、103万円と130万円に設定されています。

それぞれの条件と扶養の中身は後ほどご紹介するとして、たとえば、主婦がパートではなく個人事業主になった場合、扶養はどうなるのでしょう。

また、法人になった場合、扶養を選べるのか、または国民健康保険・社会保険のいずれかに強制加入になるのかご存知でしょうか。

主婦が一念発起して、起業をするケースが増えている昨今、当人の主婦だけでなく夫の立場でも絶対に知っておくべきお話でしょう。

今回は、主婦が起業した場合の扶養、国保、社保についてお話したいと思います。

働く主婦の103万円の壁と130万円の壁

旦那はサラリーマン、妻はパートという家庭は多いはずです。

多くの主婦が旦那の扶養家族になっていますが、扶養家族になる条件として、パート年収には103万円と130万円の壁があります。

年収103万円未満の場合

妻のパート年収が103万円未満の場合、「基礎控除」+「給与所得控除」の合計額が103万円になるため、確定申告や年末調整によって支払った所得税が全額戻ってきます。

確定申告や年末調整はパート先で行ってくれるものなので、特に意識する必要はないでしょう。

年収103万円~130万円の場合

妻のパート年収が103万円~130万円の場合、以下の所得税が発生します。

所得税=年収-103万円×10%

仮に年収115万円の場合、1万2千円の所得税で手取りは113万8千円ということになります。

この場合、扶養者の「配偶者控除」は対象外になりますが、「配偶者特別控除」が適用されます。配偶者特別控除は以下をご参考に。

配偶者特別控除の要件
納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下、かつ、配偶者の合計所得金額が38万円超76万円未満の場合に、配偶者の所得金額に応じて認められるものです。

—–
・配偶者の収入が103万円超141万円未満の場合に配偶者特別控除の対象となる
・配偶者特別控除は夫婦の間で互いに受けることはできない
・配偶者控除と配偶者特別控除を同時に受けることはできない
—–

参考:
賢く節税!個人事業主が意識すべき15の所得控除

年収130万円以上の場合

妻のパート年収が130万円を超えてしまうと、夫の扶養家族扱いではなくなってしまいます。

そのため、所得税、住民税に加えて、国民健康保険の加入が義務付けられます。つまり、健康保険料と国民年金保険料を支払わなければいけません。

健康保険料は自治体によって違いますが月額5,000円程度、国民年金保険料は15,000円程度の負担になります。年間で合計24万円もの負担増です。

つまり、年収が130万円~150万円になるまでがんばって働くくらいなら、1~2か月ほど働かず休んでしまった方が得だということになります。

※平成28年10月から、一部の大企業で働く場合に限り、被扶養者の認定基準が年収106万円未満に引き下げられます

主婦が個人事業主になった場合

では、主婦がパートではなく個人事業主になった場合、どのように考えれば良いでしょうか。

年収103万円未満の場合

パート主婦の場合、年収103万円未満は次のように考えました。

基礎控除38万円+給与所得控除65万円=103万円

つまり、扶養による控除があるため、103万円未満は税金がかからないという考えです。

これに対して、個人事業主の場合は、給与所得控除の65万円が青色申告控除の65万円と置き換わります。

基礎控除38万円+青色申告控除65万円=103万円

結果としては、どちらも同じになります。ただし確定申告を青色でしないと控除額が減ってしまいます。ちなみに、年収103万円未満であれば扶養を外れることはないので保険料を払う必要はありません。

年収103万円~130万円の場合

こちらも考え方や計算方法は同じなので割愛します。

年収130万円以上の場合

パートの考え方と同じく、国民健康保険に加入しなければいけません。

というわけで、パートでも、個人事業主でも、保険や所得税に対する基本的な考え方は同じだということです。

個人事業主になるその他のメリットやデメリットはこちらをご参考に。

参考:
個人事業主のメリットデメリットと具体的な所得目安

主婦が法人代表になった場合

では、個人事業が大きくなり「これは株式会社化した方が税金的に得だな。」となった場合、どのように考えれば良いのでしょうか。

この場合、仮に代表取締役の役員報酬を年間103万円未満にしても、夫の扶養家族になることはできません。

法人を作った時点で社会保険の加入は義務です。社会保険の詳細と計算方法はこちらをご参考に。

法人における社会保険の適用義務
雇用保険:法人雇用はアルバイト、パート問わず義務、ただし法人の代表者は加入することができない 
労災保険:法人雇用はアルバイト、パート問わず義務
健康保険:法人雇用は義務、パートは時間等によって義務
年金保険:法人雇用は義務、パートは時間等によって義務

参考:
会社負担は社員給与の15%!社会保険料シミュレーション

つまり、せこい節税や保険料の削減は行えません。個人事業主から法人成りする場合は、その辺りもよく考えて行ってください。

合わせて、社会保険未加入時のデメリットも押さえておきましょう。

社会保険未加入のデメリット1.最大2年の追徴金
社会保険未加入のデメリット2.法的な罰則がある
社会保険未加入のデメリット3.人材採用が困難
社会保険未加入のデメリット4.ハローワークで求人できない
社会保険未加入のデメリット5.関係者からの損害賠償請求

参考:
社会保険未加入は80万社!会社が被る5つのデメリット

サラリーマンである夫が脱サラして法人を立ち上げることと、夫がサラリーマンのまま主婦が法人代表になることは考え方が違うということになります。

主婦の起業で扶養、国保、社保はどうなる?まとめ

最近は本当に個人事業主が増えました。もちろん、主婦が副業から個人事業主になるケースも多いはずです。

そのため、今回ご紹介した主婦の起業のお話は全く珍しいものではなく、割とよくある話だと思った方が良いでしょう。さらに今後増えるはずです。

もちろん基本的には、起業や法人成りの目的が税金や「保険料のちょっとしたお得のために行う」という考え方は間違っています。

節税などに注力するぐらいなら、法人の売上を高める努力をした方がよっぽど実入りは増えるはずです。

個人事業主になったり、法人成りするためのざっくり目安は以下に記載してあるので参考にしてください。

個人事業主になるための所得目安は?
年間所得20万円未満
年間所得20-50万円
年間所得50-100万円
年間所得100-500万円
年間所得500-1,000万円
年間所得1,000万円超

参考:
個人事業主のメリットデメリットと具体的な所得目安

副業から起業に繋がる!在宅ワークのメリットデメリット

在宅ワークとは

個人事業主にしても、株式会社にしても、以前に比べて起業しやすくなりました。

また、事業の営み方も、必ずしも仕事場として事務所を用意するスタイルではなく、自宅で登記して自宅で仕事を行う方が増えています。

この自宅で行う仕事のスタイルを「在宅ワーク」と言います。在宅ワークの業務内容はさまざまです。

例えば、文書入力、デザイン DTP、翻訳、テープ起こし、システム設計、ホームページ作成、プログラミング、データ入力、設計・製図、テレワークなどなど、様々な業務が自宅で行えます。

これは、副業の認知が増え、在宅ワークをする方(在宅ワーカー)の地位が向上したことともに、パソコンを使ってできる業務が多くなったためです。

平成20年度、厚生労働省が行った「在宅就業調査報告書」によると、2008年時点の在宅ワーカーの数は123万5千人、内訳は専業の在宅ワーカーが87万2千人、副業の在宅ワーカーが36万3千人と年々拡大しています。

副業でもそうですが、専業になると多くの方が在宅ワークをする過程で個人事業主の申請を行います。

事業主になる最低限の目安としては、確定申告が必須な20万円以上の所得が見込める場合です。20万円以上の所得とは、収入目安で言うと年収60万円~程度でしょう。

個人事業主になるための所得目安は?
年間所得20万円未満
年間所得20-50万円
年間所得50-100万円
年間所得100-500万円
年間所得500-1,000万円
年間所得1,000万円超

参考:
個人事業主のメリットデメリットと具体的な所得目安

つまり、何らかの仕事を開始して売上が伸びていくようであれば、副業在宅ワーカー、専業在宅ワーカー、個人事業主、株式会社という風に、誰でも抵抗なくステップアップして起業に至る環境が整いつつあるのです。

では、在宅ワークのメリットやデメリット、注意する点はどのようなことでしょうか。

在宅ワークのメリットとデメリット

在宅ワークのメリット

在宅ワークの1番のメリットは、パソコンとインターネットがあればどこでも仕事ができることです。

—–
・自分のペースで働くことができる
・家事、育児、介護と仕事が両立できる
・仕事を選べる、自分が得意な専門分野の仕事ができる
・自分がやった分に対して成果が支払われる
・通勤時間が必要ない
・自宅開業なので、事務所コストなどがかからない
—–

在宅ワークのデメリット

在宅ワークはメリットとデメリットが表裏一体です。会社員であれば、家庭と仕事場は切り離して考えるのですが、在宅ワークの場合は、生活スペースの中に業務スペースがあります。

—–
・スケジュールがタイトになると自分の時間がなくなる(会社の制度に守られない)
・家事、育児、介護が忙しいと、仕事に手が付かない
・自分ができる仕事以外は行えない
・働かなければ成果が支払われない
・外に出かける時間が減り、気持ちの切り替えが難しい
・自宅開業なので、信用面などに問題がある
—–

上記デメリットとメリットを比べてみるとわかりますが、それぞれ表裏一体になっているため、メリットを多くできるかどうかは全て自分次第だということです。

なるべくストレスが無い在宅ワークを行うためには、計画立てて効率的な仕事の進め方をしたり、自宅だからこそ仕事と生活にメリハリをつけた環境を作っていかなければいけません。

在宅ワーカーが仕事をする際の注意点

在宅ワークには、メリット、デメリットとは別に、仕事をしていくうえでの注意点があります。

注意点は大きく分けて2つのケースがあります。

—–
・今まで会社に勤めていた方が退職して在宅ワーカーになるケース
・今まで専業主婦やパートで扶養家族だった方が在宅ワーカーになるケース
—–

在宅ワークの注意点1.社会保険

これまで会社員だった方は会社で社会保険に加入していましたが、退職すると国民健康保険に加入しなければいけません。

また、扶養家族であった場合、在宅ワークで収入が増えるに従って、条件により自分で健康保険や社会保険に加入しなければいけません。詳細は以下をご参考に。

参考:
主婦はパートと個人事業主どちらが得?扶養、国保、社保問題

在宅ワークの注意点2.老後の年金

会社に勤めていた方が退職して在宅ワーカーになる場合、国民健康保険に加入することになりますが、厚生年金(社会保険)と比べると老後にもらえる年金額は少なくなります。

そのため、国民健康保険で長く続けることが予想される場合は老後の備えを考える必要があります。

つまり、事業プランだけではなく、ライフプランも考えたうえで在宅ワークに臨まなければいけません。

在宅ワークのメリットとデメリットまとめ

在宅ワークは今後の生活スタイルを大きく変えてくれる働き方の1つです。

そのため、特別なスキルを持っている方であれば、これまでの会社勤めよりも肉体面・精神面、もしかすると、金銭面までが充実する可能性があります。

とは言え、たとえ個人事業主であっても、1人だけの法人であっても、社長であることに代わりはありません。

起業してしばらくは収入が少ないこともあるでしょう。
スキルアップのための支出がかさむこともあるでしょう。
軌道に乗るまでは自分の時間を全て費やすこともあるでしょう。

これまでのように会社に縛られることがない分、また、主婦というレッテルではなく事業主を名乗る分、それなりの責任は生じます。

今まで以上にお金と時間のバランスを大切にして、事業の収支計画・事業計画だけでなく、新しいライフプランや家計も含めたキャッシュフローを作るなど十分な準備をしておきましょう。

法人口座は必須?開設の注意点と必要なもの

法人口座は必要なのか

社長が会社設立後に行うことの1つが法人口座の開設です。

法人口座とは会社の取引において利用する銀行など金融機関の口座のことで、その名義は個人ではなく「株式会社◯◯◯◯」などの法人名義になったものです。

もちろん法人口座は会社を設立したからといって勝手に作られるわけではなく、社長自ら金融機関に申請して口座開設しなければいけません。

「何だかめんどくさい……。法人口座って作らなきゃダメ?」

必要か不必要かで言えば必要ですが、作らなきゃダメかと言われれば「個人口座でも管理さえできれば問題ない」というのが回答です。

なぜ法人口座が必要なのでしょうか。また、法人口座がないことによるデメリットは何でしょうか。

今回は法人口座の必要性と法人口座開設時の注意点をお話したいと思います。

法人口座の必要性

なぜ法人口座が必要なのか、メリットとデメリットを交えて見ていきましょう。

法人口座の必要性1.金融機関との交渉

前述した通り法人口座がなければ会社経営ができないというわけではありません。

ただし、個人口座のままでは金融機関は対法人取引とは見てくれないため、融資などで金融機関と交渉する際にデメリットになる可能性はあります。

法人口座の必要性2.取引先に対する信頼

取引先が大手の場合、また、コンプライアンス上個人事業主との取り引きを行っていない企業の場合、法人口座がないと取り引きが行えない可能性があります。

確かに私も相手が個人事業主だと最初から認識していれば、個人口座ということも折り込んでお付き合いするのですが、相手が法人なのに個人口座に振り込みをすることには抵抗があります。脱税……?と考えられても変ではありません。

法人口座の必要性3.税務署に対する見られ方

法人として経営をしているにもかかわらずキャッシュの流れが個人口座しかない場合は、税務署に目をつけられても仕方がないでしょう。

「法人と個人は別人格である。」ということが法人設立の大前提です。そのため、個人口座でしかキャッシュがやり取りされていないということは、法人と個人を混同しているとみなされるかもしれません。

法人口座の必要性4.法人と個人の区別意識

上記通り、法人と個人は別人格です。そのため法人口座がないと税金対応、給与対応、資本金管理、売上管理、払込処理などの行為にかかわる方全員から「なぜ個人口座なの?」と思われるということを認識しましょう。

また、社員を雇って経理業務を任せた際に個人名義の口座を取り扱う行為は、たとえ社員であっても嫌だと思ってください。

法人口座開設に必要なもの

法人口座の開設は個人口座と違い、誰でもWELCOMEではありません。金融機関は詐欺などに使われやすい休眠会社や架空口座を警戒するため、ある程度信頼できる裏付けの提示を求めてくる場合があります。

そのため、法人口座開設にあたって注意しなければいけないことを押さえておきましょう。

1.法人口座開設手続きに必要な物

—–
・履歴事項全部証明書
・会社実印
・銀行届印
・運転免許証など
—–

上記4点は法人口座開設に必要なものです。複数の金融機関を周るために、履歴事項全部証明書は複数枚+アルファを用意しておきましょう。

また、運転免許証は本人確認のために必要です。持っていない方は保険証など代わりのものを用意してください。

2.法人口座開設審査にあると良いもの

—–
・代表者印鑑証明書
・法人設立届出書の控え
・事務所の賃貸契約書
・名刺
・会社案内
・ホームページ
・事業計画書
—–

代表者の印鑑証明書、法人設立届出書、事務所の賃貸契約書は、都市銀行や一部の地方銀行から提出を求められます。これはその金融機関が、実態がある法人だということを裏付けるために必要だと考えている書類です。

名刺や会社案内、ホームページも同様です。これらは理屈ではなく、その金融機関が必要だというなら用意しなければいけません。

3.心象を良くする社長自身の心構え

法人口座は社長自身が金融機関の支店に行き、窓口で法人口座開設の申請を行う必要があります(実店舗の場合)。もちろん会社の代表として恥ずかしくない服装で金融機関に行くようにしましょう。

また、金融機関によっては事業内容の説明を求められる場合もあります。つまり、会社設立後初めてのプレゼンを行うかもしれないのです。

クライアントではないのでそれほど丁寧に説明する必要はありませんが、練習のつもりで事業説明を行い、何らかの意見を求めても良いでしょう。

法人口座開設で金融機関が確認するポイント

法人口座の開設は事業準備であり仕事ではありません。ただの準備不足で何度も金融機関に行ったり、そもそも金融機関の心象を悪くしてしまうと時間を無駄に使ってしまいます。

そこで、金融機関(主に都市銀行と一部の地方銀行)が法人口座申請に対してどこを見ているのかポイントを押さえておきましょう。

金融機関の確認ポイント1.事務所の場所

都市銀行ではどこで事業を営んでいるかを重視します。事務所が賃貸事務所であれば、賃貸契約書の提示を求められることも普通です。

自宅はまだ良いのですが、バーチャルオフィスやそもそも登記場所が他の都道府県であるなど事務所の住所がわかりにくい場合は、法人口座開設を断られる可能性があります。

金融機関の確認ポイント2.会社の事業目的

「あれもできるこれもできる。」と定款に主業務以外の事業目的を多く書くと、金融機関に不信感を持たれてしまう可能性があります。

重要なことは、金融機関に対して実業を明らかにできることです。そのため、営業資料や事業計画書、ホームページなど事業実態が明確にわかる資料を用意しておきましょう。

金融機関の確認ポイント3.資本金の額

最近は「1円で会社が設立できる!」と声高に言われることはなくなりました。確かに会社法上では1円株式会社の設立は可能ですが、会社経営を行うには非現実的ですし、信用力も圧倒的に低いと思ってください。

もちろん金融機関も例外ではなく、資本金の額が低すぎると法人口座開設を断られる可能性があります。

また、金融機関によっては法人口座開設の資本金最低額が設定されている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

金融機関の確認ポイント4.固定回線の有無

「固定回線なんてなくてもいいやー。」

と一般家庭ののりで法人口座を申し込むと断られる可能性が高くなります。法人口座開設で重要なことは、その会社がちゃんと存在していて実業を営んでいるかどうかです。

固定回線の有無が法人口座開設要件の1つに設定されている金融機関もあります。

金融機関の確認ポイント5.創業者の経歴

法人口座を開設するということは、今後金融機関対法人の取り引きが始まるということです。

その際、社長であるあなたの経歴や人となりは、大切な確認ポイントになります。万が一反社と繋がる人物の法人口座を開設してしまったら、その金融機関にとっての命取りになってしまいます。

法人口座開設の注意点と必要なものまとめ

法人口座開設の注意点やポイント、必要なものは、金融機関によって変わる場合があります。

会社案内、ホームページ、事業計画書などの事業紹介ならまだしも、社長の経歴まで「なぜ金融機関に話しなきゃいけないの?」と思うかもしれません。

ただ、会社を設立し社長になるということは、あなたが作った会社が市場と取り引きを行うということなので、半公人になるようなものです。

情報を開示することにあまり神経質にならず、会社を設立して最初に事業内容のプレゼンや自分のプレゼンを第三者目線で見てもらえる素晴らしい機会をもらえたと前向きに考えた方が良いですね。

社長や役員が労災保険、雇用保険に加入する方法はあるのか?

社長と役員の雇用保険

社長や取締役は労災保険や雇用保険に加入できないということを知っていますか?

世間一般的に認識されている社会保険とは「雇用保険」「労災保険」「健康保険」「厚生年金保険」の4種類を合わせた総称のことです。

 

社会保険とは

もちろん会社を設立した場合、社長一人の会社であっても社会保険の加入は義務なのですが、社長は健康保険と厚生年金保険にしか加入できません。

まさか「余計なお金払わなくて良いからラッキーじゃん!」とは思ってないですよね?

健康保険と厚生年金保険にしか加入できないということは、倒産や廃業をしてもハローワークで失業手当をもらうことはできません。もし業務内で怪我をしても労災保険は降りません。

そのため私は、加入できるものなら労災保険や雇用保険に入りたいのです。特に雇用保険……。

さて、一般的には社長は労災保険・雇用保険に加入できないのですが、どうにかして加入する方法はないのでしょうか。また、社長以外の取締役も労災保険や雇用保険に加入することはできないのでしょうか。

自分の将来にかかわることなので、少しでも有利になる情報は握っておきたいはずです。

そこで今回は、社長や取締役が労災保険・雇用保険に加入することができるのかをお話していきたいと思います。

社長は労災・雇用保険に加入…できない

いきなり結論を言ってしまいますが、社長が労災保険・雇用保険に加入する方法はありません!

社長は労災入れない

ところが、まれに労災保険・雇用保険に加入してしまっている社長もいます。それは、中小企業で社員から社長になった方です。切り替え忘れということですね。

もし間違って加入したままの社長は、本来労災保険・雇用保険の加入資格がないため、過去に遡って資格喪失届の手続を行わなければいけません。なぜなら支払っている事実があると、労災保険・雇用保険が適用されてしまうからです。

また、社長であることを伏せて失業保険を受給すれば不正受給になってしまいます。

では社長以外もやはり労災保険・雇用保険に加入する方法はないのでしょうか。

労災保険・雇用保険に加入できない人のことを「適用除外者」といいます。適用除外者は以下の該当者が法律で決まっています。

—–
・法人の代表者
・代表取締役、合名会社などの代表社員
・株式会社の取締役
・個人事業主
—–

労災保険と雇用保険は被雇用者に適用される保険です。そのため、上記通り一般的には雇用者の立場である取締役も労災保険・雇用保険に加入することはできないのです。

ところが、代表権を持たない取締役には例外が存在します。それが「兼務役員」です。

兼務役員なら労災・雇用保険に加入できる

取締役の中でも「兼務役員」であると認められれば、労災保険と雇用保険に加入することができます。

兼務役員とは、簡単にいうと労働者性を伴った役員(ここでは取締役とする)です。例えば役職名をつけるとすると、取締役兼営業部長などが該当します。

兼務役員の労災保険と雇用保険

取締役は本来経営をすることが主業務です。そのため、現場で実業に勤しむ中小企業の取締役は形的にはほとんどが兼務役員であり、純粋な取締役の方が少ないでしょう。

では兼務役員と認められるためには何が必要でしょうか。届出書類やその他提出書類は以下の通りです。

—–
・雇用保険被保険者資格取得届
・過去3か月分の出勤簿・賃金台帳※1
・取締役就任を明記した議事録※2
・登記簿謄本
・就業規則
・労働者名簿
・兼務役員雇用実態証明書※3
—–

※1.役員報酬と従業員給与が分かれて支給されている証明や出勤簿などが必要です。
※2.兼務役員の就任、または変更を記載した議事録を作成し、役員報酬と給与の割合について記載しなければいけません。
※3.兼務役員雇用実態証明書はハローワークかネットで取得して下さい。以下は、東京ハローワークの兼務役員雇用実態証明書です。

参考:
東京ハローワーク「兼務役員雇用実態証明書」

兼務役員の労災保険と雇用保険の注意点

兼務役員の労災保険と雇用保険は、従業員と同じ権利ではありません。以下のことに注意しましょう。

—–
1.雇用保険と労災保険の対象となるのは従業員給与の部分のみです。
2.労災事故が起こった際、役員業務執行中であれば保険給付されないことがあります。
3.年度更新時にも従業員給与の部分のみを計算しなければいけません。
—–

また、出勤簿や賃金台帳を以って証明できれば、過去に遡って兼務役員として労災保険・雇用保険に加入することが可能です。

社長や役員、個人事業主も加入できる雇用保険

さて、社会保険では社長や個人事業主は雇用保険に加入できませんが、それでは不安なはずです。そこで、雇用保険の代わりになる手段を検討しておきましょう。

雇用保険の最も大きな助けは、失業の際に給付金をもらえることです。つまり、何らかの理由で退職を余儀なくされた場合です。

そこで、雇用保険の代わりに「小規模企業共済」の活用を検討しましょう。

参考:
中小機構:小規模企業共済: 小規模企業共済

小規模企業共済とは、独立行政法人中小企業基盤整備機構が提供している共済制度のことです。個人事業をやめたとき・会社を退職したとき・廃業をしたときのために、その後の生活資金等を積み立てておくことができます。

小規模企業共済とは

小規模企業共済に関してはまた別途詳細を説明したいと思います。

ちなみに、中小企業基盤整備機構は以前「倒産防止共済」でもご紹介しています。「小規模企業共済」も「倒産防止共済」も使い勝手が良い共済なので、うまく活用すると良いでしょう。

参考:
最大8000万円融資!倒産防止共済|経営セーフティ共済とは

社長や役員、個人事業主も加入できる労災保険

次に、社長や個人事業主が労災保険の代わりに加入できる保険制度はどのようなものがあるでしょうか。

ある一定の条件を満たした場合に、労働保険事務組合が行う「労災保険の特別加入制度」を利用することができます。

労災保険の特別加入制度

参考:
一般社団法人 全国労働保険事務組合連合会

労災保険の特別加入制度の条件

労災保険の特別加入制度に加入できる業種は以下の通りです。それぞれ厚生労働省からしおりが出ているので参考にしてください。

—–
1.中小事業主とその事業に従事する人(第1種特別加入者)
2.一人親方その他自営業者とその事業に従事する人(第2種特別加入者)
3.特定作業従事者(第2種特別加入者)
4.海外派遣者(第3種特別加入者)
—–

参考:
特別加入制度のしおり(中小事業主等用)|厚生労働省
特別加入制度のしおり(一人親方その他の自営業者用)|厚生労働省
特別加入制度のしおり(特定作業従事者用)|厚生労働省
特別加入制度のしおり(海外派遣者用)|厚生労働省

労災保険の特別加入制度の保険料

保険料も業種ごとにそれぞれのしおりに掲載されています。

この制度を使った特別加入者は労働者と違い賃金がないため、「特別加入保険料算定基礎額表」というものがあり、その表によって「給付基礎日額」を基礎とした保険料を算定することになります。

労災保険の特別加入制度の加入方法と加入範囲

加入方法について、原則としてそれぞれの事業ごとに加入する必要があります。

また、事業主本人のほか家族従事者など労働者以外で業務に従事している人全員を包括して特別加入の申請を行う必要がありますので、
検討する方は覚えておきましょう。

労災保険の特別加入制度の特徴

同じ労災保険と言っても、労働者と特別加入者にはいくつかの違いがあります。

1.通勤災害について
個人タクシー、個人運送事業者、個人水産業者などは、業務と通勤の判断が明確ではないため、通勤災害に関する保険給付が行われません。

2.給付基礎日額について
労働者の場合、給付基礎日額は平均給与月額から求められますが、特別加入者は自分の希望する給付基礎日額を決めて、それに応じた保険料を支払います。

3.保険給付について
労働者は、休業補償給付の支給要件に「賃金を受けないこと」がありますが、特別加入者は賃金を受けることは問題ありません。


労災保険に関しては業種によっては組合があり、共済のような形で独自の運営を行っている場合もあるため、加入できるものがないか調べてみると良いでしょう。

これらの情報は地域の商工会議所で集約していることが多いため、まず初めに該当するものがないかを確認してみてください。

社長や役員、個人事業主の労災保険、雇用保険加入方法まとめ

今日本では経済活性化のために、個人事業主や法人の設立を積極的に後押しする流れがあります。もちろん資本主義社会では、個人が意識して独自の経済的自立手段を持つことは良いことだと思います。

ところが、経済活性化を積極的に進めている割には、事業主が失敗してしまった時のセーフティネットは充実していません。

私は、「何でもかんでも失敗した事業主を国が救え。」という風には思っていません。

個人事業主や法人設立を国が進めたいのであれば、せめて独立行政法人や准民間の保険制度・共済制度を知る機会を与えるべきではないかということです。

個人事業主や社長がそれらに加入する・しないということは独自の判断ですが、制度の告知を行い、勉強会を開くことくらいはできるはずです。法人を作るためには勉強会参加を義務付けても良いくらいだと思います。

個人事業主や社長は特別な存在ではありません。助けが必要なときもあります。

「知らないことは罪」なのか「知ろうとしないことは罪」なのかはわかりませんが、社長や個人事業主を助けるための制度が世の中に存在することは知っておいてください。

社長1人でも必要?社会保険の加入手続き方法

社長1人でも社会保険は必要?

社長が1人で会社(法人)を設立することはよくあることです。さてここで問題です。

「社長1人の会社は社会保険に加入しなければいけないでしょうか?」

……正解は「社長1人の会社でも社会保険は強制加入」です!

現在は法人の場合、社長1人の会社でも社会保険の対象になりますが、以前は雇用保険・労災保険に入れば、残りは国民年金・国民健康保険の加入でも認められていました。

その名残なのか、今も社会保険ではなく国民年金のままで済ませている中小企業は多いと聞きます。

これまで何度も社会保険に関する話はしてきましたが、現行の法律に背いて社会保険未加入で会社経営を行うことはあまりにもリスキーです。

社会保険未加入のデメリット1.最大2年の追徴金
社会保険未加入のデメリット2.法的な罰則がある
社会保険未加入のデメリット3.人材採用が困難
社会保険未加入のデメリット4.ハローワークで求人できない
社会保険未加入のデメリット5.関係者からの損害賠償請求

参考:
社会保険未加入は80万社!会社が被る5つのデメリット

そこで今回は、会社設立において必須な社会保険の加入手続きの方法について詳しくお伝えしたいと思います。

会社を経営していくなら雇用の検討はするはずです。仮に社会保険加入手続きを社会保険労務士に任せるとしても、ある程度内容は知っておいた方が良いでしょう。

最初から社労士を使うという方も少ないと思いますので。

社会保険加入の条件とは

社会保険に加入する場合、自社が「強制適用事業所」なのか「任意適用事業所」なのかをまず確認して下さい。

社会保険強制適用事業所とは

強制適用事業所とは、意思に関係なく社会保険に加入しなければならない会社(事業所)のことです。強制適用事業所は、次のいずれかに該当する事業所を言います。

—–
・適用業種で従業員が5人以上の個人事業主
・業種、従業員数に関係なく法人
—–

法人の場合は、従業員数に関係なく全て社会保険に強制加入です。個人事業主の場合は、社会保険適用業種、かつ5人以上の場合は強制加入です。ちなみに、適用業種とは法定16業種と呼ばれる以下の業種のことを指します。

—–
製造・加工・包装・修理又は解体等(製造業)
土木・建築その他の建設・解体等(土木建築業)
鉱物の採掘・採取(鉱業)
電気・ガス等の発生・供給(エネルギー業)
運送業
貨物荷役業
焼却・清掃・屠殺業(小売・卸売業)
金融保険業
保管賃貸業
媒介斡旋業
集金・案内・広告業
教育・研究・調査業
医療
通信・報道業
社会福祉・更生保護事業
—–

社会保険任意適用事業所とは

任意適用事業所とは、社会保険に加入する権利を持った会社(事業所)のことです。年金事務所の許可(厚生労働大臣の認可)を受ければ健康保険・厚生年金保険に加入できます。

非適用業種に該当する個人事業主、または従業員が5人以下の個人事業主が任意適用事業所になります。非適用業種は以下の業種です。

—–
第一次産業(農林水産業)
理美容業・旅館・飲食・クリーニング等(サービス業)
社会保険労務士、弁護士、税理士等(士業)
神社、寺等(宗教業)
など
—–

ただし、任意適用事業所が一旦社会保険に加入すると社長の意思で勝手にやめることはできません。

社会保険の加入手続き方法

社会保険の加入手続きには、各種届け出書類と添付資料が必要です。各種届出書類と添付資料は、社会保険加入義務の事実発生から5日以内に行います。

また、書類の提出先は実際に事業を行っている事業所の所在地を管轄する年金事務所に、電子申請、郵送、窓口持参のいづれかで提出します。

社会保険加入に必要な書類

—–
・健康保険・厚生年金保険新規適用届
新規に健康保険・厚生年金保険に加入するときに必要
・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
社会保険加入者(被保険者)の資格届けのために必要
・健康保険被扶養者(異動)届
家族を被扶養者にするときや変更する時に必要
—–

必要な書類は以下の日本年金機構サイトからダウンロードできます。

参考:
健康保険・厚生年金保険新規適用届:エクセルPDF記入例
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届:エクセルPDF記入例
健康保険被扶養者(異動)届:エクセルPDF記入例

社会保険の届出書類1.健康保険・厚生年金保険新規適用届

健康保険・厚生年金保険新規適用届は、初めて社会保険に加入する際に必要な書類です。法人は社会保険加入は義務であるため、会社設立後すぐにこの届出を提出しなければいけません。

上記「健康保険・厚生年金保険新規適用届」をダウンロードして、記入例を参考に必要事項を記入します。

必要な添付書類や情報

必要な添付書類とその他情報は法人と個人事業主で違います。

—–
法人の場合
・商業謄本の原本(ネットではなく法務局のもの)
・事業所所在地の確認できるもの(事業所の所在地が登記上の所在地と異なる場合のみ)

個人事業主の場合
・代表者の住民票謄本(世帯全員)の原本
・事業所所在地の確認できるもの(事業所の所在地が登記上の所在地と異なる場合のみ)
—–

社会保険の届出書類2.健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届は、社会保険加入者(被保険者)の資格届けのために必要な書類です。社長はもちろん、従業員を採用する度に届け出なければいけません。

上記「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」をダウンロードして、記入例を参考に必要事項を記入します。

必要な添付書類や情報

被保険者の基礎年金番号が必要です。年金手帳のコピーを用意してもらうと良いでしょう。

基礎年金番号

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届は、新しく雇用した従業員1人1人に対して必要な書類なので、入社日が決定したらその日から5日以内に提出しなければいけません。

社会保険の届出書類3.健康保険被扶養者(異動)届

健康保険被扶養者(異動)届は、社長や従業員の家族に被扶養者がいる場合、または変更する時に必要な書類です。

上記「健康保険被扶養者(異動)届」をダウンロードして、記入例を参考に必要事項を記入します。

扶養者の範囲

扶養者と認められるためには条件があります。それは被保険者と同居しているか、同居していないかによってわかれるため、しっかりと家族状況を聞いて、抜け漏れがないようにしましょう。

—–
被保険者と同居の必要がない者
・配偶者
・子・孫および弟妹
・父母・祖父母などの直系尊属※1

被保険者と同居が必要な者
・3親等内の親族※2
・内縁関係の配偶者の父母および子※3
—–

※1.一般的には、自分の父母、父方の祖父母、母方の祖父母という6人が直系尊属に該当します。
※2.兄姉・伯叔父母・甥姪とその配偶者などが3親等内の親族に該当します。
※3.内縁関係の配偶者の死後、引き続き同居する場合は該当します。

必要な添付書類や情報

扶養者の年間所得が103万円超~130万円未満の場合は「課税(非課税)証明書」が必要になります。103万円以下の場合は必要ありません。130万円超の場合は、扶養家族に該当しません。

課税(非課税)証明書の取得方法や使い方は、以下を参考にしてください。

参考:
所得証明書(課税証明書)の使い方と取得方法

また、扶養者になる条件、課税条件である103万円、130万円の壁の問題は以下で詳しく説明しています。

参考:
主婦はパートと個人事業主どちらが得?扶養、国保、社保問題

また、年収が130万円未満の20歳以上60歳未満の配偶者の場合、「国民年金第3号被保険者該当届」の提出が必要になります。

国民年金第3号被保険者とは、国民年金の加入者のうち、厚生年金・共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収130万円未満)のことを言います。

国民年金第3号被保険者該当届は、上記、健康保険被扶養者(異動)届の3枚目にあります。記入例は以下を参考に。

参考:
国民年金第3号被保険者該当届記入例

被保険者の「健康保険被保険者証」も必要です。もし紛失している場合は、「健康保険被保険者証回収不能・滅失届」を添付して提出します。

また、被保険者が「高齢受給者証」「健康保険特定疾病療養受給者証」「健康保険限度額適用」「標準負担額減額認定証」を保有している場合は、それも添付して提出します。

社会保険料の支払方法

もしあなたが起業前なら社会保険を軽く考えない方が良いでしょう。甘く見ていると痛い目を見る……それが社会保険です。仮に1人あたりの給与を30万円とした場合、以下が毎月払う社会保険料の目安です。

健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料+労災保険料=社会保険料
各社会保険料を合計すると以下の金額になります。

—–
会社負担:41,166円+2,550円+1,050円=44,766円  14.922%
社員負担:41,166円+1,500円=42,666円  14.222%
—–

つまり、平生27年1月現在で会社の負担は支払っている月額給与の15%ほど、社員の負担は14%ほどになるということです。

参考:
会社負担は社員給与の15%!社会保険料シミュレーション

上記で考えると、給与30万円の社員を10人雇用すると社会保険料は10人分で約45万円/月、年間で540万円です。毎月の支払い額がこれだけ大きいため、社会保険料を加味したキャッシュフローを考えておかなければいけません。

社会保険料の支払いは年金事務所の窓口で支払うか口座振替を使います。口座振替を選択する場合は「保険料口座振替納付申出書」を年金事務所でもらい、管轄の年金事務所へ提出して下さい。

社会保険料は社会保険加入日が月初でも月末でも日割り計算はされず、1ヶ月分の社会保険料がかかるため、加入時期に気を付けましょう。毎月支払う社会保険料は以下の様に考えます。

社会保険料の徴収・納付は、一般的に翌月徴収・翌月納付となっています。

翌月徴収・翌月納付とは、例えば4月分の保険料の納付は5月末日(翌月納付)なので、5月に支給される給与から徴収するというルールです。

参考:
社会保険未加入、保険料未納で受ける罰則や追徴金

もう一つ覚えておきたいことは、社会保険料の算定方法です。以下の様に標準報酬月額が決まり、標準報酬月額を基に社会保険料が算定されます。

期首に決まった月収が30万円だったとしましょう。期首が4月の会社もあれば、12月の会社もありますが、その時期には関係なく毎年1回、4月・5月・6月の月収の平均額が標準報酬月額になります。

標準報酬月額に対応した厚生年金保険料、健康保険料が社会保険料のベースです。保険料は会社と従業員とで折半し、会社が給与から天引きした上でまとめて支払いを行います。

参考:
社会保険未加入、保険料未納で受ける罰則や追徴金

社会保険の加入手続き方法まとめ

日本に住んで、日本で会社を設立するなら社会保険の加入は義務です。最近ようやく社会保険未加入業者への注意喚起がなされ、今後厳しく取り締まりが行われようとしています。

冒頭に社会保険未加入によるデメリットを挙げましたが、最も重いものはやはり追徴金や罰則です。社会保険料が高いことを知っていれば、追徴金が会社に与えるダメージも想像できるはずです。

参考:
社会保険未加入、保険料未納で受ける罰則や追徴金

従業員が4人以下の個人事業主、または非適用業種に該当する個人事業主なら良いのですが、それ以外の事業者が社会保険加入を免れるために時間をかけることは非常にもったいないのでやめましょう。

また、意外と知らない方が多いのですが、社会保険加入手続きは郵送で可能です。起業当初は社長の時間は色々なものに割かれるため、社会保険加入手続きが面倒だと思うかもしれませんが覚えてしまえば簡単です。

効率良く手続きを行い、事業者としての義務を果たすようにしましょう。

スタートアップに最適!合同会社設立のメリット・デメリットを解説

会社を設立しようと考えるとき、合同会社にするのか、株式会社にするのかを決断しなければなりません。

特に個人事業主から法人成りして、小規模に事業を営む場合は合同会社を視野に入れる方も多いでしょう。今回は合同会社の特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。

合同会社と株式会社の比較

合同会社とは、2006年の会社法改正によって登場した新しいタイプの会社です。個人事業主から法人化する場合や、小規模に事業を営む人のためにできた会社として位置づけられています。

合同会社を設立するのは、名の知れていない小さな会社というイメージがあるかもしれませんが、実は2016年にはアマゾンジャパンなども合同会社になっています。会社の規模や形態によってはコストの面でもお得になるため、合同会社という形をとる人も少なくありません。

実際に、合同会社と株式会社の設立にかかるコストには差があります。次の表で確認してみましょう。

経営コラム 表①引用元:http://setsuritsu.ii-support.jp/kaisya/page081.html

こちらの表ではもう一つ「合資会社」というカテゴリも追加されていますが、合資会社は有限責任社員・無限責任社員を置き、最低2名いれば設立できる会社です。合資会社も設立費用は安いのですが、無限責任社員が万一のときは会社のすべての責任を負わなければならない点でリスクがあります。

株式会社と合同会社では、設立にかかる費用に大きな違いがあることがわかります。株式会社では定款認証手数料がかかってしまう上、収入印紙代も大きくなるのです。合同会社でもどうしてもかかってくる最低限のお金はありますが、11万5000円ほどあれば会社にすることが可能です。これまで個人事業主としてやっていた人も、10数万円で会社にすることでそれ以上のメリットを受けられることがあります。

合同会社は知名度が低いようにも思われますが、実はその数も増加してきている状況にあります。次の表を見てみると、年々合同会社の設立数が増加してきていることがわかります。

経営コラム 表②引用元:http://www.llc-kobe.net/seturitu_su/

合同会社として設立することにメリットを感じる経営者は増えてきているようです。もちろん設立にあたり想定されるデメリットもあるので、どのような種別で会社を作るべきか熟考する必要があります。

合同会社のメリット

合同会社の最大のメリットは、やはりコストを抑えられることです。

会社設立時にかかる費用もセーブできますが、その後経営を続けていく上でかかるランニングコストの低さも魅力です。株式会社とは異なり、合同会社では決算公告の義務もなく、官報掲載費がかからないため、全般的に手続きを簡単に済ませることができるのです。

コストは抑えられるのに、税務上の扱いは株式会社と変わらないので、個人事業主よりも経費として計上できる幅が広がるため恩恵を受けることができます。

そのほか、利益の配分を社員の間で自由に決めることができ、株主総会もないため、経営を進める上ではかなり自由度がアップします。

株式会社へ移行したいと思ったときも10万円ほどの費用で手続き可能なので、スタートアップとしてコストを抑えるために合同会社を選択することは賢い方法といえるでしょう。

合同会社のデメリット

メリットしかないように思える合同会社にも、実は欠点があります。

まず、合同会社という名称の知名度が低いことが挙げられます。株式会社なら誰もが聞いたことがありますが、合同会社と聞くと二流の会社というイメージを持たれてしまいやすいです。

例えば
・求人を出しても人材が集まりにくかったり
・取引先からの信頼が得られない
などのデメリットが生じることが想定されます。

また、会社の代表も株式会社のように「代表取締役」を名乗ることができず、合同会社の場合は「代表社員」になります。名刺に肩書きを記載する際も代表取締役とは書けないなど制約が伴うことになりますね。そのほか、株式会社ではないので株式を増やして、資金を集めるということができませんし、上場することもできません。

合同会社としてやっていく中で事業規模が大きくなれば株式会社にするということも可能ですが、短いスパンで規模を拡大していく予定の経営者には向かないでしょう。

事業を細々と続けていきたい場合には合同会社のメリットがあることも多いです。肩書きやネームバリューが事業の発展や人材の確保にあまり影響しない場合は合同会社で十分でしょう。仲間内で企業するときや、家族経営の個人事業を法人化したいときなどには選択肢の一つとして検討してみて損はありません。

まとめ

合同会社は、知名度こそ低いものの、コスト面で株式会社よりもメリットがあるケースも多いです。特に家族や仲間内で小さな会社を設立しようと思っている場合には恩恵が大きくなる可能性が高いでしょう。

「代表取締役」を名乗れないなどのデメリットもありますが、そうした欠点が大きく事業に影響しない場合は合同会社で十分間に合わせることができる可能性も大きいです。

会社運営を成功させる10のポイントと運転資金
千須和知久
監修者
千須和 知久 税理士
S55東京国税局入局、H28ちずわ税理士事務所を開業。
財務に悩む経営者(中小企業)に「しっかり寄り添う対応」を信念とする。国税局の立場と税理士の立場の両方を経験している税務業界40年の大ベテラン。法人税、所得税、相続税・贈与税、税務相談・申告、事業継承、税務調査対応など幅広業務を対応

会社運営と会社経営の違い

「会社運営」と同類に使われる言葉に「会社経営」があります。

「会社運営」と「会社経営」の違いを意識することは会社運営を成功させるポイントになりますので、まずは「会社運営と会社経営の違い」を簡単に説明します。

会社経営

会社経営は、事業により利益を出すこと

会社運営

会社運営は、会社を効率的に回して利益を出すこと

会社運営

目指すところは同じですが、違いは、「効率的」です。
景気が良い時は、売上が上がるので、多少コストがかかっても利益が出ます。

その為、無駄なコストにあまり目が行きません。

つまり、「利益が出ているから細かいことはいいでしょ!」という発想です。
(気のゆるみですかね、、、。人間の性です!)

しかし、景気が悪いと売上が上がりにくいので、そうは言っていられません。

まさに今がこの状況です。

景気が厳しいうえに、コロナ禍により急激に売り上げが落ちました。

このような状況では、会社のお金と人の活用を「効率的」に進める必要があります。

その為、「会社運営」という意識が重要になるのです。

会社運営を成功させる10つのポイント

会社運営には「効率的」がキーワードと説明しました。

「効率的」には、常に合理的な判断が必要になります。
その為、経営者としては、合理的に判断して部下に指示を出せることが重要です。

その為、以降では、初めに合理的な判断をする為の3つの要素を説明します。

  1. 判断力
  2. 時間の効率的な活用
  3. リスクテイキング

次に合理的な判断をする為に必要な予備知識を説明します。

  1. 税務の知識
  2. 経理の知識
  3. 節税の知識
  4. 給与体系の作成
  5. 資金調達の準備
  6. 営業のIT化
  7. 働き方
会社運営の階層

判断力

会社のリーダーである経営者の判断が曖昧だと部下への指示が曖昧になり、結果、経営者が想像していた結果とは違った結果になります。

特にDXを進める場合は、素早い判断力が必要になります。

なぜなら、インターネットを使ったデジタル営業が今後は当たり前になります。

>>デジタル営業とは?メリット・デメリットや成功事例

顧客ニーズは日々変化し、顧客ニーズを吸い上げるIT環境が必要になるのです。

そして、変化するニーズに合わせて経営者は、素早く指示を出せる判断力が求められるようになるのです。

しかも、顧客ニーズのサイクルは早く、BtoCでは3か月後は別のニーズに対応する必要も発生します。

その結果、ニーズの変化に合わせた組織変更を決断する判断力も必要になるのです。

インターネットにより便利になった反面、経営者には非常に大変な時代になったと思います。

そして、その象徴が「DX」です。

DXはバズワードではありません。
これからのビジネスのあり方を変えなければならいディープな取り組みです。

今後は、早いサイクルを回せる組織作りとその変化に対応する経営者の判断力が必要になります。

判断をする上では、3つのポイントがあります。

  1. 客観性
  2. 現場目線
  3. 顧客目線
会社運営の判断力

客観性

経営者は主観で判断しないということです。
全ての人に言えることですが、「人は居心地の良い場所からは離れたくない」です。
その為、経営者自身もイエスマンを周りに置き、自分の意見が常に正しい状態を無意識に作ってしまいます。
それでは、客観性を維持できません。

その結果、判断が誤り、窮地に陥ることもあります。

その為にも、自分とは違う意見を言える人材が重要です。

現場目線

客観性にも通じますが、現場目線が無ければ利益優先の組織作りをしてしまいます。

利益を最優先にした組織作りは、人材が疲弊し、結果無駄なコストを生みます。

一見コストカットが成功している部門でも人員削減により一人当たりの作業時間が増え、仕事の対応粒度が荒くなります。

その結果、トラブルを引き起こします。

そのトラブル対応に外注費がかかり、コスト増とお客様からの評判ダウンを引き起こします。

この結果は、会社運営としては「損」をしていることになりますね。

顧客目線

お客さまの「欲しい」が分からない経営者は多いです。

せっかく、部下から製品開発の企画を聞いてもそれがニーズにマッチしているのか判断がつきません。

企画の良し悪しを判断出来なければ、結局リスクをとりたくないので「ボツ」になります。

もちろん、全てわかっている経営者はいません。

ある程度は現場からの声をくみ取る必要がありますがその判断ができないと新商品やサービスは生まれず、企業は成長しません。

時間の効率的な活用

経営者は、「時間をどのように過ごすか」をこだわるべきです。

こだわって過ごせたかを判断する為に、「今日は、会社を前に進めることができたか?」と自問するとよいと思います。

午前中は、集中して自分のタスクを処理し、午後は、社内会議等で報告を受けるという流れを作るのもいいかもしれません。

会社運営における時間の使い方

経営者として判断する、或いは、部下にメール等で指示を出す際には「脳みそ」が調子いい状態で行う方が効率的ですし間違いが少ないです。

成長している企業の経営者は早起きです。
朝食を必ず食べて体のリズムを整えて「ベストな体調」で仕事に取り組むことをお勧めします。

また、集中するには「休む」ことも重要です。

IT業界は昔から仕事がエンドレスな業界ですが、最近のエンジニアは仕事をする時は集中して行い、オフにする時はオフにするということを習慣づけている方が増えたと思います。

リスクテイキング

リスクテイキングとは、「リスクがあることを分かっていて実行する」ことです。

日々の業務にはリスクは潜んでいます。
そのリスクを分かったうえで、経営者は判断する必要があります。

会社運営のリスクテイキング

例えば、「この案件は重要案件で、赤字でも獲得することに意味がある」という場合もあります。

今の利益を捨てて次の大きな利益に結び付けるというケースです。

但し、この場合も情報収集があってこそ経営者が判断できるのです。

リスクを知って「なぜリスクを負ってまで進めるのか?」を整理したうえで判断します。
そして、リスクが露呈した場合の対応策まで考えて決断すれば、良いですがここが難しいですね、、、。

リスクを知る為には、知識と専門家の知恵が必要です。

以降からは、知識の部分を説明いたします。

税務の知識

会社が支払うべき税金の種類は多いですが、会社運営で覚えておくべき必要項目だけ頭に入れておけば十分です。

>>節税対策の基本はこれ!最低限押さえておきたい3つのポイント

No 税金 納税時期
1 法人税 決算終了後
地方法人税 2ヶ月以内(※)
法人県民税
法人市民税
2 消費税 決算終了後
2ヶ月以内
3 源泉所得税 毎月10日まで
または半年ごと
4 住民税 毎月10日まで
(特別徴収) 経営者が納付する社員の住民税は特別徴収のみで、毎月10日まで、年10回納付
5 印紙税 契約時
領収時
6 登録免許税 不動産取得の
登記の際
7 不動産取得税 不動産取得から
数ヶ月後
8 固定資産税 年4回分割
9 事業所税 決算終了後
2ヶ月以内
10 自動車税 5月末まで
11 社会保険料 毎月末

No1:法人税等

No1には、4つの税金がありますが、これは決算時に支払う税金です。
会社の利益に対して、支払います。

ポイントは、赤字決算でも最低7万円程度の納税義務が発生することです。

>>法人税+法人住民税+法人事業税の簡単な考え方

No2:消費税

次に、消費税です。消費税は請求した金額の消費税と外注等に支払った消費税の差額を支払います。
ポイントは、売上が1,000万以下の場合は、差額の消費税が免除されます。

起業したての場合は、売上が1000万を超えた場2年後から消費税の申告が必要になります。

また、事業会社を複数作成する場合も効果的です。

詳しくは税理士に相談ください。

>>起業2期間きっちり消費税免税メリットを得る4つの方法

No3:源泉所得税

給与は社員からすると所得になります。その為、その給与に対して所得税が発生します。
この所得を会社が給与から天引きして国に支払います。

会社が徴収しているので、サラリーマンは確定申告が基本的には不要です。

所得税は、会社が前もって天引きした金額が多すぎるのかどうかを年末調整で調整します。
よくある例では、住宅控除です。

住宅購入すると所得税の免除があるので、年末調整で還付が発生します。

国がきっちり徴収する為に、会社で代わりに徴収しているのです。
うまく考えたものですね~。

>>源泉徴収の仕組みと手続きについて

No4:住民税

住民税も源泉所得税と同様に会社が給与から天引きして、社員が住んでいる市に納税します。

市が行う徴収を会社が行っています。

昔は、社員が自分で市役所に住民税を支払うことでもよかったのですが、平成29年から東京都が会社に基本義務化すると発表したので、全国的に会社の義務になっています、、、、。

No11:社会保険料

この税金も給与からの天引きです。

そして、ボディーブローのように経営者を苦しめるのが社会保険料です。
社員の社会保険料の半分を会社が負担します。

経営者が正社員を増やすことに慎重なのはこの社会保険料の負担が重い為です。

例えば、40万円の給料の場合、条件にもよりますが、社会保険料は約14万円/月で、その半分を給与から天引きして残りを会社が負担します。

社歴の長い会社でも、代表者がこの負担額を見て、予定していた採用人数を減らしたなんて話を聞きます。
(採用コストを事前に計算したと思いますが、事実を見ると結構愕然とするのかもしれません、、、。)

>>【最新版】会社負担は社員給与の16%!社会保険料シミュレーション

納税知識のまとめ

税金は、後になってやってきます。

月末に口座に残っている現金がイコール「残っている現金」ではありません。

会社は、赤字だから倒産するのではありません。
支払うお金が無い為、倒産します。
よく言う、黒字倒産です。

その為、将来の納税額を把握してリスクテイキングした会社運営が必要になります。

経理の知識

損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)を知る

経理の知識でまず、覚えておくことは、損益計算書(P/L:プロフィットアンドロス)と貸借対照表(B/S:バランスシート)がどのような関係なのかです。

>>【図解でわかる!】損益計算書と一緒に学ぶ「収益」「費用」「利益」

損益計算書は、毎年決算を処理したら次期からはゼロスタートです。

しかし貸借対照表は、会社を設立してからず~と続きます。
損益計算書のように切れ目はありません。

以外にこの2つの関係を理解していない経営者が多いです。

決算により損益計算書で出た利益は、貸借対照表の純資産に入ります。
純資産が大きくなるとその分資産が大きくなります。

貸借対照表と損益計算書

銀行は融資を検討する場合、損益計算書より貸借対照表を評価します。
説明したとおり、貸借対照表は、起業してからの結果が累積した数字なので会社の安定性を予測することができます。

>>貸借対照表|バランスシートの見方を8分でマスターする3ステップ

その為、融資は、起業して最低3年の決算書が必要になります。

P/LとB/Sを理解して、銀行員から「分かっている経営者」と思われたいですね!。

節税につながる仕訳ぐらいは知っておく

経営者が経理処理を嫌がる言葉は、仕訳の「借方」と「貸方」の関係です。

理屈は簡単だけど、「なんか苦手」という経営者は多いです。

その為か、仕訳は経理がやればいいから「知らなくていいだ」と思われている方もいます。

それは多いに間違いです。

会社運営には、2つの運営があります。売上を伸ばすという「攻めの運営」とコストカットや節税という「守りの運営」です。

守りの運営には、節税対策がポイントになります。

税理士からどうして節税になるのかの説明を受けた場合、理解するには特定の勘定科目の仕訳は知っておく必要があります。

例えば、車両です。

新車で買う場合と新中古で買う場合では、税金のかかり方が違うので毎年経費で計上できる金額が変わります。
また、車両等の設備投資の場合、「減価償却」という理解しずらいルールがあります。

>>リース・レンタル・割賦での固定資産や減価償却処理の違い

簿記の知識はいりませんが、「こんな仕訳になるから損益計算書と貸借対照表のあそこに反映されるのか~」というイメージが持てることは会社運営には重要な知識です。

まとめ

会社運営には、「正しい仕訳の知識」は不要です。
しかし、節税に役立つ仕分けがあるのだということを知っておくべきです。

節税の知識

節税は合法的な対策

節税は、合法的に納税する金額を減らすことです。

節税は、国が認める対策なので何ら後ろめたいことはありません。

要するに許容できる範囲で、企業にお金を残してもらう為の国策なのです。

しかし、そこを過大解釈した仕訳をすると脱税になります。

その疑いがあると、税務署から調査官が調査をしに来ます。

>>節税と脱税の違いとは?脱税の方法と事例を解説

節税は、「守りの会社運営」です。

国が「企業にお金をのこしていいよ~」と言っているので使わない手はありませんね!。

長期スパンで考える

節税は長期的なスパンで対策を行います。

「今期売上が予想以上に上がるから、節税対策したい!」と考えてもダメです。

怪しい経費処理は、必ず後でしっぺ返しが来ます。

その為、どうするのかと言えば、最低2期先の売上と利益計画を考えます。
つまり事業計画ですね。

しかし、事業計画を作っている企業は少ないです。

多くの企業では、「今年と同じ売り上げを来年も作れたら、それで御の字」と思われています。

これが現実なのはその通りです。

しかし、節税の観点から言えば、打てる対策が減ってしまいます。

節税対象になるケースは、ほとんどが先に支払い(経費)が発生します。

支払った(経費の)種類によって、税金を控除するという順番なので、将来の節税を見越しながら手元の現金を使うことになります。

つまり、計画して現金を使うことになるので、事業計画が必要となるわけです。

事業計画作成のメリットは節税だけではありません。

>>簡単な事業計画書から事業資金融資の必要性を考える方法

融資申請時には事業計画書が基本必要です。
特に初回取引の銀行の場合はほぼ100%の確率で提出を依頼されます。

節税知識のまとめ

節税は、計画的に取り組む必要があります。

どのような場合が節税になるのかのケースを覚えていくことで、今のお金の使い方が変わってきます。

>>節税対策の基本はこれ!最低限押さえておきたい3つのポイント

給与体系の作成

社員がひとりでも作るべき

「給与体系を作るほどの会社じゃないよ~、相場金額でうちはやっている」という社長さんは多くいます。
家族経営だと余計そうなります。

しかし、給与体系を明確にすることは、社員の仕事へのモチベーション維持になります。
また、人件費を段階的に抑える為にも、給与体系は必用です。

会社運営に必要な段階的人件費削減

人員整理は最終手段である為、その前段階の運営として社員を減らさずに人件費を抑える為にも給与体系が必要なのです。

持っている技術や行える業務内容毎に給与体系を設けることで、事業への貢献が薄い社員にはそれに見合った給与に段階的に減らしていくという会社運用が可能となるからです。

給与体系知識のまとめ

給与は、組織に関わることなので、慎重に進める必要があります。
節税と同じように長期に考える必要があります。

資金調達の準備

資金調達には、いくつかの方法がありますが、一番活用される方法は、銀行からの融資です。

ある程度会社規模が大きくなると、銀行から融資を受けられる状態にしておくことは会社運営には必須となります。

但し、できることなら、融資は設備投資として借り入れることをお勧めします。

>>その融資本当に必要?資金調達が担う5つの目的とは

運転資金として融資を受けると、融資が無ければ、会社が成り立たない状態が続き最終的には返済の目途が立たなくなります。
借り入れの為に粉飾決済まで行ってしまいます。
それは対金融機関だけでなく、脱税にまでつながる危険な行為です。

但し、運転資金の確保は、会社運営では重要です。

その為、運転資金の融資の場合は、取引先からの入金が遅れることで発生する「資金ショート」を補填する為の保険と考えればよいと思います。

そして、その目的なら、むしろ準備すべきです。

6ヵ月返済といった短期契約なら金利も1%未満なので、支払い利息の負担も小さいです。
(保険料と思えば、多少は納得できます。)

会社運営には、突然の資金ショートが一番怖いので、金融機関とはいざと言う時の場合に1件程度では、取引をしておくことは重要です。
(初回融資は手続きに時間がかかりますので、、、いざと言う時には間に合わないこともあります、、、。)

営業のIT化

今の営業は、インターネットを使ったデジタル営業が中心です。

>>デジタル営業とは?メリット・デメリットや成功事例

もちろん、昔ながらの営業スタイルがマッチする業態もあると思いますが、それは効率が悪くないですか?

オンラインで商談が完結できるのあらそれに越したことはありません。

リモート営業

時間的コスト、移動コスト、業務効率化などリモート対応できる幅を広げることで営業活動を効率化させることは今の時代は急務です。

>>【事例で学ぶ】営業活動を効率化させるべき理由と具体的方法!

今は、営業コストを落とし営業利益を伸ばすチャンスです。

一昔前は、訪問することが顧客との関係を維持するポイントでしたが今は、顧客もそれほど訪問を求めていません。

むしろ、「この時代にオンラインじゃないんですか?」と聞かれてしまいます。

訪問することは、スペシャル対応。つまり有料化してもよい時代がもうすぐきます。

その為の準備はできていますか?

今後は、営業部門の効率化が最も顕著に進みます。

MAツールを利用したマーケティングやCRMツール導入による新しい営業方法(インサイドセールス)を取入れ、効率的に売上を伸ばす営業体制を作り上げた企業が勝ち残る時代です。

効率的な営業スタイル

>>インサイドセールスのやり方とコツ!成功・失敗した事例も解説

働き方

リモートワークが定着している現代では、働き方は大きく変わりました。

そして、組織にぶら下がっている社員は自分の存在価値をアピールしなければならない時代となったのです。

リモートワークは、会社運営に革命を起こします。

大きなオフィスは不要なのです。

社員は、インターネットがつながり、コミュニケーションができる場所であれば、海辺や山奥など自分の自由な場所で働くことができるのです。

その為、安くなったオフィス賃貸料で生まれたキャッシュを社員とのつながりや精神的なメンテナンスにお金をかけることが会社運営には重要になるのです。

仕事の時間も、フレックスタイムや裁量労働制などを用いて柔軟にし、各自が求める生活スタイルに沿った働き方を実施できることで人材の確保が可能となります。

>>変形労働時間、フレックスタイム、みなし労働時間、裁量労働の違い

今は、大きな会社ではなく、自由な働き方のできる会社に人材が集まる傾向にあります。

多様性が許された素晴らしい時代になりました。

ここまで、「会社運営を成功させる10のポイント」を説明しました。

以降では、会社運営にかかるお金に関してポイントを説明します。

会社運営に必要な運転資金

経営者は年間の運転資金を頭の中ではイメージしていますが、主に人件費と外注費です。

その為、決算期に税理士と話をすると、「え~納税額がでかい!」とびっくりして資金繰りを始めるというケースは以外に多いです。
しかも、毎年同じ会話を税理士としている、、、、なんて経営者もいらっしゃるんじゃないですか。

その為、会社運営を行う際には、主に下記3つの支払いを常にイメージしておくことが重要です。

  1. 税金
  2. 社会保険
  3. ランニングコスト

税金

税金は、後になって支払いがやってきます。
その為、「手元資金が足りない!」なんて怖い状態にならないよう納税額まで考えたキャッシュ管理が重要です。

その代表例は、消費税と社員の所得税(源泉所得税)に関してです。

この2つは本来毎月支払う必要がありますが、特例納付申請を行うと半年に1度になります。

その為、忘れたころに納税することになります。

源泉所得税が7月で、消費税が8月です。

2ヵ月連続なので、結構つらいです。

毎月徴収している金額なので損しているわけではありませんが、大きな金額の納税が続くとなんか寂しい気持ちになります、、、。
(個人的感想です!)
また、不動産を購入した場合も注意です。
購入してから1年程度してから、不動産取得税の通知が届きます。
結構な金額なので、突然来て「え~」と驚きます。

納税カレンダー

国税 地方
1月 ・所得税の法定調書及び同合計表の提出
・扶養控除等申告書の受理と検討及び源泉徴収簿の作成
源泉所得税の納期の特例分の納付
・固定資産税の償却資産に関する申告
・普通徴収による個人住民税第四期分の納付
2月 贈与税の申告と納付 固定資産税・都市計画税第四期分の納付
3月 ・所得税確定申告書の提出と納税
・個人の青色申告承認申請
・個人の消費税の申告納付
個人住民税・事業税の申告と個人事業所税の申告納付
4月 固定資産税・都市計画税第一期分の納付
5月 所得税の延納税額の最終納付 自動車税の納付
6月 ・所得税予定納税額の通知
・同減額申請
・普通徴収による個人住民税第一期分の納付
・住民税特別徴収税額の納期の特例分の納付
7月 源泉所得税の納期の特例分の納付 固定資産税・都市計画税第二期分の納付
8月 個人の消費税の中間申告納付 ・個人住民税第二期分の納付
・個人事業税第一期分の納付
10月 特別農業所得者への予定納税額の通知 普通徴収による個人住民税第三期分の納付
11月 所得税第二期分予定納税 個人事業税第二期分の納付
12月 給与所得の年末調整 ・固定資産税
・都市計画税第三期分の納付
・住民税特別徴収税額の納期の特例分の納付

社会保険

社会保険は毎月発生する非常に重いコストです。
しかも、社会保険を抑える方法は給与を下げるか、人員整理をするしかないのです。

どちらも非常に思い課題です。

会社運営には人が重要ですが、その為のコストも見越しておく必要があります。

ランニングコスト

いわゆる固定費です。

固定費の代表は、賃貸料と給与、そして設備購入の返済料です。

毎月かかる費用ですが、最近は、様々なクラウドサービスが提供され、リモートワークによる賃貸料の圧縮やクラウドワークによる外注化で、昔よりコスト削減を可能とする手法が増えました。

株発行会社の会社運営

株を発行する会社(株式会社、合同会社)は、株を誰がどれだけ持っているのかを意識する必要があります。

それは、株主は出資者だからです。

正直中小企業では代表者が100%持っている場合がありますが、同族企業の場合、家族が株を持っているケースもあり、会社運営に以外なところで影響を与えることもあります。

株式の仕組み

会社運営にはお金がかかります。

そのお金を、全て社長が負担できればよいですがそうも行きません。

その為、お金を出し合って会社を運営する方法を昔の人は考え付きました。

株主は、利益から配当金を受けたり、株主総会に参加して会社運営に対して意見することもできます。

株主も会社運営には重要

株発行会社では、保有する株数が大きければ発言力が高くなります。

中小企業の場合、代表者が100%保有することが多いですが、仲間で均等に出資した会社の場合は将来ほぼ間違いなくトラブルを起こします。

会社の運営方針で対立してしまうからです。

株発行会社は、株主に発言権があります。

その為、代表者以外が株を持っている場合は、会社運営の方針を株主にしっかり理解してもらわなければ株主の意見により効率的な会社運営が難しい場面も出てきます。

会社運営に必要な届けて

会社を運営していると届け出が必要になります。
総務部や経理部が担当することが多いですが、経営者も必要な事項として認識していないと経営判断の場面で優先順位を間違えます。

会社を守る為には、必要な知識です。

設立後の税金関係の届出

決算書の届出が最重要事項です。

>>【図解でわかる!】決算書見せて!4つの開示義務と3つの任意開示

決算月の翌月から2ヵ月以内に提出しないと税務署から連絡が来ます。
提出しないと納税金額が確定せず、延滞金が発生します。
納税すべき金額に対して年「7.3%」が日割り計算で追加されます。
(延滞税の率は、条件により変更します!)

結構、納税を安易に考えている経営者がいますが、国家権力は絶大です。
督促状を無視すると、最後には、裁判所の判決無しで差押えが行えます。

しっかり納税しましょう!

社員採用時の届出

年金事務所に届けが必要です。
会社を設立してから届出がないと、半年ぐらいすると年金事務所からお手紙を受け取ります。

年金の財源が逼迫しているので財源確保の為に、適用事業所には追及が続きます。
届出を出さないと最後には、立ち入りが入ります。

年金事務所も国家権力を持っていますので、侮ってはいけません。

社会保険料を滞納し、督促状を無視していると最後には、裁判所の判決無しで差押えが行えます。

日本は平和なので普段は国家権力を意識しませんが、税金に関しては別です。
きっちり徴収されますので、甘く考えないようにしましょう!

>>社会保険未加入、保険料未納で受ける罰則や追徴金

就業規則の届出

就業規則は、社員が10名以上の会社が適用事業所になります。
その為、「うちは作らなくていいね~」とおっしゃる経営者がいますが、できることなら作成しておく方が良いです。

なぜなら、社員とトラブルになった時に判断基準となるルールがないと会社の主張が通らなくなるからです。

社員も本気で抵抗しようと思えば社会保険労務士や弁護士に相談します。
その時に規則がないと、会社は社員と対等に交渉が行えません。

それに、そもそも規則に則って休暇をとってもらったり、代休が付与されなければ社員のモチベーションは下がります。

会社を効率的に運用するには、ルールが重要になりますね!。

まとめ

ここまで読んでいただきましたありがとうございます。

会社運営は、多様性が求められます。

働き手も自分の生活に合ったスタイルを求めます。

このような働き手の要望を満たしつつ、DXを実現しなければなりません。
その為には、より早いサイクルの業務を進めつつ、経営者の即決を求められる時代です。

これからの会社運営は、効率を目指す会社運営になるので増々経営者は大変になります、、、。