経営者が知っておきたい新入社員を教育するときのコツ

経営者が知っておきたい新入社員を教育するときのコツ

どのような企業においても、新入社員の教育はできるだけ効率的に行い、即戦力として活躍してもらいたいものです。
今回は、新入社員の教育を効率的かつ有効に行うために知っておきたいポイントを紹介していきます。時代に合わせて、教育に当たる姿勢も変えていく必要があるでしょう。

「見て学ぶ」時代は終わった

昔は仕事で必要なノウハウは「見て学ぶ」という風潮がありました。ところが最近では、全て説明や指示がなければ仕事を遂行できない人が増えてきています。

それがいわゆる「さとり世代」と呼ばれる若者の特徴と考える人もいますが、実際に職場の新入社員を見ても、年々若者の仕事に対する姿勢や価値観が変わってきていることが実感できるのではないでしょうか。経営側としても、時代に合わせて新入社員の教育方法を変えていく必要があります。

トイレ掃除一つにしても、具体的な指示がなければ遂行できない人も少なくありません。ただ単に「毎朝やっておいて」と頼むのではなく、「ここにあるブラシを使って、ここを念入りに磨いて……」といった具合で詳細に説明すると、仕事自体はその通りにやってくれる傾向にあります。本来であれば自分で考えたり、試行錯誤する能力も仕事においては重要ですが、お互いに不快な思いをしないためにも丁寧な対応を心がけることをおすすめします。

教育する側からすると一手間かかり、「それくらい自分で考えてやってほしい」と感じることもあるかもしれません。ただ、具体的かつ明確に指示すればその通り仕事をしてもらえることが多いので、新入社員としても怠けているわけではないのです。説明に手を抜いて後で苦労するよりは、一つ一つ丁寧に教える方がお互いに楽になります。若者の特性に応じて、少し指導の仕方を変えるだけで効果的に育成できるといえるでしょう。

質問・相談できる人を明確に

新入社員は、入社後の右も左もわからない状態のときに「放っておかれた」という印象を持つと、早々に会社を去ってしまうこともあります。社内の教育プログラムをしっかりと構成することも大切ですが、メンタル面でのサポートも必要です。

人と人との関係性については相性もあるため一概には言えませんが、少なくとも質問・相談できる先輩や上司を明確にしておくと良いでしょう。「これについては◯◯さんに聞く」といった具合で、対応の窓口を明確にしてあげると不安なく研修を乗り切れるものです。

わからないことがあれば誰かに聞けば良いのですが、なかなか聞けずに一人で抱え込んでしまう新入社員も少なくありません。経営サイドとしても、せっかく入社してくれたのですから仕事を頑張ってもらうことはもちろん、居心地が良いと感じてほしいものです。仕事中はなかなか聞けないような話ができることもあるので、仕事後にはときどき食事に行くなどのフォローがあると社内の雰囲気も良くなります。そうした精神的なサポートも視野に入れて対応するとベターでしょう。

教育中は褒め上手になる

日本人は「褒める」ということをあまりしない特徴があります。海外で仕事をすると、何かを達成したときには上司や同僚から「Good job!」や「You did very well.」など、「よくやったね」といった意味の言葉をかけてもらえることが当たり前です。仕事以外の場面でも、「その髪型、似合ってるね」など些細なことでも褒める文化が根付いています。

日本人はどうしても褒めるのが下手な傾向にありますが、従業員のモチベーションを高めていくことも経営者の役目です。マネジメントする立場にある人はぜひ意識してもらいたいところですが、褒め上手になることを心がけましょう。

特に新人のうちは一度教わったことでもうまくできないなど、ミスをすることもあります。怒られたり、注意されてばかりではモチベーションも減退していきます。うまくできて当たり前であり、失敗したときには咎めるという関わり方はよく見受けられるものですが、こちらが求める仕事を達成できたときには褒めることも意識しましょう。人間誰しも褒められることが正の報酬となり、また頑張ろうと思うものです。

特に新入社員は新しい仕事に対する期待もありますが、不安を抱えている部分もあります。環境が変わるだけでもストレスは大きくなるものなので、気持ちよく研修・仕事に当たってもらえるような対応を心がける必要があります。新入社員の教育で教わったことをしっかり吸収していこうという意識も芽生えるため、褒める部分と注意する部分はわかりやすく伝達しましょう。

新入社員教育のまとめ

新入社員の特徴も時代に合わせて変わっていきます。現在は、「ゆとり世代」に代わり、「さとり世代」と呼ばれる若者が入社する時代になりました。時代の流れに合わせて教育方法も柔軟に変えていく必要があります。

対応を少し工夫するだけでも企業で長く働いてもらえることも多いので、ぜひ今回ご紹介したポイントを意識して新入社員の教育に当たるようにしましょう。

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