コーポレートコミュニケーション経営と役割

コーポレートコミュニケーション経営と役割

コーポレートコミュニケーションという言葉をよく聞くようになりました。従来の企業広報とどう違うのでしょうか。
経営の一環としての機能を理解し、企業経営に役立つポイントをまとめました。

コーポレートコミュニケーションとは

まず用語の確認です。コーポレートコミュニケーションとは、企業が一方的に情報を発信する形態ではなく、企業と顧客、企業と投資家、企業と株主などが双方向的にコミュニケーションを図るということです。それにより企業は社会が企業に何を求めているかより理解し、それを企業経営に反映させていきます。

企業からの情報発信は昔からあった!

昔からよくある企業が情報を発信する形態は、広告や社内報などの広報、その会社に勤めている従業員の接客やサービス、経営者、社長自身が発する言葉などがあります。企業メッセージを社会に向けて発信するものすべてが含まれます。

こうしたものは企業側から一方的に発せられることが多く、それを受け取った社会、個人が企業に対してのイメージをふくらませていくという形態が主流でした。

インターネットの普及で主役は個人に移行!

しかし最近はインターネットの普及により、個人が自分の意見を簡単に発信することができるようになりました。SNSの普及によってある商品に不具合があった場合、すぐに写真や動画でアップすることができます。それを見た不特定多数の個人が情報を拡散させていくと、炎上という事態を招き、マスコミやその他の媒体から攻撃されるということもあり得ます。

飲食店などなら、そのお店にいった個人が口コミという形で、感想や問題点をすぐにアップできます。こちらも好意的なものから否定的なものまで、あらゆる情報を発することのできるツールです。

column_cc_1引用元:https://ozma.co.jp/corporatecommunication/column-corporate-communication/

昔以上にネガティブ対応が重要

企業から発信される形態、つまり既存のコーポレートコミュニケーションは、受け身で静的なものと言えます。それに対してマスコミなどの外部から企業が攻撃を受けた時、誤報が行われた時、ネガティブイメージに対してのコーポレートコミュニケーションは、企業が能動的に行わなければなりません。これを動的コミュニケーションと言います。

コーポレートコミュニケーションの段階

では、企業が行う主なコミュニケーションを確認してみましょう。

0816_02引用元:https://www.kkc.or.jp/plaza/magazine/201108_16.html?cid=1

一番下の階層は会社を守るための広報という役割があります。企業が今まで社会に対して保っているブランドイメージを守るということで、一般的な社外からの電話応対、取材対応、ニュースリリース作成などが含まれます。既存の企業コミュニケーションの一つです。

これからは企業が主体となり能動的に社会に働きかける時代

ここから一歩進んだところに、会社を良くするコミュニケーションがあります。社会から発せられる問題に対して、受動的に解決するものです。マスコミ対応なども含まれますがまだ能動的な段階ではありません。
次の段階は会社を見極めるコミュニケーションです。受動的な対応では出てこない消費者の声や企業への評価をヒアリングしていくものです。企業が主体となり能動的に社会に働きかけなければなりません。

コーポレートコミュニケーションの最終目標は最後の段階である会社を変える、ということです。問題のある体質や企業のイメージといったある程度の期間で作られたものを壊していくには時間がかかります。常に変化や進化を求められる時代だからこそ、社会の声を反映させることができる企業が生き残ることのできる企業、といえるかもしれません。

コーポレートコミュニケーションを経営の一環ととらえる

コーポレートコミュニケーションは『経営の一つの重要な柱』ととらえる企業も出てきています。

企業の目標である利益追求や、地域との共存にコーポレートコミュニケーションの考え方が役に立つという見方

企業の名前を聞くだけで、その企業が製造しているものが思い浮かんだり、印象深く浸透していて肯定的に受け入れられているなら、コーポレートコミュニケーションの構築ができている、ということになります。

また、企業にとっての危機的状況が生じた時、解決するのにも大切な考え方となります。それで『コーポレートコミュニケーション経営』『広報戦略』と呼ぶこともあります。

コーポレートコミュニケーションが機能している会社とは

誰もが情報を発信させることのできる時代、そこには正しい情報も間違った情報も混在しています。また口コミやお客様の声、といったものが以前よりも簡単に、誰でも発することができる時代になっています。消極的な情報も含め一個人の声を逃すことなく、企業の成長に取り込むことができるかどうかが、コーポレートコミュニケーションが機能している会社、といえるでしょう。

まとめ

企業が成長、発展するために、『社会の声』を聞くことは大切なことです。

コーポレートコミュニケーションは、現代社会においてなくてはならない部分の一つといえます。コミュニケーションとは双方向のものという考え方を忘れることなく、経営にいかしていきたいものです。

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