生産性革命で何が求められる?効率化のヒントを解説

生産性革命で何が求められる?効率化のヒントを解説

中小企業を経営されている方は、「生産性革命」という言葉についてご存じでしょうか?

この記事は、企業活動を行う上で生産性を上げたいと考えている社長に向けての情報です。
生産性革命では、中小企業や小規模事業が生産性を向上させるためのビジョンをいくつか提示しています。生産性革命では、稼ぐ力・新時代への挑戦・個人の潜在能力の活用がキーワードとして掲げられています。第四次産業革命ともいわれる時代を迎えている今、未来に向かって生き残ることができる会社にするためには、特にITをフル活用していきたいところです。成功事例からヒントを得て、中小企業の生産性をどんどん高めていくことが求められています。

この記事の要点はこの3つ!
1.生産性革命で目指すものとは?
2.ITをフル活用して生産性向上
3.成功事例から学ぶ経営のヒント

では、さっそく見ていきましょう。

生産性革命で目指すものとは?

生産性革命とは、安倍政権で掲げる三本の矢の一つに位置づけられている取り組みです。中小企業を対象として、生産性を向上させていくという考え方に基づいています。

[未来への投資・生産性革命とは]
・稼ぐ力
・新時代への挑戦
・個人の潜在能力

稼ぐ力

日本の企業が「稼ぐ力」を回復させるために、企業と投資家の対話促進や、イノベーション・ベンチャーの創出などが施策として挙げられています。また、アジアをはじめとして、海外の成長市場の需要を日本の企業が取り込んでいくことで、稼ぐ力を高めていくというビジョンも含まれています。

新時代への挑戦

第四次産業革命とも呼べる、IoT・ビッグデータ・人工知能といった技術を活用し、企業の成長につなげていくことを目指します。新しい時代に挑戦していくために、企業が未来への投資を行っていく必要性についても触れられています。

個人の潜在能力

近年、日本においては少子高齢化が大きな課題になっています。また、長年にわたり男性が中心となって働いてきた分野でも、女性が活躍できるように推進することで、多様な価値観をもたらします。これがイノベーションの創出にも貢献するとして、女性の活躍推進にもフォーカスされています。また、高齢者が長年のキャリアで培ってきたスキル・ノウハウ・人脈を活かし、生涯現役で働くことができるような環境の整備も進められています。

このような3つのビジョンに基づき、生産性革命が進められています。特に中小企業の企業の経営者は、生産性革命で掲げられていることに基づき、会社を改革していく必要があります。特にIT技術への投資・活用をするかしないかは、会社の将来を左右するといっても過言ではありません。

ITをフル活用して生産性向上

生産性革命において、生産性向上のカギとなるのはITといえます。すでに何らかのITを導入している会社もあるかもしれませんが、なかなか思い切って導入できない経営者もいることでしょう。

全国中小企業取引振興協会が実施した調査より、「中小企業におけるIT利活用の実態」のグラフを見ていきます。

中小企業におけるIT利活用の実態引用元:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai12/siryou2.pdf

ワードやエクセルといった一般的なオフィスシステム、電子メールなどは、多くの企業にとって馴染みのあるものになっていることがうかがえます。ただ、経理や業務統合ソフト、グループウェアなどの利用はまだまだ少ないことが実情です。

グループウエアとは、スケジュールや業務を他者と共有できたり、コミュニケーションをとったりすることができるツールの総称です。こちらも浸透してきているように思えますが、中小企業においては広く導入されていません。ITというと敷居が高いと感じる経営者がいるのも事実であり、実際に次のような調査結果も出ています。

IT投資を行わない理由引用元:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai12/siryou2.pdf

ITを導入する価値がわからないという人も多いですが、それ以前にITに長けた人材がいないという要因も大きいです。特定の技術を導入する際、支援する事業者もいるため、積極的に活用したいところです。

また、コストが負担できないという声もありますが、サービスによっては安価で利用できるものも多いです。まずは成功事例から効果を学び、アイディアを得ることをおすすめします。

成功事例から学ぶ経営のヒント

ITの導入によって、生産性を向上させることに成功した会社の事例を2つご紹介します。

株式会社コイワイ

非鉄金属業の会社であるコイワイでは、専門家を活用して、ロボットシステムを導入しました。具体的には、金型へアルミニウム溶湯の注入、製品の取り出し・搬送の工程において、ロボットの仕組みを採用しました。その結果、生産性が2.3倍に向上し、もともとこの作業に従事していた技能者は、後身の育成に携わることになりました。

沖縄銀行

沖縄銀行では、グループウエア導入によって、稼働から1年半で時間削減効果を得ることができました。導入前は、書類を紙で回覧・保管するのに時間がかかる・スケジュールを電話で確認する作業が必要といった課題がありました。しかし、グループウエアで管理するようになってから、ペーパーレス化による迅速な意思決定、スケジュール共有による日程調整の効率化などを実現しています。

業種によってはロボットのように大掛かりな設備投資を行うことも有効ですし、まずはグループウエアの導入から始めてみることもおすすめです。グループウエアにもさまざまなものがありますが、導入する価値はあります。全員にスケジュールを確認してから日程調整をしたり、メールを送ってからまた電話で確認したりといった、業務の無駄を大きく省くことができるでしょう。現場のニーズに合っているか、社員が使いこなせるかを意識しながら導入を検討してみてください。

また、IT技術の導入では、セキュリティ面での強化も必要となります。民間のセキュリティ事業者を活用するなど、必要に応じて対策していくと安心です。

まとめ

生産性革命を実現するためには、これまでのやり方から一歩前に進む必要があります。特にITに関しては日進月歩を遂げているため、遅れが生じないよう、早めに対策していく必要があります。新時代に対応できるような備えを始めて生産性革命を実行みてはいかがでしょうか。

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