税務調査だけじゃない!様々な企業調査
社長は社会のルールに沿って会社を経営しています。ところが、社会のルールを逸脱してお金を儲けをしたり、何らかの不正行為をする方たちは必ずいます。
そこで、国は行政機関を通して企業調査を行います。企業調査というと税務調査をイメージする方が多いでしょう。
税務署には、それぞれ管轄があり、その地方の管轄を任されている税務署が対象となる法人を順番に回っているのです。
ところが、行政機関の企業調査は税務調査だけではなく、その他にもさまざまな調査が全て不定期で行われているのです。
あなたが公明正大な会社経営を行っていれば、いつどんな企業調査を行われても問題ないと言えるのですが、それでもやっぱり心の準備は必要です。
そこで今回は、行政機関が行う企業調査の種類と調査の内容をご紹介したいと思います。
企業調査の種類1.税務調査
税務調査は、国税局管轄の税務署によって調査が行われます。
消費税・所得税・法人税調査
消費税、所得税、法人税が1度の税務調査で全て調べられます。調査内容はそれぞれの税金が正しく計算されているか、そして正しく納税されているかです。
税務調査のうち、法人税の調査は一番馴染みがある企業調査ですね。詳しくは以下をご参考に。
印紙税調査
印紙税調査では、必要な契約書等の文書に印紙が貼られているか、正しい税額の印紙が貼られているかを調査します。
印紙税は割と複雑で、書類の作り方によって節税対象になり得るため、ミスや勘違いが起きやすい税金でもあります。
源泉所得税調査
源泉所得税調査は、源泉所得税の対象になる項目が漏れていないか、源泉所得税の金額が正しく計算されているかを調査します。
法人事業税・法人住民税調査
法人事業税・法人住民税は、都道府県の税事務所によって調査が行われます。
調査内容は、各事業所の人数が正しく計算されているか、またその人数に応じた税率が適切に使用されているかが調査されます。
企業調査の種類2.固定資産調査
固定資産に関する調査は、各市町村役場によって調査が行われます。
固定資産税・償却資産税・事業所税調査
固定資産は、取得方法や利用方法によって、固定資産に該当するかの判断が必要なため、正しく税金が納められているかを調べる必要があります。
また不動産であれば、申告された不動産の面積が正しいか、土地・建物の利用状況が変わっていないかなどを調査します。
企業調査の種類3.関税調査
関税は、税関によって調査が行われます。
主に海外から商品や原料を輸入する際の関税が関税品目に基づいているかを調査します。
企業調査の種類4.労働基準監督署調査
労基調査は、労働基準監督署によって調査が行われます。
労働基準・労働安全衛生調査
労働基準では従業員の労働時間が適正に管理されているか、残業代が適切に支払われているかの調査のほか、労働条件が適正に明示されているか、就業規則や労使協定が整備されているかなどの整備面も調査します。
また、飲食業や人との接触が多い職場においては、労働安全衛生法に基づいた衛生管理が行われているかの調査が行われます。
企業調査の種類5.社会保険調査
社会保険調査は、年金事務所によって調査が行われます。
健康保険・厚生年金調査
社会保険調査では、社会保険が必要な企業に対して従業員を社会保険に正しく加入させているか、算定基礎届が正しく提出されているか、賞与支払届などが適正に提出されているかを調査します。
企業調査の種類6.ハローワーク調査
保険などの雇用調査は、ハローワークによって調査が行われます。
雇用保険調査
雇用調査では、従業員を義務である雇用保険に正しく加入させているか、60歳以上の高年齢労働者など条件付きの労働者の管理が適正に行われているかを調査します。
また、雇用に対する各種助成金が適正に申請され、適正に運営されているかも調査します。
行政機関の企業調査まとめ
行政機関による企業調査はこのように多くの種類があり、それぞれ調査の管轄主体、調査方法、管理方法などは異なります。
突然企業調査にやって来たからといって、その企業が黒やグレーだからという決め付けで調査を行うわけではありません(恐らく)。
もちろんあなたは公明正大な経営を行っているはずなので、「調査なんて必要ないよ。」と言うかもしれませんが、起業調査は不正を発見するためだけではなく、普段から企業が処理ミスをしやすい箇所を正しく指導する狙いもあります。
どういった行政機関がどのような内容を調査しにくるかを知っておくことで該当箇所の処理ミスを無くし、企業としての信頼を得たり、面倒な疑いをかけられることを防げるようにしておきましょう。
あとは、心構えもできますしね。これほんとに重要です。