起業したいけどビジネスモデルが作れない!
「将来、絶対に起業して夢を叶えるんだ!」
「今の仕事から独立して自分の城を作りたい!」
世の中には、このように起業を夢見ている方は多いでしょう。ところが、実際に起業する方としない方がいます。
社長になることは特別なことではありません。個人事業主なら所轄の税務署に開業届を届けるだけ、株式会社でも30万円を用意して書類を一式揃えて届け出を出すだけです。
では、起業を夢見ているのにしない方はなぜ起業しないのでしょうか。
「やる気はあるんだけど、仕事をしていくためのビジネスモデルが作れないんだよなぁ。」
そう、もしかするとビジネスモデルが作れないからかもしれません。
ビジネスを行っていくための仕組みをビジネスモデルと言い、その元になる考えをビジネスアイデアと呼びます。
確かに、ビジネスアイデアがあってもビジネスモデルを作れなければ、起業に及び腰になってしまう気持ちはわかります。
そこで今回は、起業のきっかけになるかもしれない「ビジネスアイデアからビジネスモデルを作るたった1つの方法」をお話したいと思います。
ビジネスアイデアとビジネスモデルとは
ビジネスアイデアとは
ビジネスアイデアとは、ビジネス(商業活動など)を行うための発想や考え方のことを言います。
たとえば、ビジネスアイデアは、「赤ちゃんグッズを仕入れて、販売していくこと」でも良いでしょう。「プログラムの勉強をして、ソフトウェアを作ること」でも良いでしょう。「経営の勉強をして、コンサルティングを売りにすること」でも良いでしょう。
ビジネスモデルとは
でに、ビジネスモデルとは何でしょう。モデルとは「型。模型。手本。模範。」のことです。
つまり、ビジネスモデルとはビジネスの型であり、模型であり、手本であるものです。
何かを仕入れて(コストを使って)、何かを販売したときに、最終的に個人が生活(企業が存続)していくことをビジネスというのであれば、それらができる仕組み全体のことをビジネスモデルと言います。
ビジネスアイデアとビジネスモデルの関係
ビジネスアイデアはビジネスモデルの出発点であり、ビジネスアイデアを体系化するとビジネスモデルになります。
ビジネスモデルとは「商売を行い、最終的に個人が生活(企業が存続)していくことができる仕組みのこと」であるため、商売をするための型の1つでしかありません。
これまでにない斬新な技術を使ったサービス、世界の人々がこぞって使うインフラ、社会貢献を果たす組織……、「このようなものでなければビジネスモデルではない。」と言われたらほとんどの方は起業できないでしょう。
「ビジネスモデルとは何かを解決しなければいけない!」
「ビジネスモデルはWhyから考えなければいけない!」
とよく言われますが、それはイノベーションを興したい起業の1つの考え方であって、決して万人向けの起業であるとは思いません。
起業という行為をあまりに大きな考え方に昇華してしまうと、ビジネスモデルが作れないと考え、行き詰まり、起業に至らない方は少なくはないはずです。
ビジネスモデルを作るためのインプットとアウトプット
では、起業に繋がるビジネスモデルはどう作れば良いのでしょうか。
元になるビジネスアイデアは、誰にでも考えつきます。まず、あなたができること、やりたいことを並べてみることから始めます。
どんなに優れた社長でも、頭の中にない情報は並べられません。アイデアはあなたの頭の中からしか生まれません。ビジネスアイデアを生み出す方法は以下をご参考に。
アイデアの出し方1.自分が得意なことを考える
アイデアの出し方2.やりたいこと・欲しい物を考える
アイデアの出し方3.自分が困っていること・不便と思うことを考える
アイデアの出し方4.家族や身近な人が困っていることを考える
アイデアの出し方5.顧客に聞いてみる
アイデアの出し方6.利益率が高いビジネスを考える
アイデアの出し方7.海外のビジネスモデルを真似する
アイデアの出し方8.国内のビジネスモデルを真似する
アイデアの出し方9.成功モデルを他業種に展開する
アイデアの出し方10.安価なものを高価格で販売できないか考える
アイデアの出し方11.ただでも要らないものを考える
アイデアの出し方12.景気が悪そうなビジネスを考える
アイデアの出し方13.自分の業界の非効率的な部分を考える
アイデアの出し方14.知らない文化や新しい価値観に触れる
上記を参考にして、あなたが考えるビジネスアイデアを書きだします。これが最初のアウトプットです。この時点でビジネスモデルが完成することは、ほぼないでしょう。
現在存在する素晴らしいビジネスモデルを見て、
「俺も同じビジネスモデル考えてたんだよなぁ。あの時やってれば、今頃すごく儲かってるのに。」
という方がいますがこれは実現しません。なぜなら、たまたま思いついたビジネスアイデアの見た目が同じだっただけで、ビジネスモデルに必要な情報が足りないからです。
ここから、ビジネスアイデアに対して情報のインプットとアウトプットを繰り返し、ビジネスモデルに仕上げていきます。
ビジネスモデルの作り方
たとえば、ふとしたきっかけで「会員制の赤ちゃんグッズ販売を行ったら面白いかも!」というビジネスアイデアが浮かんだとします。それを紙に書き出します。
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会員制の赤ちゃんグッズ販売を行ったら面白いかも!
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・会員がリアルで会って情報交換ができたら面白いかも
・会員の意見を聞いて、必要なグッズを作ったら面白いかも
・受注生産方式で海外で制作できればコストに見合うかも
↓
・会員制にすることでのメリット、デメリットは
・何をもって会員制というのか
・どうやって会員の意見を集約すれば良いのか
・海外との提携をどうすれば良いのか
↓
・他に競合はいないか
・競合はどのように展開しているか
・競合はどのような商品を扱っているか
・競合の商品はいくらなのか
↓
・会員制が妥当かどうか
・市場動向が妥当かどうか
・競合状態が妥当かどうか
・売上見込みや価格設定が妥当かどうか
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初めのアイデアを書き出して見える化すると、「なぜこれが面白いのか?」「どんな要素があれば面白いのか?」を考えることができるようになります。
次に、書きだしたものが実現可能か調査する作業を行います。考え方自体は様々な方法がありますが、まずは3C分析(市場:Customer、競合: Competitor、自社: Company)が一般的です。
その際に行うことは、情報のインプットとアウトプットの繰り返しです。
あるビジネスアイデアを見える化したら、そのアイデアに関係する情報を書籍やネット、人に聞くなどして調査し、わかった事実(アイデア)をまた見える化する。
↓
見える化したアイデアに関係する情報をまた調査し、さらに見える化する。
この情報のインプットとアウトプットの繰り返しを行うことで、あなたが考えたビジネスアイデアがビジネスモデルになるかどうかがわかるようになります。
そして、最終的にビジネスモデルに仕上げるために、必ず「ヒト・モノ・カネ」のどれかが足りないことに気がつくはずです。
その足りないものを埋めていくために起業をするのです。
ビジネスモデルを作るたった1つの方法まとめ
蓋を開けてみると経営学部の学生でも知っているお話なのですが、この基本を忘れてしまう方は意外と多いようです。
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絶対に儲かる!
社会貢献できる!
長期間続く!
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という三拍子そろったビジネスモデルは世界中に存在しないため、私たちは起業した後も理想に近づけるビジネスモデルを作り続けなければいけません。
「ビジネスアイデアを見える化して、インプットとアウトプットを繰り返し、最終的にビジネスモデルになるかどうか。」
もし、ビジネスモデルになり得なければ、また違うアイデアを出して同じ作業を繰り返します。
当たり前ですが、ビジネスアイデアはあればあるほど良いですし、インプットとアウトプットは多ければ多いほど良いでしょう。
そして、これらの繰り返しが、ビジネスアイデアをビジネスモデルに変え、より洗練されたビジネスモデルの方程式に昇華していくのです。