「会計士」と「税理士」の違いとは?経営に関心があるなら知っておこう!

「会計士」と「税理士」の違いとは?経営に関心があるなら知っておこう!

事業を進める上でお世話になることも多い税理士と会計士。この2つの職種について、明確な違いをはっきりと答えることができない経営者もいるのではないでしょうか。

今回は、税理士と会計士の違いについて学んでいきます。

会計士・公認会計士とは

「会計士」と呼ばれる職業はよく耳にしますが、具体的にはどんな資格や立場を意味しているのでしょうか?

税理士というと税金に関する業務を行う仕事というイメージがわきやすいですが、一方の会計士とは具体的にどんな立場なのかわかりにくい部分がありますよね。

実は、「会計士」とは「公認会計士」の略です。
また、現在ではなくなった資格ですが、公認会計士の第二次試験に合格することで登録可能だった「会計士補」を含めることもあるようです。

現在は一般的に会計士といえば「公認会計士」のことを指すと覚えておくと良いでしょう。

会計士は、会計学や監査論、企業法、租税法などを学んできた会計業務のエキスパート。会社の経理・会計に関わる話では、頼れる存在になります。

会計士・税理士の違いとは?仕事は何が違うの?

会計士・税理士になるには、いずれも難しい資格試験を突破しなければなりません。

難しい資格試験といえば医師や弁護士を思い浮かべますが、会計士や税理士もまた難関なのです。
実際にどれくらい難しい試験なのかは、合格率を見ればわかります。

まずは会計士の合格率を見ていきましょう。

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引用元:http://careergarden.jp/kouninkaikeishi/exam/

合格率はその年によってばらつきがあるものの、平均すると10パーセント前後を推移していることがわかりますね。

単純計算で100人受験したら90人は落ちるということで、いかに難しい試験であるかが窺えます。
税理士に関しても同様に、合格率は低い水準になっています。

次のグラフを見てみましょう。

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引用元:http://careergarden.jp/zeirishi/exam/

税理士試験の合格率は、毎年10パーセント台前半を推移しています。
こちらも会計士と同じで試験に落ちる人が圧倒的に多いということになります。

経営者や個人事業主の方が普段お世話になっている会計士・税理士の方には、こうした難しい試験に合格できるだけの優れた能力があるといえるでしょう。

会計士・税理士はいずれも財務や税法などに精通しており、資格試験の問題においても、実際の仕事内容においても、一部オーバーラップする部分があります。

もちろん仕事の内容は全く同じというわけではなく、内容によって管轄が異なってくるため、経営者・事業主として会計士と税理士ではどちらに相談・依頼するのがふさわしい内容なのかを考えながら動く必要があるでしょう。

節税を含む税務の相談は税理士に

公認会計士の仕事は監査業務が中心なので、監査法人に所属することが多いです。
監査業務を行うため、監査法人で勤務する会計士は、上場企業の監査を主に行っています。

しかし、独立して働く場合は限りある上場企業の監査業務を請け負うことが難しく、税務関係の業務が多くなってきます。

公認会計士は税理士として登録する資格を有しているので、税理士を名乗っていてももともとは会計士というケースもあります。

一方、税理士は会計士としての業務を行うことはできないため、税理士事務所に勤めながら税務業務を行います。

経営者や個人事業主の方が知っておきたい点は、会計士・税理士に何をどのように依頼すれば良いのかということです。

前述の通り、会計士は上場企業に配置されていることが多いので、中小企業の方は税理士と関わることが多くなるでしょう。
節税など税務に関わる相談は、税理士または税理士登録をしている会計士に相談して問題ありません。

ただ、いずれの職種も様々な企業の経営を見てきたエキスパートなので、経営に関する相談は会計士・税理士のどちらにしても構いません。

経理や税務に関わる処理を依頼する場合、例えば伝票入力を1ヶ月に50件前後依頼すれば1万円ほどを支払う必要があります。
100件になれば1.5万円〜2万円ほどを見ておきましょう。

確定申告の書類作成を依頼する場合には、500万円以下なら3万円、1000万円以下なら5万円ほどが目安となります。
もちろんこれは相場であり、税理士事務所が設定する費用には差があります。

最近ではクラウド会計ソフトなどが登場したことによって、伝票入力や確定申告の書類作成を税理士に依頼せず、自力で済ませる事業主も出てきました。

私もその一人であり、クラウド会計ソフトを使うことによって会計処理を自分で行えるようになりました。ただ、初めのうちは何をどの勘定項目で処理すれば良いか判断に迷うことも多かったため、そうした場合はお世話になっている税理士に相談するというスタイルをとっています。

これまで以上に税理士から経営に関わるアドバイスをもらう余裕ができたため、メリットがあったと感じます。

まとめ

税理士・会計士の仕事内容はオーバーラップする部分もありますが、基本的に会計士は上場企業などの監査業務を担うことが多いです。

中小企業の経営者や個人事業主は税理士と関わることが多いですが、伝票入力・確定申告の処理はもちろんのこと、専門家として経営の相談にも応じてくれるでしょう。

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